2011-04-13 生きるということ。_ 日本政府は国民に真摯に説明せよ!福島第一原発の放射能汚染事故を巡っては、東京電力の対応のまずさ加減は明らかで、これは断じて許されるものでは無く、事態が収束次第(っていつ?)時間をかけてきっちりと検証し、責任所在を明確にし、しかるべき対応を取らせ、国民としてもしっかり監視してゆく必要があるのは言うまでもないことですが、一方で、原発政策を推し進め、あまりにも過小な想定を前提に『絶対安全』神話をまことしやかに提唱しつづけた日本政府(歴代与野党政権云々の問題は置いておいたとして・・・)の責任も当然ながら回避できますまい。 もちろん、そんな日本にしている我々有権者の責任も同様に・・・です。 昨日、福島第一原発の放射能汚染事故がレベル7に格上げされたことはすでに周知の通りですが、この事態を日本政府はすでに3月17日の時点で認識していたとの報道も出ております(菅政権の政府高官の話として by asahi.com)。 こんなに早期にレベル7を認識していながら、相変わらず避難指示圏を拡大しなかった日本政府。『直ちに健康に害は無い』といい続け、飯舘村や浪江町、その他の原発周辺の市町村を放射線に対して野ざらしにした日本政府。これはどんな理由があっても許されることではありません。 そして今日。 菅直人首相が「原発周辺についてそこに当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのかということになってくる」という発言をしたと報道され、福島の人には本当に申し訳ないのですが、私は、やっと日本政府は本当のことを言い始めたのか・・・と、思いました。しかし、その直後に菅首相は「私の発言ではない」と直ちに否定。 一方で佐藤雄平福島県知事は、「私どもは1カ月間、1日も早くみんな古里に戻ってもらいたいと思って苦労しているのに、そんな報道があったとはとても信じられない。その一言だ」と述べたと。 地震津波の天災は日本に住む以上想定し、受け入れていくしかないことですが、これらにさらに追い討ちをかけて原子力災害で避難生活を強いられる苦労は当事者にしかわからないものだと思います。気持ちは分かります。でも、事実は事実であり、福島第一原発周辺区域が放射性物質に高レベルに汚染されてしまったということは、確かに今、起きていることなのです。感情論を述べる前にやるべきことは、県市区町村を率いる立場の人たちは、現状を正確に把握分析し、住民達の今後の生き方をどうするのかを考え、丁寧に、しかし迅速に住民に説明することです。もしすでに実施されていたらごめんなさい。 事故が起きて一ヶ月以上が経過しました。今までの日本政府の対応並びに情報開示姿勢を見ていれば、政府の指示が出るタイミングは全てにおいて事象の後追いであることは明らかです。 福島県内にホットスポットが生じることはかなり以前に、SPEEDIの予測やアメリカの予測から判明していたことです。そして、ほぼ予測通り、3月15日以降、空間線量急上昇です。この時点で子供には安定ヨウ素剤飲ませて翌日には避難させるべきだと以前にも書きましたが、今になってようやく「計画避難」です。その理由も、「被曝線量がそろそろ限界だから」というもの。3月31日の泡ぶくで、飯舘村の累積被曝線量を計算してみましたが、原子炉建屋爆発による線量急上昇があった場合、その被曝強度は爆発直後が最大でだんだんと弱くなっていきます。放射性ヨウ素は一ヶ月経つと1/16の量に減少します。すなわち、初動が非常に大切なんです。 しかし、今の日本政府にこの初動判断と避難指示を勇気を持って的確に出せる人は、恐らく居ないでしょう。 私は神奈川県横浜市在住ですが、横浜に住んでいる私ですら、一時は避難を考えていました。今から7年前のことになりますが、東海村、もしくは浜岡原発がおかしくなったときに備えてガイガーカウンターやポケットに入れておける小さい線量アラームを用意し、合わせて放射能事故が起きたときの対応についての基礎も勉強しました。ウチの娘は今中学二年生ですが、娘が幼児だったら、あるいは、胎児だったりしたら、万全を期して今回程度の事象でもすでに避難していた(させていた)かもしれません。 逆に、娘がすでに成人していて身内に未成年者が居なかったりしたら、日々累積線量を気にしはしますが、まだまだ全然余裕で過ごしているでしょう。「おまえはまだ若いんだから、そろそろ逃げる心積もりしておけよ」ぐらいのことは娘に言うかもしれませんが。 