2011-03-12 東北地方太平洋沖地震。_ 3月11日14時48分頃。自宅自オフィスで普通に仕事中。 「ゆらゆらゆら」という小さいけど振幅が大きめな揺れを感知。『遠い震源ぽいけど大きいな』と思いつつ、仕事を継続。 20秒ぐらい経過しても揺れが収まるどころか増幅してくる気配。『これは来るか?』。 揺れが実にゆっくりと増幅してゆき、体感1分間経過後ぐらいから突如激しい揺れに。かなりやばい。体感震度5強(@神奈川県横浜市)。以前、5弱を経験したことあるけどそれより遥かに激しい。生まれてはじめて地震で生命の危機を感じる。本棚がダンシングしているし、測定器類が置いてあるラックも床に対して揺れに合わせて並行移動している。 この激しい揺れもかなりの時間継続。体感で1分間ぐらいか。こんな地震は生まれてはじめてだ。 揺れが収まりつつあるも、完全に揺れは止まらず10分間以上継続していたような感じ。揺れ収束の間にも余震があったりで、もはやなにがなんだかわからず。 部屋の中はもう滅茶苦茶。まだまだ大きな余震が来るかもしれないので、しばらくこのまま放置することにして、テレビを付けつつ家の中の被害状況収集。 テレビが瞬間移動していたり、レンジ台が意図しない場所にあったり等するものの、大きな被害は無し。耐震扉ってすごいな。食器や食材など、ぶちまけることもなく部屋内の秩序は保たれていた。但し、扉を開けるときには注意せねば。 ラジオ、懐中電灯、ライター、ナイフ、電池用意。エネループ今のうちに全部充電開始。ガイガーカウンター(CDV-700)スタンバイ、学校に行っている娘の携帯へメール。娘は今の時間は学校に居るはずだからある意味安心。マンションなので、玄関のドアを開け放つ。風呂の水を張る。 近所のスーパーに買い物に行った家内を救出に向かおうとマンションの階段を下りていくと、途中で遭遇。無事確認。 娘からもメール。無事確認。 実家に電話。 このへんで15時半ぐらい。 テレビ&ラジオ&インターネットで情報収集。 かなり大規模な震災が起きていることがわかる。この分だと都内に電車通学している娘の本日の帰宅は無理だろうと判断。こんなときは車も出さないほうがいい。緊急車両の邪魔になるし、そもそも大渋滞で身動き取れないだろう。「車で迎えに行きたいところだが、片道3時間かかりそうだし、移動中はトイレも行けないしその間に地震がまた来たら最悪。今、一番安全なのは学校に居ることだから、今晩は泊まるつもりで大らかな気持ちで過ごすように」と、メールを打つ。 その後学校から電話が来て、宿泊は問題ない、食料もあるから大丈夫。安心してくださいとのこと。 夜になって福島第一原発の冷却系等がトラブっているため周辺住民に避難命令が出たとの一報。こんな目的でガイガーカウンターの電源投入する日が来るとはまさか思ってもいなかったが、電源投入し線量観測するも、20時29分現在の横浜市の放射線量:0.01ミリレンドゲン/時以下で平時と変わらず。当たり前だ。でも、これから適宜測定し、上昇傾向を示した場合には、明日の娘の帰宅を待って長野県方面に避難する計画をなんとなく立案しておく。 千葉県市川で爆発炎上したコスモ石油のコンビナートの炎が、家のベランダからも見える。 とりあえず当面、一通り出来ることを行ったあと、リビングで家内とテレビニュースを見つめる。 1時間おきぐらいに線量計測するも、いつもの自然放射線量と変わらず。念のためにNukAlertも枕元でスタンバイ。軍隊みたいにさっと汚染地域から緊急脱出できるわけじゃないので、感度から考えてこいつが鳴ったらもうアウトっぽいけど・・・ 26時すぎいちおう布団に入り、うとうとするも、地震計が壊れたために精度が低下した緊急地震速報に何度かびっくりさせられる。 _ 3月12日。寝たのかどうなのかわからないような布団の中での数時間。もう朝5時すぎには気になって布団の中で携帯電話で情報収集。なんと、長野県でも震度6強の地震となっ! 昨日は太平洋側を中心にあちこちでM7クラスの地震が相次ぐ中、一気に内陸部の長野に飛び火とは尋常でないな。 そうこうしているうちに福島第一原発の避難範囲が半径10Kmに拡大されたとの一報。 今朝も線量計測するが今のところ異常無し。当たり前といえば当たり前だが、ここで異常を検知したらそのときは相当やばい。福島第一原発からここまで直線距離で200Km以上ある。 とりあえず布団から出て、髭もそらずに情報収集。 テレビニュースからは各地の惨状が刻々と流れてくる。 7時すぎに学校から電話。 8時すぎ娘帰宅。 その後あーだこーだ。 線量異常なし。 11時05分、フジテレビのニュースで福島第一原発の燃料棒が露出したかもとの一報。計器の異常もあり得るとか言ってるけどまず正しいと思う。線量異常無し。 そして今、11時14分これを更新中。 _ 3月12日 14時15分。家内にお願いして念のために娘用に、ヨウ化カリウム入りの喉スプレーを買いに行ってもらう。まさか飲ませることはないと思うので、来月にでも普通に喉スプレーとして使えばいい。 と書いているそばからテレビニュース第一報。福島原発1号機でセシウム検出とな。 線量異常無し。 怪現象発生! 自室で使っていたノートPCが突然ブラックアウト。電源は入っているのに液晶真っ暗。『おっかしいなぁ〜』とか言いながら強制断しているとリビングから家内が『ぱぱ〜、パソコンが真っ暗になったよ〜』と。 なんぞこれ。 _ 怪現象多発。マイノートPCが突然ブラックアウト(電源は入った状態になっている)。と同時にリビングにあった共用ノートPCもブラックアウトした件は上に書いたとおり。 さらに、本日夕方いつも使っている電気炊飯器でご飯を炊こうといつもどおりのオペで家内が米をセッティングし、炊飯ボタンをいつも通りに押すもまるで焚かれず中途半端な半生状態に。 なんぞこれ??? ご飯はその後、炊飯器を再起動(コンセント抜いて5分間放置)後、再度炊飯ボタンを押すことで通常に動いたけど、なんなんでしょうねこれ。地震のエネルギーにやられたのか??? 2011-03-13 小春日和。_ 11時39分現在。放射線量異常無しです。私の使っているCDV-700で、10[個/分]ぐらい。いつもの自然放射線量ですね。 10[個/分]というのは、1分間に10個の放射線を検知したということですから、機種依存の値です。感度依存ですから。で、これを、機種依存でない単位に換算しますと:
