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かにの泡ぶく


2006-11-30 すったもんだで楽しい試行錯誤な一日。

_ ヘッドフォンアンプその後。

先日自作ケースに納めた2SB22/2SD30 SEPPヘッドフォンアンプ。これでしばらくは落ち着いて聴けるかと思ったのですが全くそうもいかず。

ダイソー出身のヘッドフォンでいい感じで聴いていますと、いろいろとこう気になる点が出てくるわけです。本当に些細な、細かいことなのですけどね、しかし、どんなに細かいことでも一回気になりだすとたまらなく気になる。それは音の立下りだったり、オーケストラの演奏が終わって指揮者が「ぴたっ」とタクトを止めたときの余韻の空気感だったり、ギレリスのここの部分のピアノタッチはもっと乱暴なはずだ! という雰囲気だったり。
やっぱNFBかけすぎかなぁ・・・2SK30Aと2SK170のカップリングインピーダンスもう少し上げないとだめかなぁ・・・などなど。気になりだした項目について、解決できるかもしれないアプローチがちょっとでも見えちゃうと、もう、現状の音をこのまま聴き続ける気にもなれずに。
というわけで、ケースから出しては部品定数かえてまた入れて・・・また聴いては部品定数変えて・・・また戻してみたり・・・と、もう、何度基板を出し入れしたかわかりません。しかも今回のものは半田こそちょん付けですが仮設じゃないのでそれなりに手間です。

ケース入れる前に試聴してみればいいじゃん・・・とも思うのですが、これがですね、全く基板に手をつけないでも、ケースに入れると音が変わるんです。当然オシロ程度の測定器にはこの変化は出てきません。だから、ケースに入れて聴いてみないといけないのです。今回はかなり基礎実験した甲斐もあって、ケースに入れたほうが音は良い方向に転ぶのでまだよいのですが(これが実装設計ミスるとケースに入れると動作がヘンになったりすることありなんです。特に高周波では)。

いろいろ弄り回していたら突然片chのみパワーが出なくなっちゃって、『げ〜〜〜っ、ゲルマTr昇天したぁ』って思って必死こいて石交換してみたら、やっぱパワー出ない。良く良く見て見たら測定用のダミーロードの抵抗値間違っていたりなんてアホなミスしちゃったり、メモった測定値がなんの測定値かわからなくなっちゃったり・・・いろいろやっていると、ときとして混乱状態に陥りますな。
一旦はNon NFBにして、ワイルドな音にしてみました。これはこれで本当に情感豊かな音になります。すごくいいんです。ボーカルの声など、ツバが飛んできそうなリアル感です。でも、ピアノソロでフォルテ以上の高い音で歪がやっぱ気になりますし、聴いていて『あれっ?』って思っちゃうところもちらほら。
NFB量やかけかた自体もいろいろ変えてみたりして、結局さきほどの午後10時すぎ、なんとか満足できる設定を見出しました。

結果、約6dBの軽いNFBをかけることにしました。NFBくさい音にならないよう充分注意しながら、気になる歪が気にならない程度に軽減されるギリギリ少ない量を試聴しながら追い込むという極めて面倒くさい作業の結果です。

今、その音を聴きながらキーを叩いているのですが、いや〜、自画自賛になっちゃうのですが、今度こそ本当にしばらくはこのまま聴いていられそうな性能になったのではないかと思います。
先日ケースに入れたときに、デベロッパバージョンであることを明記して回路図をご紹介しようかとも思ったのですが、紹介しないでよかったです。
今日のところも、ご紹介は控えておこうと思います。
もう少し聴きこんで、これで本当に問題ないのか? 安定性は大丈夫なのか? 性能の再現性はどうなのか? 等々の検討を行ってからご紹介したいと思います。

今日は音楽没頭モードにならずにちゃんと、基本特性、測定しました。
全く問題ない数値が出ています。これもまた後日まとめてご紹介しますね。

_ 試聴のこころ。

今回のヘッドフォンアンプに限らないのですが、私が自作オーディオアンプの試聴をする際、どんなふうに試聴しているのかを書いてみたいと思います。

まずは、『自然な音がするかどうか』が最重要です。ウソくさい音、人工的な音、いかにもHiFiくさい音・・・そんな音が出たら、そのアンプは即分解です。

『自然な音』というのは、例えば人間の声が人間の声っぽく、ピアノはピアノっぽく、チェロはチェロっぽくってことなのですが・・・当たり前だろそんなのって突っ込まれそうですね ^^) ですから、音楽もジャンルに関わらず、いろんなものを聴きますし、街中の生録や山の中の滝を生録したようなCDも聴きます。

試聴時のソースは今ではCDしかありませんが、再生するCDも、昔アナログ(LP)でよく聴いたマスターが、CDで再度焼かれたものをよく聴きます。ということは、アナログLPで聴いたときの遠い昔の印象をリファレンスとしているのかもしれないのですが、すでにアナログ再生環境は無いので聴き比べることはできません。昔の記憶ほど(客観性においては)アテにならないものはありませんから、リファレンスとは到底言えないと思います。でも、過去に別の手段で聴いたことのある音で試聴するということは、CDでしか聴いたことのない音をCDで聴いてあれこれ思うよりは、多少はマシかなって思います。

あとは、音量や周波数で音像に変化が無いかも重要ですね。大きな音で鳴らすとそこそこ聴こえるけれど、音量を絞ると急に分解能が低下する再生システムはイヤですよね。あと、音量は変えないでも、ひとつの演奏中の録音レベル・・・すなわちピアニッシモやフォルティッシモってことですね・・・で楽器が遠くに感じられたり近くに感じられたり、距離感が移動するのも最悪です。

ま、こんなのどれも当たり前といえば当たり前なことなのですが、当たり前なことを当たり前に実現することが、結構難しかったりするのです。

だからこそ楽しいのですけどね。

それにしてもダイソーのヘッドフォン、かなり使えますね。これが\210-(税込)なんですから、ヘッドフォンオーディオ入門としては、まさに最強のアイテムじゃないでしょうか。

はじめのうちは、これでアンプのチューニングを続けるってのもどうしたものかと思い、ダイナミックオーディオで散々試聴しまくってAKGのK501を買ったのですが、未だにK501は未開封状態。ダイソーヘッドフォンでも違いがわかるってことは、ダイソーヘッドフォンもなかなか音良いってことなのでしょうね。

これでいけるところまで行って、K501に切り替えたいなと思っている今宵でした。

_ 備忘録:正弦波の五月蝿さ。

ダイソーヘッドフォンに正弦波入力してどのぐらいのパワーでどう感じるかのテスト。

1KHzの正弦波をオシレータで入力。

こんぐらいが常用パワーかなと思える音量:0.2 [Vp-p] これはうるさいもう辞めたいと思える音量:0.4 [Vp-p] 何の恨みがあるんだこれ拷問と思える音量:0.5 [Vp-p]

正弦波ばっか聞き続けて気が狂うかと思った。
あとで実効パワーに変換して一昨日の結果と比較してみたい。


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