2009-05-31 なんとか曇空・・・_ シグマDP2のレンズがもっともシャープになるF値は?今日は曇天ながらも雨は降っておらず、午前中少し時間が取れたこともあって近所を撮影してきました。 レンズというものは、中心解像度が最大になるのは絞りが開放のときなのですが、諸収差の影響もあり、面として見た場合には一般的に何段か絞ったあたりがもっとも解像感の高い写真が撮れます。 そこで今日は、ほぼ無限遠を絞りを変えて撮影し、どのぐらいの絞りが一番おいしいところかを調べてみようという魂胆で実験してみました。 持って行ったカメラは、シグマDP1, DP2と、エプソンR-D1です。R-D1については実に悩んだ結果、今日は、銀塩時代から愛用のミノルタMロッコール40mm/F2 を付けていきました。画角を合わせることも大切なのですがどうも、スナップショットスコパー25mm/F4 とR-D1は相性があまりよろしくないようで、どうもしゃきっとしない描写なんです。これでは画角を合わせてもなんの比較もできないので、相性ばっちりと思われるMロッコールにしました。 がっ! なんと出先でトラブル発生! なんと! R-D1にメモリカード入れてくるの忘れてしまいました... というわけで、DP1のメモリカードをR-D1と共用することに。よって、DP1は撮影枚数が激少ないです。 撮影は全部rawで撮って、それぞれの現像ソフトで現象しました。設定は、全てAUTOです。 っとですね、現像していて気が付いたこと。R-D1もDP2も、設定Autoでシャープネスは「0」としているのですが、どうもですね、シグマのDP2現像ソフトは、「0」でも少しシャープネスが効いているような感じがします。フォビオンセンサー特有の水平色引き現象を抑えるために、「片側シャープネス」みたいな処理が必ず入っているハズなんですが、この分が効いているんですかね。ちなみにこの「片側シャープネス」は、いわゆる世間で言うところのシャープネスとは異なる処理ですので、分けて考えるべきものです。このへん話はじめると話がややこしくなるので、おいおい機会を見て説明していきたいと思います。 R-D1の現像ソフトは画像を見る限り、本当に全くシャープネスをかけていないようです。なかなかこういう画像を見る機会というのはありませんので、R-D1の画を見て「ぼけてる」と、短絡的にとらえないでくださいね。ローカルに保存して、フォトショップでアンシャープマスクをほんの少し(75% / 1.0 Pixel / 閾値 0 ぐらい)かけるだけで、がらっと変わりますから。後のほうでそんな画像もご紹介します。
左のようなシーンを撮影。それぞれの画像は、以下のリンクから引いてください。
相変わらずすさまじい解像感です。 Mロッコール40mm/F2 は、F5.6 近辺が最高美味しいF値であることがすでにわかっていますので、F5.6で比較撮影しました。 DP2については、1段絞れば(F4.0にすれば)もうなんら問題ない素晴らしい解像感です。F4.0〜F8.0ぐらいまでは、画像を並べてよ〜く見比べないとその差異がわからないぐらいきっちり解像しています。そのなかにあって、よ〜〜〜く見てみると、F5.6あたりがもっとも美味しい感じです。ファイルサイズもそれを裏付ける結果となっています(JPEGは同じ圧縮品質で保存した場合、シャープな画像ほどファイルサイズが大きくなる)。Mロッコール40mm/F2 と同じ傾向ですね。F11になると小絞りボケが目で見てわかります。
上記DP2画像の、遠景描写がわかりやすそうな部分をピクセル等倍で切り出してみました。 ということは、DP2で『びしっ』とした描写を得たいときは、F5.6プラマイ1段の範囲で使うとよいということです。 それにしてもDP2の画像、何度見てもすさまじい解像感です。すごいレンズですね。また、そのレンズの解像をきちんと信号変換しているフォビオンセンサーも、さすがとしかいいようがありません。 でも色合いとかそのへんの処理(画作り)は、まだまだまだまだ向上の余地大ありです。
左のようなシーンを撮影。それぞれの画像は、以下のリンクから引いてください。
R-D1にUSMかけた画像と、DP2画像を比較してみますと、R-D1もベイヤー配列というハンディを背負いながらもかなり健闘していることがよくわかります。いや〜、R-D1、がんばっているじゃありませんか。ここまで描写できればベイヤーとしてはたいしたものだと思いますがしかし、フォビオン機の画像を見てしまった眼にはどうしてもベイヤーならではの破綻が見えてしまいます。 こうして改めて見てみると、DP1のレンズも相当いいですね。もっと使ってやればよかったなぁ・・・DP1。
草木のように先がだんだん細っていって尖った部分の描写は、DP2はまさにそのまんま描写されていますが、R-D1はUSMをもってしても、持って生まれた性(=ベイヤー配列が故の補間処理)から逃れることはできません。 2009年6月2日 09:05追記 2009年6月6日 12:07追記
この手すりは近くまで行って肉眼で確認してみましたが、シルバー一色です。R-D1の虹色は色補間処理により発生する偽色ですね。これも持って生まれた性なので、ある程度はしかたありません。 こんなことばかりやっていると、フォビオン vs ベイヤーセンサーを並べ立ててまるでR-D1をいぢめているかのように思われるかもしれませんがそれは大きな誤解です。自分の所有するカメラでより密度の濃い写真を撮るためにはどうすべきか。撮影枚数稼いでカメラが記録する画像の傾向を体得するのが一番なのですが、それに加え、DP2、R-D1それぞれのカメラの性格、性能、傾向を改めて検証確認することで自分の持っているカメラへの理解をさらに深め、撮影術に活かしていこうという実に前向きかつ建設的かつ創意工夫に満ちた行為をしているのです。 ぶっちゃけ言えば、今のデジカメを持ってしても銀塩と比べたら、重箱の隅をつつけばいくらでもボロが出てきます。それはフォビオンでも当然同じことです。しかし、写真は、そういうものでは無いのです。素晴らしい情景描写、空間描写、バランスの取れた構図、そして、シャッターチャンスに出会えれば、偽色や細部描写がどうのこうのというような、そんなものを超えたところで時間を切り取ることができると思うのです。 でもまぁそれはそれとして私もエンジニアのはしくれですから、こうしてあれこれ比較してみるのは、正直好きなんですよね ^^) もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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