CDV-700の換算係数:100 [個/分] が、0.15 [mR/H] なので こんな感じです。 自然放射線量については、放射線と放射能|原子力|東京電力から数値を引用させていただきますと、神奈川県で 0.81 [mS/年] 。なんと、神奈川県って日本国内で自然放射線量が最も低い場所なんですね。 この数値を、時間単位に換算するためには 8766 で割ればいいので、0.81 / 8766 x 1000 = 0.09 [uS/H]。 実測 0.15 [uS/H] ですから、まぁこんなもんでしょうね。 う〜〜〜、放射線量常時監視、リアルタイム公開システムを早く整えなければ。
_ 「でんこちゃん」遂に計画停電。已む無しだと思います。 只今計画停電をどう快適に過ごすか、検討中です。 私はもともと自然回帰の原始人嗜好なので、計画停電はさほど苦にならないどころか、あまりにも浪費しつくしている現代の暮らしに一石を投じるためにも、いい機会だと思っています。 そもそも、不足電力ってさ、東京電力管内の各家庭が少し真剣に節電すれば補えるレベルのような気がするんですよね。 しかしそれが出来ない。 悲しいことです。 日本人が持つ共存の精神って、無くなっちゃったんですかね。 ウチは特段食料の買いだめとかもせず、必要な分だけ普段通り近所のスーパーで調達しているのですが、今日の夕方、買いに行ったらもうみんな買いだめモードでレジも長蛇の列。 なんなんですかね。 そんなもんなんですか? 今の時代って。 ま、いっか。俺は俺。ウチはウチですから、マイウェイを行くだけです。 娘にもよく言い聞かせています。現在継続中であるこの事象は一生忘れるなと。今回は、たまたま自分達は主たる被災者にならなかったけど、明日は我が身。何があっても自分で出来ることを考えて、行動しなさい。困っている人が居たら、自分が出来ることをしてあげなさい・・・と。 2011-03-14 計画停電。_ 東京電力からのお願い。緊急事態なので、許されるよね。東電のサーバが重くて繋がらないときのために、東電さんには申し訳ないのですが、「緊急情報(緊急度:大)」の内容を無断でそのまんまパクらせていただきます。
昨夜は全然繋がらなかった東電のwebも、今は安定して繋がるようですしね。 _ 東証大暴落。私の有価証券資産評価額も一気に下げてしまいましたが、そんなことはどうでもいいです。 建設業セクターのみ大暴騰しているってのが、なんともはや・・・こんなときに利益を得ようとは全く思わない私は、やっぱ株式投資には向かない性格なんだろうな。 _ 計画停電第一グループ中止。住民や企業(主には鉄道なのかな)の節電への協力により電力に余裕が生じたため、当初計画されていた計画停電第一グループが中止になりました。 これを受けて地域住民から不満が出ているとのことだけど・・・私には全く理解できない。 そもそもこの緊急事態で、臨機応変な対応をしなければならないのは当然だし、停電するものがしなくなったという、よい方向への変更がなされたのだから、よかったと思うことこそあれ、なんで文句言うのかね。 みんな完全に他人事モードすぎないか? この非常事態をみんなで工夫して乗り越え、被災地が一日でも早く復興できるように、自分が出来ることをしていこうという発想が無いのか。 こと、もの、情報・・・いろんな要素が、外部から「与えられる」ことが当たり前になりすぎたこの世の中、甘えの中で生きている人間が増えてしまったってことなのか。 実に悲しいです。 _ 放射線量リアルタイム公開Webサイト。いつもは東電や環境防災Nネット、福島県原子力センターで放射線量をリアルタイムで見られるのですが、東電はプレスリリースで福島原発周辺の数値を公表しているものの、環境防災Nネットは異常数値を示しそうな(もしくはすでに示している?)箇所は全て「調整中」。福島県原子力センターにおいては2011年03月12日 12時00分を最後に更新停止。 おいおいって感じですよね。 確かに生の数値をリアルタイムで出すことについての議論は必要かもしれませんが、平常時にはリアルタイムで表示しているものを異常時に出さなくしてしまうのであれば、リアルタイム公開の意味が無いんじゃないですかね。 そんな中において、茨城県/放射線テレメータ・インターネット表示局は頑張ってます。停電解消に伴い順次リアルタイム更新開始してます。 風向きを考えると福島の北側の測定値が知りたいところですが、とりあえず南側はこれで押さえられそうです。 _ 日本の送電技術。私が無知なだけなんだと思うのですが、この記事驚いた。
日経電子版より引用:
関西電力、長野の2発電所から東電管内に送電(2011/3/13 19:38) 発電所の発電周波数を変更するだけでもかなり大変だと思うのですが、それが仮に出来たとして、その発電所の接続送電線を「物理的に」50Hz地域に変更可能だってことですよね。 すごいな日本の送電技術。 頑張れニッポン! 俺も頑張る。 _ yimamura [拙宅近辺は第一グループですが、「6:20〜10:00 16:50〜20:30」という時間帯はちょっと勘弁してくれない..] _ 青木@管理人 [> 夕方の停電が実施されるとしたら、ウチは割り切って寝ちゃうつもりです。それが一番。 ですね〜。 ウチの近所のスー..] _ JK [こんなのもありますよ→ttp://hope.viops.jp/] _ JK [今日会社帰りにスーパーに寄ったら、お米など雑穀まで根こそぎなくなってました。 ラーメン類の棚もカップ麺以外の袋物まで..] _ 青木@管理人 [そうそう。乾麺とお菓子パンって言うのかな・・・が、人気ですよね。ウチの近所のスーパー数軒回ったけどどこも完売状態。 ..] 2011-03-16 大自然の力の猛威。_ 東北地方太平洋沖地震の件。改めて、被災されたみなさま、心からお見舞い申し上げます。また、お亡くなりになられた方々、心からご冥福をお祈りいたします。 一人でも多くの方が無事救助されますよう、心からお祈りいたします。 _ 人知の無力さ。未だに地震の被害の全容はつかめず、福島原発方面も一向に終息の気配が無いどころか最近報道管制が行われているのか、現場に人が近づけなくなったためなのか、情報が非常に少なくなってきました。 しかし・・・繰り返し地震発生以降の映像を見るに、まさに言葉を失うと共に人知の無力さを改めて、痛感します。 この地球上に住む以上、自然災害は防ぐことができず、また、こと、大地震については、日本に住む以上、回避できない、受け入れざるを得ない事象なんだとも思います。 