2009-07-30 朝から猛暑・・・_ 米谷美久氏、他界せり・・・心からご冥福をお祈りいたします。氏の設計によるオリンパスペンは、実に偉大なシステムカメラでした。 必要(設計上の制約)に迫られながらも独創さを失わず、超絶と言っていいバランスの元にあみ出された工芸的デザイン。 ご冥福をお祈りいたします。 _ シグマDP2 vs オリンパスE-P1 ダイナミックレンジ対決!
ここんところマイクロフォーサーズ・・・というか、E-P1のダイナミックレンジは狭いっ! という話をチラホラ聞くのですが、私自身は実写やテスト撮影していて、特にそんなふうに感じたことはありません。むしろ、『結構粘るなぁ』と感じるほど。 『俺の感覚もいよいよ耄碌してきたのけ?』 という若干の不安を解消するために、今日はE-P1のダイナミックレンジを、シグマDP2と比較するという形で調べてみました。 B光源の輝度箱があれば極めて定量的な測定ができるのですがそのようなマニアックな装置は残念ながら持っていません。よって、定常照明状態のグレイパッチチャートを、カメラ側の露光条件を変えて撮影することで、アンダー/オーバー耐性を調べることにしました。 おっとその前に、大切な作業をしなくては。 _ シグマDP2とオリンパスE-P1のISO感度測定。
デジカメのISO感度って、結構誤差というか、ばらつきがあったりするんですよね。どういうことかと言うと、例えばISO100と設定しても、実際ISO80ぐらいしか無かったとか。そこで今回は、ダイナミックレンジ比較に用いるグレイパッチ(マクベスのN5相当の反射率を持ったパッチ)の被写体輝度をスポットメーターで測光し、そのEVをカメラにマニュアル設定して撮影。グレイパッチの輝度をフォトショップで読み取ってISO誤差を調べるという方法を取りました。シャッター速度とレンズの絞り値は正確に出ているという前提です。 グレイパッチの測光は、私が絶対の信頼をおいているペンタックスのデジスポで行いました。
左が実際に撮影された画像です。周辺減光の影響を少なくするため、パッチはこのぐらいの大きさで撮影します。ほんとはもっと小さくてもよいのですが部屋の都合でこれ以上引けません ^^) N5相当のパッチの被写体輝度は EV:9.00 でした。これから算出される適正露光設定で、各カメラで撮影します。 E-P1はISO100ではダイナミックレンジが狭くなる件は確認済みですので基準感度でもあるISO200で。DP2もISO50ではダイナミックレンジが狭くなるのでISO100で、ついでにエプソンR-D1は、最低感度であるISO200で撮影してみることにしました。
■ISO精度測定テスト結果 E-P1は少し明るすぎます。ちょうど1/3EVぐらい露光オーバーな感じ。すなわち、E-P1の実効ISO感度は、実際の設定よりも1/3EV高いようです。ISO200と設定すると、ISO250ぐらいな感じでしょうか。 DP2とR-D1は、極めて正確にISO200ですね。 これを踏まえてダイナミックレンジ比較のための撮影を行います。 _ シグマDP2 vs オリンパスE-P1 vs エプソンR-D1のダイナミックレンジ比較。
以下の方法では少しまずいかもしれないことに気が付きました。すなわちこの方法は、露光量の変化を主にシャッター速度を変えることで得ているのですが、これだとシャッターのばらつきがモロ測定結果に反映されてしまいます。すなわち、そんなにきっちりメカシャッターって制御できないかもよ? ってことです。 特にEV:-6.0のほうは、1/2000秒とかで切ってますから・・・ ですので、実はかなり信憑性の無いデータになっちゃっているかもしれません。これについてはなんらかの方法で検証を行うことを検討中です。 少しお時間ください。 2009年7月31日 11:51追記 2009年7月31日付け かにの泡ぶくで、作戦変更して再度データ取りしてみました。E-P1のダイナミックレンジは特段狭くはなかったですが、R-D1のダイナミックレンジもこんなに狭くはなかった ^^) 以下のデータは単なるメカシャッター精度を確認しただけのものになってしまいましたが、面白いデータではありますのでそのまま残しておきます。 撮影は全てカメラ最高画質JPEG出し、設定は標準設定のままです。 比較撮影の方法は、上記のセッティングのままのチャートを、カメラ側の露光条件を EV:3.00〜13:00 (すなわち適正露光に対して -6.00〜+4.00 )で変化させて撮影し、N5相当のグレイパッチの輝度を拾ってゆくというものです。 ダイナミックレンジが広ければ広いほど、グレイパッチの輝度がなかなか真っ黒にならないし、また、なかなか真っ白にならないということになります。 実際に撮影されたチャートを適当にリサイズして並べてみると、左のようになります。リンク先にはもっと巨大な画像をおいてありますので、ぜひご覧になってください。飛んでいく様子、潰れていく様子がよくわかると思います。 さて、結果です。正直驚きました。 結論から言うと、E-P1が僅差でDP2をかわしてダイナミックレンジトップ、一番狭そうなのが、R-D1となりました。 E-P1とDP2の差はほとんど無いと言ってもよいのですが、超暗部でのE-P1の粘り、極ハイライトでのE-P1の踏ん張りが、わずかながらもDP2をリードしていることは確かでしょう。実際撮影されたチャートを眺めながら、パッチ全体のグラデーションのつながりを見てみるとE-P1のほうが頑張ってます。 DP2もあの超暗部での失速がなければ・・・E-P1に勝てたんですけどね・・・ しかしR-D1がこういう結果になるとは意外でした。Rawで撮ればまた違う結果になるのかもしれませんが、現像であれこれいじっちゃぁ、横並びテストになりませんものね。 というわけで今回、オリンパスE-P1のダイナミックレンジは充分広いということが、明らかになりました。 私もまだまだ耄碌していなかったということも同時に判明して、ほっと一安心です ^^) もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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