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かにの泡ぶく


2011-05-28 台風接近・・・

_ 気になる台風2号の進路。(10時25分記)

日本列島縦断コースが予想されている台風2号。『お願いだから太平洋沖進行で、被災地だけはよけてくれ』と、雨模様の天に向かって祈っている私です。

一方でもひとつ気になるのが、福島第一原発です。

ここ最近、大気中への放射性物質飛散は落ち着いてはいるようですが、台風は、北半球では、上から見ると目に向かって反時計方向に風が吹き込んでいきます。よって、今まで西風メインで太平洋方面に流されていた放射性物質が、台風接近に伴い、今度は本州方向に万遍なく吹き飛ばされてくる可能性があります。

しばらくの間、各地のモニタリングポストの測定値から目が離せません。

_ 福島第一原発の吉田所長ってどんな人?(10時59分記)

少し調べてみたら、MSN産経新聞の記事を見つけました。大変に申し訳ないのですが、自分への備忘録も兼ねて全文引用させていただきます。

「本店に盾突く困ったやつ」福島第1原発の吉田所長
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110526-00000610-san-soci
産経新聞 5月26日(木)22時43分配信

 東京電力福島第1原発の事故収束で2700人の作業員を束ねる吉田昌郎所長(56)は昭和30年、大阪府出身。菅直人首相(64)と同じ東工大で原子核工学を専攻し54年、東電へ入社した。通商産業省(現経済産業省)も内定していたが、大学の先輩の勧めで東電を選んだという。
 身長180センチで学生時代はボート部に所属し、社内の評価は「豪快」「親分肌」。原子力技術畑を歩み昨年6月、所長に就任。第1原発での勤務は4回目となった。原子力委員会の専門委員で4月に第1原発を視察した独立総合研究所の青山繁晴社長(58)は東電社員から「自信過剰」「本店に盾突く困ったやつ」との評価を聞いたが、「あの官僚主義から抜けきれない東電にあって、気骨のある人物。現場を知らない本店に口答えをするのは責任感の表れだ」と話す。
 青山氏が「余震で津波が押し寄せた場合どうなるのか」と問うと「致命的だ」と包み隠さず答える誠実さを持ち、堤防設置などの対策をすぐに打ち出すスピード感もあったという。
 元同僚は「発電所のことは自分が一番知っているという自負があるのだろう。それがときには頑固に見える」。東電幹部は「大変なご迷惑をかけたことに違いはないが、事故が今の状況で済んでいるのは吉田の存在も大きい」とかばった。

なるほど。まぁ新聞記事ですからそういう目線でとらえる必要はありますが、参考にはなります。

「本店に盾突く困ったやつ」ってありますが、盾突かれて「困った」と思うあたり、東電の企業体質が如実に表れていますね。

私は今は旅芸人ですから、部下も弟子も居ませんが、サラリーマン時代、あるいは、会社経営時代には部下を持ったことが当然にあります。優秀な部下ばかりでしたから、開発案件の設計作業や開発指示で、当たり前に「盾突いて」くるわけです。でも、それを「困った」と思うことは、一度もありませんでした。

盾突かれた内容を精査し、必要であればそれを作業に反映する。必要でなければ、あるいは、合理的な理由でそれを反映できないのであれば、その旨を部下に説明し、納得させる。

いずれにしても、楯突かれた内容について私がどう判断して、どう対応するかは、チーム全員が納得できるよう説明し、話し合います。

こうすることで作業自体の品質が向上し、組織を構成するメンバーのスキルもupし、結果的に成果物の完成度が高まっていくわけです。

こんなことは普通の民間企業では当たり前なことです。

文句をひとつも言わない、言われたことを「はいはい」聞くだけの部下ばかりだったら私は恐ろしくて上司をやってられないです。

_ 福島第一原発3号機の格納容器は爆発で吹っ飛んでいた?!(14時48分記)

4月25日のかにの泡ぶくで私は、3号機の爆発は水素爆発なんかではなく、メルトダウンした燃料棒が圧力容器を突き破って格納容器に出てきて、そこで水と反応しておきた水蒸気爆発ではないのかと思っているという話をしました。その後、5月6日のかにの泡ぶくでこの予測を一部修正しましたが、どうやら修正の必要は無かったかもしれません。

先日、IAEAが福島第一原発を視察した際に撮られた写真が公開されました。ちょうど、みんなで3号機を見ているところを背後から写したものだったのですが、ここにですね、極めて重要で重大な『モノ』が写ってるように見えるのですが日本の報道機関はなぜか小さい写真しか公表してないので、よくわかりません。

で、外国のWebサイトでこのIAEA福島第一原発視察写真をあちこち検索していたら、遂に見つけました! 巨大写真を! なんで日本はこういうの、さりげなく隠すんでしょうね・・・

こちら→ Fukushima Daiichi Reactor 3 photos をご覧ください。まさに私が危惧していた内容を、そのまんま取り上げています。この中の写真のうち、キモな部分を切り出したものを左に引用させていただきました。

これってやっぱりかなり格納容器の上の構造物っぽいですよね・・・

ってーことは、3号機の格納容器はすでに吹っ飛んでいるか、あるいは、下部が激しく損傷して大きく傾いているかってことになります。


溶けた燃料棒は圧力容器を突き破ってすでに格納容器に落ちているハズ(格納容器も破って原子炉建屋に落ちているのかも)ですから、事態は現在公表されている以上に、相当悪いということになります。