まだまだ現在進行形な状況で、なかなか仕事も手に付かない時間が多いここ数日ですが、まずは自分で出来ることをやっていくしかありません。 一日も早い復興を願いつつ、日々、自分のすべき任を全うする 頑張ります。 _ 計画停電。言葉がまずかったですね、計画停電。「計画的に停電させるっていうのに、なんで停電しないんだ!」という、停電地域の住民からの声。日本人の気質を考えたら、そう思う人が少なからず居るだろうことは事前に想像ついたことかもしれません。 で、私の案。「計画停電」改め「電力供給不安定期間」、あるいは、「停電するかもしれないよ期間」としておけば、よかったんじゃないですかね。 そうすれば、電気が来てたらラッキー、いつ停電しても大丈夫なように生活しておこ・・・と思う人の割合が、かなり増えたのではないかと。 大口事業所等では、毎年夏季など普通に計画節電や電力供給制限が行われるのですが、こういう対法人と同じ感覚で、個人契約者向けにも対応したのがまずかったのかもしれませんね。 でもまぁ、戦後初のことですし、はじめてのことを行うときには混乱はつきものです。一度犯した失敗を二度繰り返さぬよう、しっかりと今回のことを教訓としてもらいたいものです。計画停電リストの不備も含めて(ウチの区域は複数グループに記載されてて、全部ORとると丸一日停電とか)。もちろん、災害は起きないに越したことはありませんが、誰も起こそうと思って起きてるものじゃありません。全ての経験、結果を無にしないという姿勢が必要です。 テレビ等マスメディアの報道を見ていると早くも今回の事態への対応についての批判や分析が始まっています。おいおいって感じです。まだまだ文句や批判等をすべきタイミングではありません。他人事じゃないんですよ。当面、目の前にある大きすぎる問題を解決するために、日本国民全員でできることをしてゆかねばなりません。 ただね・・・ 被災地停電させるとか東京電力は とだけは、言っておきたいです。 被災地のことを思えば、通電可能地域の計画停電なぞどってことないです。 _ 地震後初の電車。本日仕事でクライアントのオフィスへ行くため、街を歩き、地震後初めて電車に乗りました。 いや〜〜〜、世間は殺気立ってますね。みんな歩く速度が平時のx1.5って感じで、電車に乗ったり降りたり、エスカレータに乗ったり降りたり、自動改札機にスイカをピッってやったり・・・という、日常の行為がいつもとまるで雰囲気が違います。 殺気立っているというか、緊迫しているんです。 いやまぁその、こんな世情ですからそりゃ平時で居られないのはよくわかるのですが、こんなときこそ、深呼吸して大らかにしていないと、持たないですよねさすがに。
いつもと違う雰囲気の渋滞に「なんぞ?」と思えば、ガソリンスタンド給油待ちの車が延々と2Km以上並んでいたり(ほんとですよこれ。クライアントで仕事終了後運動がてら一駅歩いたのですが、その間延々と渋滞が・・・推定4Kmはあるような感じ)。 家内の話では近所の大き目なスーパーは朝から入場制限で、スーパーを取り巻くように順番待ちの人の列がとぐろまいていると。さすがの家内も馬鹿らしくなってそこでの買い物を断念しました。 なんでこんなことになるのか。 3月13日に少しこのへんのことに触れました。そのときは、短絡的に「日本人が持つ共存の精神って、無くなっちゃったんですかね。」なんて思ったのですが、その後実は私なりにいろいろ考えていたのです。かなり深く。今も考え中です。が、今のところの考察は・・・ すなわち、「誰も頼れる相手が居ない」という、今の日本が抱える潜在的孤独感が要因のひとつなのかな・・・って、少し思い始めています。 近所付き合いが減少し、困ったことが生じてもなかなか周囲に相談できない今のご時世。なにかあったら自分(達)だけでなんとかしないといけないという危機感から、不必要な買いだめに走らざるを得ないのかな。 買いだめして解決できる問題じゃないんですけどね。 さらに言えば、今の日本という国は、信用できないっていう心理があるのかもしれません。政治不信っていうんでしょうか。それが過度の自衛っぽい(実は全然自衛では無く、むしろ自分の首を絞めているのだけど)セミパニック行動を招いていると。 ここで一つ誤解して欲しくないので補足しますが、「自立している」ことと「誰かを頼る」ということは、共存できることです。別の言い方をすれば、「誰かを適切に頼る」ためには、自分自身が「自立して」いなければならないと思うのです。 お互いが自立していれば、困ったときに「誰か(お互い)を頼る」という共存の精神は成立します。お互い自立できていないと、共存はできずに共倒れになります。 あ、これはあくまでも私の考えです。 なんか、最近のいろいろな事象に伴う世間の動きを見ていて、いろんなことを考えている今日この頃です。 そんな私は、今日もあるものだけを適当に調達して、家族一同日々質素に生きております。 でもねぇ、酒の肴を買うためだけにレジに30分並ぶとか、正直参ります ^^)。でもまぁ、お米やパン、インスタントラーメン等はどこも完売ですが、お酒だけはどこに行っても豊富にあるのでこればかりは安心です。 余談ですがこんなときこそ心のゆとりが必要。最近数日のいろんな出来事に家内も娘も見た目は元気に振舞ってますが、一方で、精神的にきつくなっているのがわかります。 そんなわけで、今日はお花を買って、帰りました。少しでも家庭内癒し効果があれば・・・
2011-03-17 放射線についての誤った解釈。_ 胸部レントゲン1回分です。各地の観測ポストの線量が上昇し始めたとき、よく、『胸部レントゲン1回分の放射線量です』なんて説明を耳にしましたが、最近のマスコミの報道を見るに、誤った解釈をしているケースが多々見られます。 また、私のところにもメールで「私の居るxxx市は大丈夫ですか?」「何マイクロシーベルトになったら避難したほうがいいんですかね?」みたいなメールが、かなり届いております。 ここで一度、説明しておきたいと思います。 ただ、私は放射線については完全に素人ですので、間違ったことを書いているかもしれません。間違わないように細心の注意を払って書いてみますが、もし、お気付きの点がありましたらご指摘歓迎です。 _ 被曝量=強さx時間。胸部レントゲンを例にしましょう。一般的に使われている数値として、胸部レントゲン1回あたりに浴びる放射線量を 50[マイクロシーベルト(μS)] としましょう。 もし、貴方が居る場所の放射線量が、0.5[μS/h]とします。この場合、100時間その場所に居ると、胸部レントゲン1回撮影したときと同じ被曝量になるということです。 まとめます。
