2011-11-09 立冬過ぎて・・・_ 放射線測定の旅。(10時50分記)ここ「泡ぶく」の更新もすっかりご無沙汰になってしまいましたが、ここ最近、毎日時間さえあれば、生活圏の放射線量を測定していた私。今までの測定データを、「測ってガイガー」というサイトに大量投下しましたのでご紹介します。 神奈川県横浜市は港北区内、高田〜新吉田〜新羽〜綱島〜駒岡 というラインが私の生活圏内なのですが、この範囲を200ポイント以上、線量測定しました。ほんとは全交差点で測ろうかと思ったぐらいだったのですがそれはさすがに無理。出来る範囲でなるべく細かく測ってみました。 「測ってガイガー」での私のアカウントはこちら。測定データは、線量マップから見ると、わかりやすいです。 港北区内以外に、9月に諏訪に行った際に測定したデータと、武蔵小杉周辺で数点測定したデータも、登録してあります。 以下のマップは、私が測定したポイントのみを表示しています。ぱっと見で真っ青なので、線量は比較的落ち着いているものの、いくつか気になるポイントがありましたのでマップの下でご紹介します。
以下に、気になるポイントをご紹介します。測定機器は全て堀場製作所製PA-1000 Radi。数値の単位は全て [μSv/h] です。 ■超マイクロホットスポット
同地点地表1m:0.103 たまたまここを歩いていたら、PM1703MO-1が激しくアラームを発したので、堀場PA-1000で精密測定した結果です。 ■気になるポイント
同地点地表1m:0.079 たまにこのへん通ると、保育園児/幼稚園児が遊んでいるのを見かけますので測ってみました。空間1m線量は問題ない値ですが、砂の上5cmはちとヤバ目。この周辺の公園の砂場は、どこも0.1を超えるところは無いのでちょっと気になるレベルです。 参考:周辺の砂場の線量 綱島上町公園の砂場の砂の上5cm:0.074 新吉田吉住公園の砂場の砂の上5cm:0.092 新吉田吉住会広場の砂の上5cm:0.099(砂場がない公園) 鶴見川の河原の土の上5cm:0.094 ■300点近く測定していて気が付いたこと
2011-11-21 晩秋・・・なの?_ 放射線測定の旅-その2。(11時58分記)線量計持って、あちこち随分歩きました。 東山田〜高田〜新吉田〜新羽〜大倉山〜駒岡〜綱島〜日吉と、かなりの地点で堀場製作所PA-1000で線量計測した結果を、例のごこく「測ってガイガー」に大量投下しました。 私の測定値のみを表示したマップを、ここにも貼っておきます。サムネイルをクリックすると、別窓で等倍マップを表示します。 いや〜しかし、空間線量測定もすっかり市民権を得てしまったようですね。3月下旬ごろは、線量計持って街中で線量測定なぞしようものなら、『なにやってるんだあいつ』みたいな、おかしなヤツ扱いされて、通行人からは遠巻きに冷たい視線を浴びせられたものですが、最近は普通に話しかけられるようになりましたよ。 公園の砂場で線量測定してたりなんかすると、『あの〜、もしかして放射能測っているんですかぁ?』と、子供を遊ばせに来ているママさんからインタビューされたりすることも多々あります。 ママさん達は放射能に対して総じて非常に感心が高いです。お子さんのことを思えば当然のことでしょう。 最近では、街中でインタビューを受けることを想定してスケジュール組まないと、予定していた線量測定が消化できないぐらいです。長いときだとこのへんの線量情報や食材についての考え方等々、いろんな話を10分以上することも珍しくありません。 先日も街中で線量測定中にいつものごとくインタビューされたのですが、ご自宅の側溝がどうしても心配で、掃除するたびに不安になるというママさんがおられたので、その場でご自宅まで測定しに行って差し上げました。線量は側溝直上で 0.078μSv/h。全然安全な値であることが確認できて安心しておられました。 しかしながらすごい世の中になってしまったものです。以前であれば只の物好きなオッサンが放射能測っているだけだったのが、それがいまや、線量測定していて若いママさん達や買い物途中のご婦人、ウォーキングをしているオッサンから声を掛けられ、世間話する世の中になってしまったんですからね。 人の輪が広がるのは純粋に楽しいことなのですが、よくよく考えてみれば恐ろしい話です。 _ 電磁波もヤバい?!(14時02分記)私は電磁波が嫌いです。 特に、携帯電話は実に駄目です。昔はPHSを使っていたのですが、PHSでも駄目でした。どう駄目かというと、耳元で普通に通話していると、通話している側の耳からこめかみにかけての付近が非常に不快な感じになって、もう1分もしないうちに頭が痛くなってくるのです。 ですから、イヤホンマイクが欠かせません。 思えば遠い昔の学生のころ、アマチュア無線の免許を取ったのですが、430MHzのハンディートランシーバーも駄目でした。やっぱ通信していると頭がぼわ〜っとしてきてヘンな感じなってくるのです。このときも、スピーカーマイクのお世話になっていました。 30年以上前から自覚していた電磁波障害。「電磁波過敏症」って言うらしいですが、なんだかな〜ですよね。こうして、電磁波の影響を感じる人間を「異常者」とすることで、電磁波安全神話を振り撒こうとしているのではないのけ? と、私は昔から疑ってます。 そんなこともあって、私は自分の住居を決める際には、
