2011-07-14 カツオが食べたいっ!_ 海外のガイガーカウンタートラブル頻発!?(11時21分記)主にロシアやウクライナ方面製の線量計(ガイガーカウンター)を買われたかたから、『新品で買ったのに具合が悪いのだけど、これって壊れているの?』という質問メールを立て続けにいただきました。 なんでも、Googleで『線量計 具合が悪い』と検索すると、ここがトップに出るそうで・・・なるほど。 症状を見るにみなさんほぼ共通しているのは:
・正常に動くときと動かないときがある。 ・はじめは正常にカウントしているが、突然0.00になってしまう。 ・あるいは使っていると、だんだんカウントしなくなる。 ・突然狂ったように激しいカウントをはじめる。 というような感じの症状です。 これ、おそらく湿気による高電圧リークです。
私が散々格闘しているこの 特に、ロシアとかウクライナをはじめとする欧州各国で、国内及び周辺地域向けに作られた線量計は、日本の高湿度を想定していないものがあるのでしょう。あちらは日本に比べれば湿度は低いですからねぇ・・・ きっと日本の高湿度環境下で、動作不良起こしているのでしょう。今、巷で人気のナノセンス社RD-1503も、湿気には弱い面があるようです。 というわけで、どうなんでしょうね、これ。壊れているというわけでは無いのですが、想定外の湿気で動作不良を起こしているってことでしょう。 これを故障と見なして交換に応じてくれるのであれば交換してもらうのも手ですが、いかんせん、物理的な設計に起因する問題なだけに、交換された個体が正常に動くという保証はありません。それに、何週間も待って手に入れたという話を聞くと、交換もスムーズになされるとはなかなか思えません。 私のようにいきなり分解して部品を交換するような無茶なことは絶対にお勧めできませんので、次善策としては、線量計をチャック付きのビニール袋に乾燥剤と一緒に入れておいて、その袋を開けないようにして使うという方法をお勧めします。これでちゃんと動くようになれば、ガイガーカウンターの動作不良は、湿気による高電圧リークが原因とほぼ断定できます。 これですと、大切な線量計が放射能で汚染されることも防げますし、一石二鳥であります。 ビニール袋+乾燥剤作戦でもうまく動かない場合は、それ、本当に壊れている(初期不良)可能性が高いです。 そういえば昔、私の知人がコンタックスのRTSという電子シャッターの銀塩カメラを使っていたのですが、『雨の日になると動かないんだよこれ』って言ってたのを急に思い出しました。『そんなバカな!』って思ったのですが、借りてみて実際雨の日にシャッターを切ろうとしたら、本当に切れない。『なんという謎のテクノロジー!』なんて感心している場合ではないのですが、これも湿度による電子回路の動作不良が原因ということでした。 無意識のうちに、設計思想にその土地柄ってのは、入ってきてしまうこともあるもんなんだな〜・・・と、改めて感心です。 _ 安い線量計は性能が悪いのか?(11時51分記)私がここのところ、激安謎の線量計(正式型番:DBG-05B でした)の話題を頻繁に取り上げているせいか、『あんなに安いのに精度は信頼できるのですか?』という主旨の質問メールをいただくようになりました。 結論から言えば、そのへんで3万円〜5万円ぐらいで入手可能な、デジタル表示のカッコいい線量計と比較して、放射線の検出精度は全く同等か、それ以上です。 まずは、長いですが、こちら(ガイガーカウンタ購入相談)をお読みください。 ガイガー・ミュラー・計数管を使った線量計の、放射線検出能力は、ほぼ、そのGM管の大きさで決定されます。パルスカウント回路があまりにもヘボでパルスの取りこぼしがあるなんて場合は論外ですが、そうでない場合、ガイガーカウンターの放射線検出能力を決める要因は、GM管の大きさ、それだけです。 で、あの、謎の線量計(正式型番:DBG-05B)は、パルスカウント回路もかなりしっかりと作られております(ソフトウェアカウンターでは無く、ハードウェアカウンター)し、使っているGM管も、有名どころのSBM-20もしくは同等品ですから、巷で人気のナノセンス社RD-1503と比べても、全く同等の放射線検出能力です(RD-1503も同じGM管使っている)。 違いは、『ピッピピッピ音を人間が数えるか』『機械が数えてくれるか』の違いだけなんですね。 