放射線被曝量 = 放射線強さ x 時間。 です。よく使われる単位 [μS/h](マイクロシーベルト/時)は、1時間あたりそこに居ると被曝する放射線量ということです。 胸部レントゲン1回撮影したときの被曝量[μS]は、被曝放射線総量を表しています。単位に分母がないことからもわかりますね。 もし、貴方が居る場所の放射線量が、0.5[μS/h] とします。ここに1年間住んだ場合は、0.5 x 24 x 365.25 = 4383[μS]で、胸部レントゲン87回撮影したのと同じ被曝量となります。
世界には、1.0[μS/h] を超える自然放射線量を観測する都市、街が沢山ありますが、それらの地域で特別に放射線による健康被害が多いという現象は確認されていないということです。 - 2011年3月19日 08時17分追記。 このへん、最近の報道を見ていると単位が滅茶苦茶に使われているケースが多々あるので、数値を解釈する際には気をつけなければなりません。 最後に、[μS/h]と被曝量の関係が一目でわかる図を作ってみましたので、参考までに掲載します。 いくつかの被曝量基準に対して、ある[μS/h]のときに何時間(何日)そこ居ると被曝量基準に達するかを図から読み取ることができます。 図中、例として臨床症状が出ないと言われている被曝量限界を200[mS]としましたが、これは放射線医学総合研究所から出されているパンフレットから拾った数字です。 _ 外部被曝と内部被曝(直接被曝と間接被曝)。放射線量と被曝についてはここまでの説明でざくっとご理解いただけるかと思うのですが、さらに難しいのが、外部被曝と内部被曝です。これも、現在かなりごちゃ混ぜで扱われているという印象を受けています。 こんな話を、今の時点でするべきかどうなのか、実は私も悩んだのですが煽るわけでもなく楽観するわけでもなく、正しい判断を行うためには事実を正確に把握し、正しい知識を得ることは重要だと思います。 ここをお読みの皆さんで外部被曝と内部被曝の区別がわからない方はぜひ、「外部被曝 内部被曝」でGoogle等で検索して、調べてみてください。 よく聞く『放射線の強さは距離の二乗に比例して弱くなる』・・・すなわち、放射線発生源からの距離が2倍になれば、放射線強度は1/4倍になるということですが・・・という話と、福島より遠く離れた地域で検出される放射線量の増加は、全く違う話なんです。 お願いですから、ぜひ、ぜひに・・・ _ 被災地現場で対応されているみなさん・・・応援することしかできません。今の私には、応援することしかできません。正直、実にもどかしい。 決死の覚悟で現場で対応作業されているみなさん、被災地で救援活動をされているみなさん、心の底から感謝いたします。 _ 被曝量と放射線量について、改めて・・・(3/18 13:27追記)線量というのは、当該地点での放射線の強さを示すもので、単位時間当たりの被曝量を意味します。 水を用いて、例えてみます。
放射線被曝量 = 放射線強さ x 時間 ということです。これを、今、報道でよく耳にする「胸部レントゲン」と「各地の放射線量」に当てはめてみますと・・・ 胸部レントゲン1回分50マイクロシーベルトというのは、胸部レントゲン1回撮ると、50マイクロシーベルトの放射線が身体に貯まりますよということです(すいませんここの「放射線が身体に貯まる」という表現は正確ではないのですが、概念を説明するためにはOKでしょう)。 そして、例えばある地点での放射線量が 0.5マイクロシーベルト/時 だとした場合、これは、その地点に居ると、1時間あたり0.5マイクロシーベルトの放射線を受けますよということです。 よって、その地点に100時間居ると被曝量は50マイクロシーベルトになり、胸部レントゲン1回分となるのです。 さらに、その地点に200時間居れば被曝量は100マイクロシーベルトになり、胸部レントゲン2回分となります。 ですから、「放射線量と胸部レントゲン被曝量とを比較しているニュースはウソを言っているってことなんですか?」というのは、嘘以前に直接比較しようがない数値なんです。 その地点に何時間居るか? という条件を規定しないと、被曝量が出せませんから。 _ 青木@管理人 [どういたしまして。 私も放射線に関してはまるで素人ですが、地震大国日本が原発を持たねばならないという状況に際して、随..] _ 通りすがり [今、NHKを見てたのですがまたいつもの「直ちに健康被害は出ない」って言ってました。 教えていただいた計算式で計算して..] _ 青木@管理人 [胸部レントゲン被曝量が50マイクロシーベルトとした場合、線量が150マイクロシーベルト/時であれば、通りすがりさんの..] _ はじめまして [マイクロシーベルトについて調べているうちにこちらにたどり着きました すごくわかりやすい説明ですね、ありがとうございま..] _ 青木@管理人 [はじめましてさん、はじめまして。 少しでもお役に立てたのなら、時間をかけて書いた甲斐があったというものです。ありがと..] 2011-03-19 丸一週間経過。_ 懸命なる被災地での救援、復旧活動。あっという間の一週間でした。 民放テレビにもCMが流れるようになり、だんだんと平時の雰囲気に戻りつつあるように思います。 地震直後は情報収集に明け暮れる毎日で私の生活も一変しましたが、ようやく少し落ち着いてきたといったところでしょうか。もちろん、その間も、本業業務があったわけですが、余震に身構えたり計画停電のスケジュールとにらめっこしたりと、なんとなく落ち着かなかったのも事実です。 今回、被災地域の復興は、かなり長期戦になるでしょう。余震も当分続くと思われますし、ひょっとすると別の本震が来るかもしれません。 被災地復興に自分が出来ることは何か・・・と、改めて考えたとき、とにかく日々の活動が停滞することを避けることが非常に大切なんだなと思います。 現地が受け入れ可能になり、直接的に協力できるのであれば、被災地に行ってボランティアするのも強力だと思います。が、それが叶わないのであれば、大人の千羽鶴をするのもいいですが、まずは自分の今までしてきたこと・・・仕事なりなんなりに全力で打ち込んで、日本を震災前同様に回すことに専念するのが広い意味で、被災地域の復興にも繋がるのだと思うのです。