2011-05-05 言い続けることの大切さ。_ 福島第一原発事故:アメリカの80Km避難指示はやはり正しかった。
日本政府は全くもって隠蔽主義で、まともな情報は一切出さないばかりか、政府内部でも今回の事故を巡る対応で判断がわかれ、すったもんだしている体たらく。 SPEEDIの放射性物質飛散予測データも、ひたすら隠蔽し続けて事故後12日経過後にやっと公開する始末。これも、アメリカが独自の予測データを公開したから後追いでしぶしぶ出してきただけであり、全くもってして国家ぐるみの情報隠蔽姿勢です。 東京電力が分析したデータに対してすら「放射性ヨウ素と放射性セシウム以外の値は公表するな」と事実上の圧力をかけ(当社福島第一原子力発電所における核種分析結果の厳重注意に対する対応について(平成23年4月4日東京電力株式会社))、実態がどんどん見えにくくなってきております。 なんなんですかね日本政府ってやつは。 今回の事故に係り、内閣官房参与に任命されていた小佐古敏荘氏(東京大教授)がぶち切れて辞任した件は各方面で伝えられている通りです。『あり? 小佐古氏って御用学者じゃ無かったのけ?』 という私見はここではあえて伏せておきましょう。科学者としての良心が残っていたのか、コトの重大さに責任が取れないと思い逃げたのか、御用学者ですらぶち切れるほど政府の対応がアホなのか(酷いことばかり書き並べてごめんなさい>小佐古氏)、真相は不明ですが、今回小佐古氏が言っていることは、まことしやかに正しいことです。 小佐古氏の辞任劇により、20mSvまで子供を被曝させてもよい(しかも外部被曝のみ)と文部科学省が出した数値に対して世間の目が向き、再度議論されるきっかけになったという点については、内閣官房参与であった氏の功績と言ってよいと思います。 さて、これに伴い日本政府はまた意味不明な言い訳をこねています。 枝野は4月30日の記者会見でこんなこと言ってます。
文科省は1〜20ミリシーベルトを暫定的な目安とし、今後できる限り児童・生徒等の受ける線量を減らしていくことが適切であるという考え方に立っているのであって、20ミリシーベルトまでの被曝を許容しているというものではない。そこは、小佐古先生がおっしゃっていること自体が認識というか、誤解に基づかれている。決して20ミリシーベルトに達するような環境、あるいはそこに近い数値に達するような学校環境のもとで、お子さんたちに学校生活を営んで頂くことは、全く今回出されている指針は想定していない。 改めて確認しますと、今回文部科学省が出した学校での屋外活動判断のための暫定基準値は、『年間被曝量が20ミリシーベルトを超えないようにする』というものです。 これはどこからどう読んでも、『年間20ミリシーベルトまでは被曝を許容する』としか取れないのですが、私が馬鹿なんですかね? いよいよクーデターでも起こさないと、駄目だなこりゃ・・・なんて考えてしまうほど、末期的状況ですよこれは。あ、今の日本って、こんなこと書くと捕まっちゃうんでしたっけ? そうそう、ここで書いていることは本項最上段にもありますとおり、『内容は限りなくフィクションであり、嘘八百』なんです。そう、フィクションですからねフィクション。そこんところよろしくです。 かなり前置きが長くなりましたがアメリカが福島第一原発事故後に独自に調査解析した線量実績マップが、The Situation in Japan (Updated 04-22-11) DOE Blogで公開されています。この中のスライドにある、地図の部分のみを拝借して引用させていただきます。 小さい円が原発から半径30Km圏、大きい円が同80km圏です。水色の部分が0.03〜0.25mR/時(=0.3〜2.5マイクロSv/時)の地域で、年間被曝量で2.6〜22ミリシーベルトになる地域です。おそらくバックグラウンドを引くことはしてないと思いますので、自然界に存在する放射線量をこれからさっぴくと、1.0〜20ミリシーベルト程度ですかね。すなわちこれはICRPが定める一般人の年間許容被曝線量である1ミリシーベルトを超える限界域です、これを見るとものの見事に80Km圏外に逃げていればほとんど被曝せずに済むことがわかります。 アメリカが80Km圏外避難指示を出したのは3月16日。福島第一原発で2号機爆発が起きた翌日です。その後アメリカは日本に気を遣って80Kmは念の為だったと言ってましたが、この結果を見るとどう見てもアメリカの判断が正しいように見えます。 そもそも考え方が違いますよね。アメリカは『少しでも被曝させないための先行避難』というスタンス。日本は『被曝させておいて線量が避難限度になってきて我慢の限界になったら、避難させる』というスタンス(というかそんなスタンスすらも無さそうなんですが・・・)。私が飯舘村の累積線量を試算した結果を見ても明らかですが、被曝線量は時間とともに減少していきます。原子力災害に対しては、初期に逃げることが実に重要ですから、どう考えてもアメリカの『とりあえず逃げる』スタンスが実に有効であることが明らかです。線量が強いときにさんざん被曝させておいて、かなり弱まってから計画的避難指示とか全く愚かな対応です。 3月23日にようやく公開されたSPEEDI予測図を改めて見てみますと、アメリカが独自に調査解析した線量実績マップに非常に近い状態になることを当初から予想できていたことがわかります。4月25日になってからようやくSPEEDIの予測データも過去の分と合わせて毎日公開されるようになりましたが、今更毎日公開したって時すでに遅すぎですよ。すでに過去となってしまった予測データを今更公開して「全部公開した」とか言っている日本政府の馬鹿さ加減はもう言葉に表現することすら不可能です。 さて、こうして政府の対応を馬鹿だアホだと非難するだけでは問題は全く解決しません。どうしたらいいんでしょうか。 日本はいちおう、政治形態としては間接民主主義を取っています。