・半径500m以内に高圧送電線が無いこと ・主な居住空間から半径25m以内に普通の電柱が無いこと ・ヤバそうな距離に電波送信用のアンテナが無いこと(携帯電話基地局含む) ・出来れば地上から少しでも離れる(地下埋め込み高圧線からの退避) を最低条件としていました。 まぁ、実際自覚症状が出るのは携帯電話とかPHSだけで、高圧送電線は真下に行っても全然なんともありませんから、私の「電磁波過敏症」は300MHz以上の周波数限定のようです。それでも自覚症状が無いだけで害があるかもしれませんから、高圧送電線も危険物認定しています。 ちなみに、今住んでいる我が家は、上記条件を全てクリアしています。 最近、線量計を持ってあちこちの空間線量を測っていてふと思ったのです。『そういえば俺の自宅の電磁波ってどのぐらいあるのだろうか・・・・?』
というわけで買ってみました電磁波測定器「トリフィールドメーター」。 電磁波を測定するなんて、考えただけで相当大変そう。測定器買おうと思ったら、最低でも30万円ぐらいするんじゃないだろうか・・・レンタルかな? なんて調べていたらなんと! 2万円でお釣りが来るぐらいの値段であるではありませんか。数千円台のものもあったのですが、いろいろスペック等々を調べてみるに、どうやらこの「トリフィールドメーター」はそこそこ真剣に遊べる程度には動くのではないか? と判断し、購入に至りました。 すでにこれを評価されている先人のリソース(1.測定器に対する注意事項: トリフィールドメータ)を読むと、まぁまぁそこそこ使えそう。特に、50/60Hzの商用電力からの漏れ磁界を直接測定する場合であれば、定量的にもなかなかいい線行ってそうです。 というわけで早速あちこち測ってみました。
測定日:2011年11月20日(日)の午後 測定器:トリフィールドメーター 測定値はあくまで目安。簡易測定器なので、絶対的な数値の精度は?と思うこと。 いやぁ面白いです。放射線と一緒で、見えなかったものが見えるようになるというのは実に面白い。 屋内に関しては主要な生活空間はいずれも測定限界値ギリギリ付近で、ゼロではないものの針が少し浮つく程度。ACアダプタとか、蛍光灯とか、通電しているものに近づけると猛烈に上がりますが、数センチ離れればあっという間に急激に減衰します。全然問題無さそうです。
高圧送電線は相当強力です。これ、何ボルトかわからないのですが、鶴見川の樽綱橋の少し下流側にかかっている送電線の真下です。東京電力の綱島変電所に行っているのかな? 立派なマイクロ波電波塔もあります。先進国の中で、高圧送電線の下に住居があるのは日本だけだという話もありますが、実際100ミリガウスオーバーの空間で日常的に生活していたら、なんだかヤバそうな感じはしますよね。この送電線は鶴見川を渡っているだけのようですが、それでも綱島側には日中には幼稚園/保育園児がよく遊んでいる小さい公園があったり、民家が数戸あったりします。 ・・・・・ 日本では過去、電磁波の健康への影響についてかなりいろいろな調査や研究がなされていましたが、最近ではどうなんでしょう。 例えばこの、文部科学省が平成11年度〜13年度に行った「生活環境中電磁界による小児の健康リスク評価に関する研究」を見てみますと、8頁で『子供部屋の平均磁界レベルが0.4 μΤ以上のみでリスクが上昇する』『脳腫瘍においても子供の部屋の平均磁界レベルが0.3 あるいは0.4μΤ以上でリスクは有意に上昇 するALL と同様なパターンを示した』と、言及されているわけです(後日なんだかんだ理由を付けられて結局は因果関係無しとされてしまうのですが・・・)。ちなみに、μT(マイクロテスラ)は10ミリガウスですので、0.4μTは4ミリガウスということです。 そのへんに普通にある各家庭引き込み用の電柱の真下で2〜3ミリガウスありました。4ミリガウスでなんらかの健康被害が起きる影響が見えているというのに、高圧送電線下に普通に住居があって平気なのだろうか・・・って思ってしまいます。 住宅街の真上を通っている高圧送電線の下ってどのぐらいの磁界強度なのだろう。早速測ってみようかな。 世界各国で生活空間における電磁波(電界・磁界強度)の規制値というのはあるのですが、日本のそれは比べてみると異様に高い(=規制値が緩い)。食品における放射性物質の暫定基準値もびっくりなぐらい許容量が高いんです。興味あるかたは、「電磁波 規制値」等のワードで検索してみてください。 原発安全神話と同じ原理のもと、電磁波安全神話も作られているのでしょうか。どっちも電力絡みですしね。 2011-11-22 ・・・・・_ たまにはこんな日も・・・(23時48分記)なんか凹みまくり。 今宵、いつものごとく自室でウイスキィタイムを過ごしているのですが、なんなんですかね。凹みまくってます。 たまにはこんな夜も、いっか。