被災地のみなさんは本当に大変で辛い日々を過ごされていることと思います。が、しかし、日本全体がそれで沈滞してしまうようなことなぞ、まるで望んでいるわけがないのです。 というわけで今日は朝から、地震の影響で遅延したプロジェクトのスケジュールリカバリーのため、猛烈な勢いで仕事しています。 被災地の被害状況は甚大ですが、現地のみなさんの力、そして、日本中、世界中からの支援により必ず復興します。丸一週間を経た今、思いを新たにしつつ、被災地のことを頭の片隅で思いながら今まで同様に日本を回していこうと思います。 _ 買い占め継続中?!相変わらずスーパーの陳列棚にトイレットペーパーや乾麺、お米は見かけませんが、刺身や肉はあるし、なんと言ってもお酒はどこのスーパーにも豊富にありますので、まぁ生活するには全然困りません。 しかしなんでトイレットペーパーや乾麺、お米が無くなるんですかね、謎です。 非常時にそのままでは食べられないお米や乾麺(あ、乾麺は食べられますが ^^))は、こういう非常時にはあんまり役に立たないと思うんですけどね。 缶詰が売り切れになるのならまだ理解できなくも無い(それでも買い占めは自分の首を絞めるだけになるので激しくNG)のですが。 あと、お米が売り切れなのに、その横にパックの切り餅が山のように積んであったり。「米炊くのなら餅焼いたって同じやん」って思っちゃうのですが、どうにも群集心理というものは、不可解なものです。 そもそも、街にある「てんや」は普通に天丼売ってますし、中華料理屋さんのお昼のランチのご飯の盛りが少なくなっているなんてこともありません。 電気も来てればガスも来てるし水道もちゃんと出る。 超節約モードで生活しているとは言え、生きるのにはまるで困りませんよ。 今日も我が家はあるもので適当に生活しています。 _ 今までが明るすぎたんじゃないのか?計画停電が実施されてから、近所のスーパーはどこもほぼ例外なく店内照明が平時の30%ぐらいに落とされて(具体的には照明用の蛍光灯が半分以上消灯されている)、確かに薄暗い感じがしますが、では、これで何か困るか? というと、案外なんにも困りません。 むしろ、今までが不必要に明るすぎたってことなんですかね。 パチンコ屋も派手な照明が消灯され、店舗によっては計画停電に伴うコンピュータの再起動が面倒なのか休業の店もあります。私はパチンコはやらないので全然困りませんが、やる人にとってもあの派手な照明って、なくても支障ないですよね実際。 先日、お店でランチを食べてたら女性二人のこんなような会話を聞きました。
「うん。携帯も充電しておけばいいし。でもあの原発の事故怖いよね。電気を減らせば原発減らせるなら、このぐらい不自由でもいいんじゃないの?」 『停電は困るけど、節約してなんとかなるならなんとかできそうだよね』 起きてしまったことはもう仕方がないですが、それから得られる教訓は最大限今後に活かしていかねばなりません。 _ 青木@管理人 [JKさん、野菜とか肉、刺身等はほんと豊富なんですよね。なんか不思議な消費行動です。 なんだか殺伐としてる感が満載の最..] _ た [そう、乾麺はそのままで十分食べられますね!(笑)] _ 青木@管理人 [でも水分(ビール等)がないとさすがに辛いので、緊急時に食べると喉が渇きそうで非常食には向きませんね ^^)] _ RIEKOHEAD [同感です!今までが明るすぎました。 毎日池袋を歩いていて思いますが、このくらいのほうが過ごしやすかったりします。] _ 青木@管理人 [ほんとですよね。今までどうしてあんなに明るかったのだろうって考えると、実はたいした理由は無かったように思います。] 2011-03-26 丸二週間経過。_ あっという間の二週間。毎日の業務、生活にプラスして、福島原発の情報収集という非常に重要なテーマがいやおう無しに付加されてしまい、日々寝不足気味の今日この頃な私ですが、みなさんはお元気でしょうか。 夜の帳が下りた自室でウイスキィ片手にPCに向かいつつ、椅子に座ったままいつの間にか寝てしまっている自分に気付いてはっとしてしまったり。 そんな毎日を送っています。 福島原発は未だに収束する気配を見せませんが、周辺のモニタリングポストの状況や報道される情報、もう二週間も経過した等から考えて、最悪の状況は脱しつつあるのではないかと思っています。私が想定していた最悪の状況というのは、原子炉爆発して放射性物質大量飛散状態ですが、おそらくこの危険な事態が発生する可能性は、ごく低くなったと考えています。 そう考える根拠はいろいろあるのですが、ここでお話することは避けようと、思います。原子力の技術って、政治宗教野球UFOの話と同様な側面があって、個人の心情というか、信仰(というのとは少し違うのですが・・・)みたいなものが大きく絡んできますから、なかなか私の考えるところをここをお読みの不特定多数なみなさんに正確にお伝えすることは、難しいかな? と、思うわけです。 ま、ここ かにの泡ぶく は、そもそもがヨタ話ですからね、あまりマジメな話は似合いませんし。 _ 避難基準は個人判断で。何故か私のところに今回の放射能汚染についての質問メールがやってきます。 デジカメの話とか、画像処理の話、電子回路系の話であればまだわかるのですが、放射線については私は全くの素人ですし、完全独学です。ですから、『xxxxに住んでいるんですけど避難すべきですか?』という質問を貰っても、非常に困ってしまう(というか、答えようがない)のです。 個々に真摯にご返信を差し上げては居ますが、避難って、なかなかロジカルに判断できるものではないと思うのです。 ただ、ひとつだけ言えることは、福島第一原発の半径30Km以内に居るみなさん、昨日政府が『自主避難を推奨』とかわけのわからない通達だかコメントだかを出していましたが、本当はもう一週間前に強制退去が必要なレベルだと私は思っていました。法に規定があるのかどうなのかわからないのですが、放射能汚染時における屋内退避というのはあくまでも一時的な処置であって、数日以内に状況が好転するときのみに適用すべきものだと思います。テレビなどでは、屋内退避区域では窓を閉めて換気扇止めて、外から屋内に入るときには服を脱いで袋に入れて・・・等と言ってますが、はっきり言ってこんな程度の周知では、やらないよりは少しはマシでしょうが少しはマシな程度です。体内被曝を防ぐのは、とっても大変なんです。もし、屋外に放射性物質があって、それを本当に屋内に入れないようにしようと思うのなら、こんな感じになると思います。