あるいは爆発で倒れたのでは無く、地震ですでに倒れていて、そのあとに例の爆発が起きた・・・という可能性もありますが・・・このへん、東電ならびに日本政府はやたらと津波の被害であることを強調してますが、充分に検証の必要がありです。


    その後いろいろ調べているのですが、どうも上記の構造物は、格納容器の上にあるものではありますが、格納容器とくっついているものでは無く、分離しているもののようです。
    よって、上記の構造物がヘンな場所にあったとしても、格納容器も一緒にその下にあるは限りません。上記構造物のみがもげて、移動するという可能性も大いにありそうです。
    3号機の爆発が水素爆発なんかでは無いという考えは変わりませんが(そもそも水素爆発だったらこんなに破壊力があるハズない)、格納容器の破壊状況について上記で書いた推測は、一旦取り下げておこうと思います。
    というわけで、取り消し線引いておきます。(2011年5月29日 13時55分追記)

東電ならびに日本政府から公表されている内容が事実だとするならば、3号機原子炉建屋内は水浸しになっているハズ。ということは、どのぐらいの燃料棒が圧力容器内に残っているかわかりませんが、汚染水の問題はあるものの溶け落ちた燃料棒は原子炉建屋内内で水に浸かっていることになるので、幸か不幸か当面は危険な状態では無いと言えそうです。

でもこの予測が本当だとしたら、下手に建屋の水を抜くわけにもいきません。燃料棒出てきちゃいますから。もう、建屋ごと冠水させてしまって循環冷却するしかなさそうです。

建屋は当然ですが防水では無く、水を貯めることなぞ想定外ですし、地震の影響であちこちひび割れているでしょう。超高濃度汚染水が地下に染み出してやがては海に出ていっちゃいます。

グリーンウッドさんが言うように、地中ダム建造に早急に着手すべきでしょう。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ JK (2011-05-29 21:14)

水蒸気爆発も核暴走も起きてたのかも。確実なのは未体験ゾーンに突入してるってことだけで、他の原発事故みたいに何年かしないと分からないのかもしれませんね。<br>↓これですよね。<br>ttp://www.tepco.co.jp/en/news/110311/images/110527_3.jpg<br>福島第一原発3号機の構造が↓これだとすると、<br>ttp://www.asahi.com/photonews/gallery/infographics/npp318a.html<br>原子炉建屋の上部がこれだけ吹き飛んでグニャグニャのスカスカになってるわけで、使用済み燃料プールは一応はあるようだけど、後の放水で溜まった水かもしれないし、中の燃料棒はグニャグニャで相当吹き飛んでるようですし。<br>やっぱり核暴走(核爆発)とか即発臨界とか言われてる状態なのかも? 普通の爆発の雲形じゃなくてキノコ雲だしね。<br>ttp://hiroakikoide.wordpress.com/2011/05/04/tanemaki-may4/<br>「核暴走(核爆発)」が起きたことは東電の技術者は気づいてるだろうし、政府にも報告してると思うのですが、『保障』の問題もあって、東電や政府の関係者がパニックになって発表できないのかも? 理由は「国民がパニックにになるのを避けるため」だろうけど。<br>原発が安全というのは当然ウソだし、放射性廃棄物が安全に管理できるのもウソだったし、これでもまだ原発を動かし続ける神経が理解できない〜。<br>分かったのは、原発事故が起きても、近くの数十キロは避難したとしても、それ以遠は被曝し続ける以外にに道がない、ということ。何百万人何千万人が生活を維持したまま移住するのは不可能。チェルノブイリと一緒ですね。<br>↓Fairewinds Associatesの4/26の次の発表を探していて、こんなの見つけました。ご参考に。<br>ttp://ex-skf-jp.blogspot.com/

_ 青木@管理人 (2011-05-29 22:00)

JKさん、現状はJKさんがおっしゃるとおり、まさに未体験ゾーンに突入なんだと思います。<br>もはや、外野から見て格納容器がどうのこうのとかって言っているのは、極めて些細などうでもいいことなのかもしれないと最近思いはじめています。それ以上に事態は相当酷いのではないかと。<br>「核暴走(核爆発)」云々についても、たぶん、現場のエンジニア達はわかっているのだと思います。<br><br>今回の事故、チェルノブイリとよく比較されますが、実際の原発の壊れ方や放射能の放出よりももっと着目すべき大きな相違点は:<br><br> ・当時のソ連と今の日本の社会体制の違い<br> ・国土の広さ<br> ・政府の原子力災害に対する知識の相違<br><br>があると思っています。このへんどっか突っ込んで記事なり番組なりにしてくれないかなぁ。<br><br>なんと言ってもアメリカと冷戦しあってた国ですから、国のトップはみな、核や原子力に関する最低限度の知識は持っていたでしょう。だから、その怖さも知っている。<br>そして、有事の際には避難させることのできる国土の余裕がある。<br>社会体制も、トップダウンで国民に『命令』を下せる。<br><br>日本政府の言う自主避難とか、計画的避難とか、言ってる意味まるでわからないですよ。被災して日々の暮らしすら大変だという人たちに向かってのこの対応。これって、国民を見捨てたも同然だと、私は思っています。


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