2011-11-26 すっかり寒くなりました。_ 文部科学省発表資料について。(10時33分記)先日、横浜市でストロンチウムが検出された件について、文部科学省が追検査を行った結果について報道発表がなされました。 「横浜市が採取した堆積物及び堆積物の採取箇所の周辺土壌の核種分析の結果について」 あまりにも謎が多いので、コメントを残しておこうと思います。なお、以下のコメントとほぼ同じ内容を、私が参加する「横浜の子どもたちを放射能から守る会」のメーリングリストに投稿しています。 ■科学的におかしいと思われる点 原発事故等で外部に放射性セシウムが放出されると、「必ず」一定の割合でストロンチウムも(その他の核種も)放出されることが過去の知見からわかっています。 そして、放出されたストロンチウムは、放射能雲(放射性物質同士が塵や水蒸気と電気的(静電気みたいなもん)に結合して渾然一体となった塊)となって遠方に移動し、大気や土地を汚染します。 ストロンチウムは重いから飛ばないなんて話は全くのウソです。放出されればそれはセシウムと一緒になって飛んでいきます。チェルノブイリの原発事故の際には、チェルノブイリ由来のセシウムやストロンチウムが世界各地で観測され、もちろん日本でも観測されました。 今回、日本が定めた食品への放射性物質の暫定基準値も、セシウム量についてはセシウムだけを問題としているのではなく、一定比率でストロンチウムがあることを前提とした考え方が採られています。
参考:第373回 食品安全委員会
今回の福一爆発事故も当然例外では無く、文部科学省はじめ各方面で行われたストロンチウム検査により、一定量のストロンチウムが検出されています。 私が収集した範囲では、一部の例外はあるものの、今回の福一爆発事故で放出され、地上に降下沈着したストロンチウム量は、対セシウムベクレル比で 0.1〜0.4 % 程度と考えています。ストロンチウムが検出されたという報道がなされた頃は、「ストロンチウムが見つかったからもう駄目だ」みたいな声が多数聞かれましたが、ストロンチウムが見つかったからもう駄目なのではなく、セシウムがあるところにはストロンチウムもあって当たり前なのです。ストロンチウムは分析に時間も手間もかかることから、検査数をこなせません。セシウムがあるところには、ほぼ一定比率でストロンチウムもあるから、セシウムを測ることで全体像を見ようよ・・・ということなのです。 ですから重要なのは、当該原子力災害により検出されたセシウムとストロンチウムの比を調べることなのです。 大地に降り注いだ場合と、生体濃縮された場合では存在比が異なりますから、土壌、魚、肉、野菜等、それぞれ代表的な食品に対して、統計上ある程度有意な試料数をストロンチウム検査して、対セシウム比を求めることが重要です。そうしてはじめて、食品からの内部被曝管理が行えるようになります。 それを踏まえて今回の文部科学省の発表数値を見てみますと、試料1:「道路側溝雨水桝の周辺の堆積物」で、Cs134+Cs137で 38,000 Bq/Kg 検出されているにも関わらず、ストロンチウムが不検出となっています。
これは明らかにおかしい。福一由来のセシウムが高濃度で存在しているにも関わらず、ストロンチウムが存在しないというのは従来の知見では考えられません。なぜ不検出になったのか充分な検証が必要ですし、仮に本当に不検出であったとしたらすごいことです。ネイチャーに論文発表できるレベルの新しい知見です。 現状では、文部科学省の分析手法自体に問題があるのか、数値の扱いにミスがあったのか、いずれにしても、この検査結果の信憑性に疑問をつけざるを得ない結果となっています。少なく考えても、ストロンチウムは 40Bq/Kg 検出されるべきところです。 ■恣意的と疑わざるを得ない点 今回、各試料がなぜか30gという少量でしか分析されなかった点です。背景に発表されていない事情があるのかもしれませんが、福一由来であることを示す手がかりであるストロンチウム89は半減期が51日と比較的短く、今現在では放出された時点の量の 3% ぐらいしか残っていないと思われます。 ストロンチウム90が検出された地点のストロンチウム90濃度はそれぞれ 0.82 と 1.1 Bq/kg 。これから推測されるストロンチウム89の濃度は、0.3 Bq/kg 程度ですから、今回の30g試料では検出限界 3 Bq/Kg なので、存在したとしても検出できません。 ■何故高濃度で検出されたマンション屋上の堆積物の検査をしなかったのか これが謎です。 はじめに騒ぎになった試料は築7年のマンション屋上堆積物ということですから、ここで高濃度ストロンチウムが検出されれば、89の有無に関わらずほぼ間違いなく福一由来であることが明らかになります。 どうしてこんなにわかりやすい試料を検査しなかったのか、大変不思議です。試料の提供を拒否されたとか事情があるのでしょうか??? もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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