こんな感じですよ。人間はざっくり一人当たり一日500リットル程度の酸素を消費しますから、部屋の酸素濃度を計算して、低下してきたらその分換気しなくてはなりません。なんとか工夫して、取り入れ空気を水で洗うフィルタを作り、換気扇を回してどこか一箇所から吸気する等、極力汚染空気を取り入れないようにしなければなりません。 実際問題として、これを運用できるのはせいぜい3日程度でしょう。屋内退避が長期化すれば、当然ですが生活継続のために屋外に出なければならず、これを繰り返せば空気が交換して放射性物質が屋内にも入ってきます。そしたら、屋内退避の意味がありませんからね。放射線はマンションの壁やコンクリートで減衰するから屋内は屋外より安全とかいう話をどこかのニュースで耳にしましたが、それは外にある放射線源から直接やってくる放射線についてであり、放射性物質が屋内に入ってくることとはまるで話が違うのです。 ですから、福島第一原発の半径30Km以内に居るみなさんは、少なくとも一週間前には避難開始しなければならない状況だったと思います。屋内退避がまだまだ継続することが容易に推測できる状況だったわけですから。それを今頃になって『自主避難を推奨』とかいうのは、正直無責任にもほどがあると、思います。事態が収束していない現状で批判的なことを言うのは尚早で慎むべきことだとは思いますが、これだけはあまりに酷過ぎるので、言っておきたいと思います。 国家は、国民の生命と財産を守る責任があります。 政府の『自主避難を推奨』というのは、国は関与しないから勝手に逃げてね・・・ということです。現地では燃料もなければ移動インフラも細い。そんなところに居る人達に対して『自主避難推奨』とか日本政府は馬鹿なんですか? 政府主導で関東近辺にあるバスを可能な限りチャーターして全住民を計画的に避難させるぐらいのことをしてしかるべきだと思います。 被災地周辺のみなさんは本当に大変な日々を送られていることと思います。一日も早く、ゆっくり休める日がくることを祈らざるを得ません。 さて一方で、もう少し遠いところ・・・具体的に言えば茨城、栃木、群馬県あたりはかなり微妙な状況です。このへんになってきますと、人それぞれで状況や考え方、取り巻く環境が異なるでしょうから、ロジカルに判断できるものではなくなってきます。例えば、年齢。私みたいに45歳だったり、それ以上だったりした場合には、ぶっちゃけ少しぐらい被曝してもまぁどうってことないというのが私の考え。賞味期限が切れて二週間ぐらい経過した納豆を平気で食べる人間ですから。こういうのって、ほんと考え方人それぞれですから、避難判断について私になんか相談しないほうがいいですよ(笑)。 育ち盛りのお子さんが居るとか、これから子供を作る予定があるとかであれば万全を期すべきでしょう。もし放射線量が高い地域にお住まいで、しかし、諸事情でどうしても避難するわけには行かない、将来子供を作りたいと思っておられる人がいらしたなら、精子、卵子を今のうちに冷凍保存しておく等も検討しておいたほうがいいでしょう。もちろん保存場所は線量の低い地域か、放射線が来ないような対策をされた場所である必要があります。今ならまだ間に合いますが、半年後だと駄目かもしれません。被曝量にもよりますが。 私のところには、来月から中学二年生になる娘が居ます。娘のことを考えるとやはりここ横浜も安心とは言えない状況ですが、とはいえ、実際に避難するとなるとすでにある生活基盤を放棄し、かにこむの経済活動も大幅縮小して対応する必要があります。だって、一週間やそこらの避難じゃ済まなさそうですからね。被曝リスクと生活維持を天秤にかけながら、舵取りをしていかねばなりません。 こういう事情って、人それぞれ、個人個人で違いますよね。 最後に、放射線のことについて参考になるURLをご紹介しておきます。 本当は全部読むとよいのですが、ここ:原発 緊急情報(21) 「直ちに」とは何か?「冷静に」とはなにか? から順に、最後まで読むと、放射能汚染、放射線に対する一通りの知識と考え方が身に付くと思います。少なくとも、テレビのニュースを見て「なに適当な嘘言っているんだよ」という判断が出来るまでにはなりますし、自分にどの程度の被曝までを許容するのか、家族はどうなのか? と言ったことを考えるための基礎知識を身につけることができるようになると、思います。 紹介しておいてこんなこと言うのもなんなのですが、だからと言って私は武田邦彦氏の主義主張が全部正しいと思っているわけではありません。放射線についての記述はさすが専門家だけあって正確ですが、それと、個人の主義主張は別問題ですから念の為。 ちなみに私が放射能汚染とその対策について勉強をはじめたのは20年ぐらい前。ゲノムの仕事をしていた頃(遺伝情報処理エンジニアっていうんですかね)からです。地震王国日本が原発を持たねばならぬ状況に際し、有事の際にどういうことが起きてどう行動すればよいのかということを、時間のあるときにちまちま調べていました。 まさかそれがね・・・少しでも役に立ってしまうときがやってくるとは夢にも・・・ 2011-03-27 降下放射性物質。_ 近所の地面の線量測定。3月25日(金)に、近くを流れる鶴見川の河川敷に行って、放射線量を測ってみました。 ガイガーカウンターを外に持ち出すのは今回が初めてです。さすがにこんなの持ち歩きながらあちこちフラフラ測定しまくっていたら、職務質問間違い無しです。見えないように紙袋に入れて河川敷まで移動です。 で、結果ですが、案外高かったです。とはいうものの別にどうってことないレベルなんですが、地面の線量測ったのは今回がはじめてなんで、平時がどのぐらいかまるで分からないのが悩ましいところです。 これからはたまには地面の線量も測って、普段の傾向を掴んでおく必要がありますね。 というわけで推測だらけですが、結果をご紹介します。 ■鶴見川某所河川敷の線量測定結果 測定日時:2011年3月25日(金) 13時半〜14時 舗装された道(一般車両は通行禁止)から少し入った草木が生える土と芝生。 地面から1mの高さでの線量は、どの地点もそう大きな違いはありませんでしたので、A地点のみ定量値を表示しています。 