2006-02-19 独立して今年で10年目。_ 想い。大卒後普通に就職して約9年間サラリーマンを経験後、1997年元旦に独立。途中、株式会社の取締役になっていた期間もありますが毎年自力で確定申告しておりましたし、雇用されていたわけでは無いので、まぁ、独立後今年で10年目に突入と言ってよいでしょう。そして、昨日の泡ぶくでも書いた通り、今、法人化するかどうするかという岐路に立っております。 普通に考えれば法人化するになんの障害もなく、デメリットも無い。むしろメリットだらけなわけですから迷うことなく法人化すればよいわけなのですが、私の場合、個人事業所へのこだわりというものが実はあるんです。今日は、そのへんのお話を書いてみたいと思います。 _ 個人事業所へのこだわり。独立するときにも、もちろん法人化の検討はしました。しかしあえて個人事業所として開業した理由には、まずはお気楽に開業できるからという安直な理由もあったのですが、『この世の中で個人が個人としてどこまで戦っていけるのか?』『自分、ならびに自分の持つ技術のみで、世の中からどの程度信用してもらえるのか?』『寿司屋の板前は一匹狼で技のみで食っていけるが、エンジニアはどうなんだ?』ということに対する答えを自ら見出してみたいという想いがありました。 法人というのは、それだけである程度の信用力を得ることができるわけですが、逆に、商売取引上の社会的信用度においてはほとんどゼロに等しい個人事業所という形態をあえて選ぶことで、エンジニアはスタンドアロンで食っていけるのか? エンジニアが旅芸人化するとどういうことが起きるのか? 世間からどういう風に扱われるのか? ということを、自ら経験してみたいという気持ちもありました。 いろんな問題や障害が立ちはだかるでしょうが、それらをどうクリアしていけばよいのか? クリアできるものなのか? 旅芸人として一人野に出でて、どこまでやっていけるのか、行けるところまで行ってやろうじゃないかと思ったのです。 そのように思う気持ちの背景には、日本はその社会慣習上、『個人』というものは得てして軽視されがち。そんな中で、せっかくこの世に生を受けて産まれ出たわけですから、『自分の思うように、真剣に、全力で、納得できる生き方をしてみたい』という、極めて個人主義的な信念があります。組織に身をゆだねるのって、楽ですよね。私もサラリーマン時代、そう思い、ついつい本音を言わずに大勢に任せてしまうって経験、何度もありましたもの。でも、あるとき、『本当にこんなんでよいのか?』って思って、会議などでも徹底的に本音で発言したことがあります。その結果はほんと、散々なものでした。会議というものはコトの善悪を決めるものでは無く、本音の議論であらゆるケースを想定し、組織としてのベスト解(バランスした落としどころ)を見出し、決を採った以上はそれに則るというものであると思うのですが、なかなかそういう本当に有意義な会議というものは、出来ないものなんだなって思いました。 会社の中では個人の意見や都合よりも、組織としての利益が優先されることが多いと思います。組織としてのリスクヘッジ、利益確保、配分を考えた場合、ある程度は仕方ないと思いますが、基本的には『朱に交われば紅くなる』ものだという風潮があります。こういう世相において、もっと『自分』の能力を活かしたいと思っていながらも、『独立』という冒険には出発できないで燻っているエンジニアというのは日本に大変多いと思うのです。だからまずは、私が自ら、上に書いた答えを出すことによって、燻っているエンジニア達の背中を押してあげることができるようになれたらいいなぁという想いもあります。そのためには、なんとしても『エンジニアはスタンドアロンで食っていける』という答えを出さないといけないわけですが。 技術立国日本を本当に実現するためには、エンジニアの活性化は大変重要です。本当の実力を出し切れずに、しかし独立の勇気もなく、飼い殺しにされてしまう優秀なエンジニアを一人でも救わねばなりません。もちろん、独立だけが最善解じゃないですよ。組織の意思決定者の理解を得られて、実力を思う存分発揮できているエンジニアも居るでしょう。そういう恵まれた環境に居るエンジニアは、もちろんその環境でベストを振るうことが世のため人のため自分のため、そして、所属する組織のためになることだと思います。 だから、『かにこむ法人化』というテーマを考えた場合、本当にもうこれでいいのか? 個人事業として、やるべきことはやったのか? という、極めて本質に近い部分での自己問答が生じるわけです。 もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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