いちおう、国民主権なんです。 よく聞く言葉ですが、「一人一人がちゃんと考えて、政治に参加」しなければ、変わっていかないと思うのです。 自分が動かなくても、選挙に行かなくても、意見を言わなくても、「誰かがなにかをしてくれる」「世の中なるようになる」と言っていた時代はもう終わりにしましょう。 ほんと、まずは私ももちろんですが、国民一人一人の意識改革からはじめないといけないと思います。 _ 日本は福島第一原発事故に関連して早期避難指示を出すことは出来なかったのか?ここから下は全て、本日5月5日に書いたセクションとなります。 5月3日の夜からようやくSPEEDIの全予測データの公開がはじまりました。これを仔細に見ていきますと、3月15日の午前6時に2号機のサプレッションチャンバーが爆発した当日には、この2号機爆発による影響を試算したSPEEDIの予測結果が出ていて、まさに浪江町、飯舘村方面が高濃度汚染されることが示されています。 これを知っていながら、そして、その後、この予測どおりに放射線量が当該地域で爆発的増加傾向を示しながら、情報を隠し通しなんら手を打たなかった日本政府。 SPEEDIの予測結果を今まで公開してこなかった理由を細野豪志(首相補佐官)は2日の会見で「国民がパニックになることを懸念した」とかふざけたこと言ってます。国民の生命を第一に考えるべき視点に立ってみれば、パニックになるならない以前に、目前に迫る危険情報を迅速正確に国民に提供すべきであり、パニックを最小限度に押さえるべき情報提供、避難指示、避難支援を行うのが国の役目だと私は思っていたのですが、どうやら今の日本政府は私の認識と違ったスタンスを持っているようですね。 津波が来ることが予測されれば、津波警報を出します。 大雨が降って洪水になることが予測されれば、大雨洪水警報を出します。 津波が来ると分かっていながらパニックになるからって、津波警報出すの中止しますか? そんなアホなことあり得ないでしょう。 なぜ放射能汚染の時だけ、あんなに正確な予測情報がありながら「国民がパニックになることを懸念した」とかふざけた理由で情報隠蔽の判断ができるのか。それは、放射能汚染による影響は、すぐには出てこないからでしょうね。なにか起きても、その当時にポストに付いていた政治家は自分の責任を追及される可能性が非常に低い。津波や洪水のように、目の前でほぼ即時展開される災害に比べて、早くても数年、一般的には十数年後からしか影響が出てこない被曝による後発性障害は、その因果関係を立証することすら困難という性質も持っています。ですから、今、すぐ、当該地域の緊急避難指示出しというあえて重い判断をしたくないという政治家が沢山、日本の間接民主主義で選ばれているってことなのでしょう。 実に嘆かわしく情けない事態です。有事の際に、一般国民にはすることが出来ない判断、重い決断を迅速にしなければならないのが、政治家に求められる最も大切な基本的機能なのではないんですか? ・・・・・ 一方で、まだまだ少数ですがちゃんとしたことを言っている政治家の声も、少しずつではありますが報道されるようになってきました。 本当に少しずつですが、3月11日以降、日本の世の中の空気は確実に変わってきていると感じてます。 これを一過性のものにしてはいけないのです。 _ 学校の校庭利用の放射線量上限基準値の矛盾。民主党内からも異議が出始めている文部科学省から出された学校の校庭利用の放射線量年間被曝上限値20mSvですが、そもそもおかしな運用が目の前で行われています。 asahi.comからの引用です。
女性の被ばく限度超過2人に=東電「今後はすぐ避難」—福島第1 大人の女性であっても『国の限度が3カ月で5mSv』。すなわち、年間に換算すれば20mSvですが、そこまで浴びたら危険だという理由で、3ヶ月の5mSvまでと制限されており、この累積線量に近づいたら、危険なので線量の高いその地域から「すぐ避難」させると言ってます。 一方で、文部科学省から出された学校の校庭利用の放射線量年間被曝上限値は20mSvです。この値以下であれば問題は無いし、校庭の土を浄化する等の処置も不要。普通に校庭で遊ばせてOKと言っています。 女性という条件付きではありますが、大人に「すぐ避難」させるレベル以上の線量を子供に許容するって、頭おかしいですよね文部科学省の子供に20mSv/年OKという基準値策定した連中は。成人女性が5mSv/3ヶ月で「すぐ避難」なんです。なんで子供に20mSv/年とかいう莫大線量被曝OKと言えるのか。総被曝量で見れば成人女性限度の4倍の線量ですよ。 これはもう子供達の将来や健康云々以前に、現状を前に『子供達を避難させずに済ませるための線量はいくつか?』という人非人のスタンスで逆算した数値としか思えないです。 現場の英断を祈るしかありません。 もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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TVで見かけるあの人もあの人も、すべて日本国籍を持っていれば「国民」ですから、一部の国民が一部の国民の利権を優先して保護、とまあ、「国民」を保護してるのは確かなのかも?
JKさん:そうも言いたくなりますよね本当に。<br>さて、私は次に何をしようか、今、一所懸命考えています。
この報道にもあるとおり、低線量とされるレベルの被ばく(記事中の数字は“累積’です)でも「労災認定」が下る事例やその可能性があるわけで、まったくもって現今の措置やそれに関する報道は噴飯ものです。<br>www.47news.jp/CN/201104/CN2011042801000030.html
確か広島長崎の被爆者手帳の交付基準が、2mSvの被曝だったということですから、これの10倍を子供に許容するわけです。<br>全く酷い話です。