自宅ベランダはいつも放射線量を測定しているところなのですが、この日は雨が降って数日後だったせいかいつもより静か目でした。自宅ベランダで平時は 0.18μSv/h ぐらいでβ線はほとんど検出されません。マンション高層階ですので地表の影響は無視できる環境。すなわち、ほぼ純粋な空間放射線量と考えてよいと思います。 これが地上に降りただけであんなに上昇するんですね。これが平時もそうなのか、今だけそうなのかはわかりません。 線量が突出しているC地点は、ABに比べて風の影響を受けにくそうなところの芝生(周囲が土手やコンクリートの構造物等で囲われている)だったのですが、そのために放射性物質が蓄積しやすい条件だったのかもしれません。 直接放射線の強度は距離の二乗に比例して弱くなりますから、地面からの放射線量を考えますと、1m位置の線量は1cm位置の線量に比べて 1 / (100 x 100) で1万分の1になっているハズです。ということは、地面の線量 = (1cm - 1m) と近似してしまっても、大雑把には問題ないのではないかと考えられます。 ということでA地点の地面から1m位置の線量を河川敷での空間線量とし、これを引いたものをまとめてみます。 A地点1m位置の線量をBackGround値とし、1cm位置線量から引いた値。 う〜ん・・・だからどうなんだって感じですが、土の上では土由来と思われるβ線はほとんど検出されませんでしたが、芝生の上は有意にβ線量が増大しています。放射性ヨウ素131はβ崩壊してキセノンにかわります。すなわち、放射性ヨウ素131はβ線を出すわけです。 各地で農作物から放射性ヨウ素が検出されたのが3月19日〜21日。その後22日、23日とここ横浜はしっかり雨が降りました。土の表面に降り注いだ放射性ヨウ素は洗い流され風で飛ばされてしまったけど、芝生に降り注いだ放射性ヨウ素は、芝の隙間に蓄積されて残っているってことなんでしょうか。それとも、芝が吸収した分を検出しているのかな。 地表1cmでの平時の値を測定していなかったのでなんとも言えないわけですが、今回の福島原発事故に伴い、なにかしらの放射性物質がここ鶴見川の地表に降り注いだであろう事実を、確認することは出来たと言ってよさそうです。 日本で有数の自然放射線量を誇る人形峠でレンガに使う採掘土の表面線量ですら 0.28μSv/h です。そして、ここ神奈川県は、つい先日までは日本国内で最も自然放射線量の低い都道府県でもありました。これらから考えて、今回測定した鶴見川河川敷の放射線量は、平時に比べて有意に高い値ではないかと推測することができると思います。 _ 青木@管理人 [問題は、そういう判断をできるだけの最低限度の知識を持つだけの教育を、今の日本人は誰一人受けていないって点だと思います..] _ JK [電力の伝送ロスは距離に比例するので、ホントに安全なら東京港とか大阪港とかに作るはずですよね。今話題の「渋谷」にだって..] _ 青木@管理人 [私は今までは原発に関しては容認派だったのです。資源の少ない日本において、放射性廃棄物は大変な問題だけど、それは解決し..] _ た [私はハッキリ否定派でした。そしてその非力を恥じています。 解決しなくてはならない問題があるなら、断固解決してから始め..] _ 青木@管理人 [私にとっては実に難しいテーマです。もう少し、じっくり考える時間が欲しいです。 津波の想定高さとか、過去の議論の経緯(..] 2011-03-30 桜の季節・・・時のうつろい。_ 過剰な自粛はネガティブスパイラル。以前より思うことなのですが、時というのは偉大なものです。世の中なにがおきようが、時だけは流れていく。今年もあちこちで、桜が咲き始める季節になりました。綺麗に五分に咲いた桜を見ながら、『この世で起きていることとは無関係におまえは毎年淡々と咲き乱れるんだねぇ・・・』なんて、思わず話しかけてしまう自分が居たり。 ・・・・ 最近私の周りでも、東北地方太平洋沖地震での震災を考慮しての自粛ムードが広がっています。宴会が中止になったり、旅行を中止するって話を聞いたりと。 しかし、今一度考えてみてください。その自粛、被災地復興のためになにか役に立つのですか? 被災地復興に一役買える自粛であればまぁよいかもしれません。旅行を中止して、使うはずだった旅費を義捐金として寄付するとか、宴会は中止したけど、飲んだつもりになって飲み代を寄付するとか・・・ でもね、私は、こんなときだからこそ、普通に生活できる環境に居る人たちは、普通に日常通りの生活を送ることに努力すべきなんだと思います。 確かに気持ちはわかります。被災地が大変なことになっているのに、宴なんかする気になれない・・・旅行に行く気にもなれない・・・でも、普通に日常通りの生活を送ることを『努力すべき』なんです。被災されたみなさんが必死に復興に向け前に進もうとしている気持ちを思いながら。 それが、長い眼で見たときに、被災地の復興に繋がることなんだと思います。 日本全体が自粛の沈滞ムードになってしまったら、どうなります? 震災被害に加えて福島原発の放射能汚染、計画停電や物流の滞留など、いずれも回復までにかなりの長期戦を強いられそうです。これだけ国民総生産の低下確実な要素満載な今、追い討ちをかけるように自粛してどうするんですかと、私はことあるごとに自粛ムードな人たちに話しています。 お花見だってどんどんすればいいと思いますよ。別に花を見るのに電気使うわけじゃありませんし、お花見しながら乾杯しつつ、被災地の復興を祈ればいいんです。むしろ、こんなときだからこそ、ハレの儀が必要です。仲間内で集まって、酒を飲み交わしながら復興に向けて、自分らができることを話しあう。日本のエネルギー政策についてマジメに雑談してみる。そのほうがよっぽど有意義です。 いかにも日本人的な「事無かれ主義」のためだけに、うわべだけの自粛をするほど馬鹿らしい話はありません。 普通の日常生活を送りつつ、頭の片隅で被災地のことを思う。私は引き続きそうしたスタンスで生きてゆきたいと思っています。 最近の行き過ぎた自粛ムードに疑問というか危機を感じたので、今日はめずらしく少しマジメな話を書いてみました。 2011-03-31 外圧がかからないと決断できない日本政府?!_ 福島県飯舘村の被曝放射線量について。今朝未明より各方面で報道されている通り、IAEAから日本政府に対して、飯舘村に避難勧告を出すよう通告がありました。 