同じGM管を使っていても、その後についている信号処理が高度だと放射線検出能力がアップするかのように誤解されてるみなさんが少なからずいらっしゃるようですが、そんなことは決してありません。GM管は放射線を検知すると、電気信号を発生させます。まぁ、手拍子みたいなものです。この手拍子を数えることで放射線量を求めるという仕組みは、どんなに安いガイガーカウンターでも、どんなに高いガイガーカウンターでも同じことなんですね。 ですから、同じGM管を使っていて、それがちゃんと駆動されていれば、値段に関係なく放射線検出能力は同じなんです。 ・・・・・ 『自作したガイガーカウンターの数値は信頼できるのか?』という質問もよくいただくのですが、これも、全く問題なく大丈夫です。ただ、自作の場合は、GM管への印加電圧が適正か? 果たしてそのGM管自体が壊れてないのか? という点を検証することがかなり困難です。 GM管への印加電圧を測定するのはかなり難しいのでまぁここは取りあえず目を瞑るとして、GM管がちゃんと動いているのかどうかは、環境放射線(バックグラウンド)カウント数が、GM管の仕様と同じぐらいか? を見るぐらいでしょうかねぇ・・・放射線源をお持ちであればそれを近づけてみればわかるのですが、身近にそんなものなかなか無いですしね。 外に出て地面近くて測定してみて、数値が上昇することを確認するか、乾燥昆布をGM管のすぐ近く(5mmぐらい)まで近づけてみて、5分間のcpmが増加することを確認するか・・・ですかねぇ。 _ GM管印加電圧の計測-その1(失敗)。(12時32分記)
やはり線量計をあーだこーだいじっていると、GM管にちゃんと規定電圧が印加されているのかどうか、どうしても確認したくなります。 ところがここ、超ハイインピーダンス駆動されている系ですので、普通にテスターで当たってみても、当然ですが電圧降下を起こして正しい電圧を測定できません。 そこで、ハイインピーダンスプローブを作ろうと思ってですね、手配していた 1ギガオームの抵抗器 が、本日納品されました。写真がそれです。 普通の1/4Wタイプの抵抗なんですけど、なんと1本920円! おいおいですよ。なんだよこの超高額抵抗は。私はオーディオアンプ作るときだってこんな高価な抵抗を使ったことありません。920円つったら、あと10円足せば私がよく食べる立ち食いわかめ蕎麦3杯分ですよ。しかもこれをなんと5本! 920x5=4600円! ちょっとしたコース料理が食える金額ですぜ。 ま、仕方ありません。研究開発に投資は必要です。 1ギガオームなんて言ったら、普通に手に持って指紋が付いただけでももう800メグオームぐらいになっちゃいそうなレベルですから、扱いは極めて慎重に行う必要があります。 で、まずは、この1ギガオーム抵抗器を、GM管に並列に繋げて線量計を動かしてみます。もし、これで正常にカウントされれば、まずは第一段階はクリア。これで正常にカウントされなければ、電圧降下でプラトー域からドロップしたと考えられますので、失敗です。 結果・・・見事失敗! まるでカウントしません。 くぅ〜〜〜、1ギガオームでも駄目なんですか。ぁあそうなんですか。 内心『1ギガオームならいけるだろ』と思っていただけにかなり凹みます。ここは、取りあえず全部直列に繋いで5ギガオームでトライすべきところですが今日のところはここまでとします。 それよりも、1ギガオームのリークでもう動作しないってことだと、ほんとガイガーカウンターって湿気に注意しないと、まずいですね。 _ 備忘録:パンケーキ型GM管のガンマ線計数率について。(14時04分記)先日納品されたパンケーキ型GM管。パンケーキ型GM管のガンマ線感度は通常のGM管に比べると劣ると一般的に言われているのですが、実際どんな感じなのかを本日調べてみました。
■パンケーキ型GM管のガンマ線計数率について なんだ。全然感度低くないやん。むしろ、SbM-20の倍以上の計数率。ついでに我が部屋のベータ線量はほとんどないことも判明して一安心。 この状態で、乾燥昆布をGM管に近づけますと、カウント数が1.5倍ぐらいになります。なかなかいいんじゃないでしょうか。 もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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