IAEA事務次長から、「IAEA独自の土壌調査で、飯舘村の放射線量はIAEAの避難基準を上回っている」と指摘があったとのことです。 これに対して本日11時頃の日本政府の記者会見で、枝野官房長官はこれを認め、次のように言いました(概要)。 直ちに健康に害はないものの、長期間居ると健康を害する恐れがあるので今後の推移を注視するとともにモニタリングを強化する。 IAEAに指摘される前に日本は独自に調べてないのかとか、いつも後追いばかりでなにやってるんだとかいう非難はとりあえずここでは置いておいて、飯舘村に住んでいる人たちの被曝線量を計算してみました。 福島県災害対策本部(http://www.pref.fukushima.jp/j/)で公開されている線量計測データを使って、飯舘村のみなさんが実際にどの程度の被曝を受けているか、概算してみます。 測定結果を見てみますと、3月15日の15時から線量が跳ね上がっており、これは同日朝に起きた福島第一原発2号機の爆発のためと考えられます。線量が桁違いに大きいので、3月15日15時以前の値は無視することとします。 素データは上記URLから参照できますのでここでは示しませんが、グラフ化したものが以下の通りです。
3月15日は、15時以降のみ線量積算してますので1日当たり被曝線量が少なめですが、時間当たりの線量強度はほぼ最大値です。その後、だらだらと低下しておりますが、過去の事例から考えるとこのまま同じように線量が下がっていくことは無く、低下率はだんだん悪くなっていきそうです。 昨日の時点ですでに約5400マイクロシーベルトの被曝を受けていることになります。これがどのぐらいなのかと言いますと、いろいろな数値があるのでなんとも言えないのですが、目安としては胸部X線CTスキャン数回(1〜3回)分程度、胃のバリウム透視X線検査2回分程度、胸部X線撮影だと108回分程度の被曝量と同等です。が、注意しないといけない点は、これは外部被曝のみを考慮した値だということです。しかも、医療検査は被曝部位が限られていますから、被曝による全身への影響はさらに低くなる方向にあります。 生活空間線量は全身被曝で、これに加えてさらに内部被曝分も加味されます。その分は大いに悪い方向(=被曝量が増える)に勘案する必要があるでしょう。 空間線量による被曝並びに線量経過だけを見る限りでは、確かに今となってはもはやすぐにどうこうしなければならない状況には無いと思いますが、これは本来であれば、3月15日の夜にも子供には安定ヨウ素剤飲ませて翌日には避難させるべきレベルです。これだけ線量急激に上がれば、精密分析などしなくてもいろんな放射性物質が降り注いでいるってことは誰にだって容易に想像できます。そしたら水は駄目になりますし、内部被曝のリスクも一気に高まります。 IAEAに指摘されるまで、なにをしていたんでしょうかって感じです。 気になるのはIAEAが独自に測定した土壌の線量がいったい幾らだったのか? という点です。この数値はこれを書いている今現在、具体的に出されてないのでなんともそのインパクトが判断できないのですが、土壌が汚染されているということは水も農作物もそのへん一帯が汚染されているということです。経口摂取、吸入摂取による内部被曝が実に心配です。風が吹けば土埃も舞い上がります。 このまま新しい放射性物質が補給されなかったとしても、外部被曝だけで毎日100マイクロシーベルトオーバーで被曝し続ける日々が当分継続しそうです。老若男女を問わずに毎日胸部レントゲンを2枚か3枚か、無意味に撮られているのと同じことです。内部被曝も考慮したらこれの3倍以上の影響もあり得ます。少なくとも、お子さん、妊娠されている女性、これから子供を作る可能性のある男女は、万全を期すべく今からでも避難すべきレベルだと私は思います。 _ 福島県飯舘村の被曝放射線量について-追記(24時15分)。毎日新聞より引用。
<福島第1原発>飯舘村「避難不要」 保安院が被ばく量試算 『同村周辺で最も線量が高い地点の累積線量は50ミリシーベルト』って高すぎですよそれ。私が上記で試算した累積線量は6ミリシーベルト弱で、一桁小さいにも関わらずそれでも危険だと思ったわけですよ。ちなみに、放射線作業に従事している職業人の被曝限度が年間50ミリシーベルトで、もうそれだけ行っちゃっているってことですよね。一般の個人に対する実効被曝線量当量限度は年間1ミリシーベルトですから、放射線作業に関係無く普通に暮らしている人基準で言えば、もう50年分も浴びちゃっているわけです。記事の通り半分だとしても、多いことに変わりはありません(半分というのは希望的観測すぎると思いますが)。 普通に考えておかしいですよ、これ。 _ はじめまして [この記事どう思われますか ttp://tnakagawa.exblog.jp/15158073/] _ 青木@管理人 [東大病院放射線治療チームのblogですね。 以前であればこういう専門家の見解というのは、報道番組とか新聞その他、なん..] _ 青木@管理人 [少しじっくり読んでみました。 定量的な数値を交えて解説している姿勢は好感が持てます。が、ひとつ重要な点は、「どちら側..] _ はじめまして [こんなにたくさん返信いただきましてありがとうございます 目からうろこが落ちまくりです 50%が50.5%になっても大..] _ 青木@管理人 [先生とか師匠ってのは、勘弁してください ^^) ほんと、ただの素人ですから。素人であっても少し調べて勉強すれば、この..] もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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_ うめ [ですね。 帰れないときは下手に動かずに居た方がいいです。 職場も安全だったしネット・電気・水・食料もあったので、最初..]
_ JK [画面が黒くなるの、KB2496744とか関係ないかしら?]
_ 青木@管理人 [情報ありがとうございます。 でも、当該PCはXP(SP3)ですし、普通に使っているときに突然真っ暗になったという点で..]
_ JK [もう読まれてるかもしれませんが、ご参考に。 フィニッシュコーワは飲んじゃってるけど、あの程度では抑制効果はないようで..]
_ 青木@管理人 [JKさん、ありがとうございます。 以前、JCOのときにも話題になりましたので、同様な知識はありました。まぁ、緊急避..]