正直言って、東海村や浜岡原発がおかしくなったとき、日本政府からまともな情報と指示が出るとは全く思っていませんでした。今でも思っていませんし、今回の福島第一原発の一連の流れを見ていて、悲しいことに私の判断は間違っていなかったことが確認されてしまいました。非常に悲しいことですが憂いてばかりも居られません。自分と家族の身を私が守らねばならないため、メディアで報道されている情報が事実なのか嘘なのかを見極める知識と手段が必要なため、こうして自衛しているのです。 日本政府からの情報開示は後からしか、やってきません。自分達はとっくに遥か先に逃げておきながら。 原発を抱える周辺地域の県市区町村を率いる立場の人たちは、放射能災害が起きた時どう行動するべきかを常に検討し、放射線障害はどういう性質のものなのか、最低限度の知識を得ておく必要があると思います。そして、有事の際には国はこんなぐだぐだですから、地方自治体権限で住民の命を守る判断をしなければならないのだと私は思います。そして、日頃から住民のみなさんにも、放射線障害についての基礎を周知させるべきだと思うのです。 被曝による健康被害がどういうものなのかを理解してもらえば、『若者、妊婦さんは自分のため、胎児のため、明日の日本のためにとにかくここから避難してくれ』『私らはもう高齢だし、ここの線量ならさほど顕著な被害はないだろうからここに残る』というような、冷静な判断が出来るようになると思うのです。 現実はそんなに単純じゃないとは思いますけど。 今後数十年、東関東、場合によっては日本全土は、今回の福島第一原発人災被曝と付き合っていかねばなりません。そんな時代になってしまったのは実に悲しく空しいことなのですが、すでに事実なのでどうしようもありません。 それとこれは冗談でもなんでもなく、天気予報でやっている花粉情報と合わせて、明日の放射性ヨウ素・セシウム飛来予想とか、明日の放射能汚染海流予想等をぜひやってもらいたいと思っています。 花粉飛来を予測できるのですから、発生源が「いまのところ」ひとつしかない放射能汚染予測は、日本の技術をもってすればかなり正確に出せるはずです。 放射能汚染情報を発表するのって、気象予報士の免許が居るのでしょうか。天気予報とはちと違いそうですから、今のうちならまだ誰がやっても大丈夫そうですよね。 ぜひお願いします。反骨精神旺盛なウェザーニュースでやってくれないかな。 _ 実際浜岡原発が爆発したらどうするか?今回の福島第一原発事故で「やっぱりな」と思ったのは、福島県原子力センターと環境防災Nネットで行われているモニタリングポストでの空間線量リアルタイム更新が停止されたこと。今日現在でもまだ停止中です。停止の理由は不明です。 一方で、その周辺地域にある空間線量リアルタイム更新サイトは設備の復旧に伴い地震後間もなく、線量情報を公開しはじめました。 これらの情報は、非常に有用です。そして、線量が異常値を示しても「調整中」にせず、ひたすら淡々と生の数値を更新し続けてくれる運用には心から感謝するとともに、運用サイドの執念、プライドを感じました。 ウチで測定していた線量推移と、神奈川県環境放射線モニタリングシステムの川崎地区の値が非常に高い相関を示すことも今回確認できました。 もし、浜岡原発が爆発したらその周辺は酷いことになっていそうですから静岡県環境放射線監視センターでリアルタイム公開している線量情報は停電や機器の損傷等で運用停止することが想定されます。そうなると、神奈川県環境放射線モニタリングシステムに望みを託しつつ、自宅で線量測定しながら状況推移を見守ると言った形になるのでしょうか・・・ そうはならないと思っています。 今回の福島第一原発事故にまつわる種々の情報は、私が主たる被害が発生した地域の「外側」に居たから得られた情報であったという点には充分留意が必要です。 浜岡原発が爆発するほどの被害を受けたら、固定電話、携帯電話、インターネットインフラの途絶も想定しておかねばなりません。 地震による関東首都圏大規模停電も当然におきそうです。仮に、なんとかローカルで電力を確保でき、携帯基地局が生きていて、電波でインターネットに接続できたとしてもそんな状況ではまともにパケットは通りそうにもありません。 ウチには避難持ち出し用の中波ラジオは数台あり、最近では外出時には必ず1台持ち歩くようにしています。関東・東海地方に大地震が来て、東海村、浜岡原発がおかしくなったとしたら、恐らくはラジオから原発の異常を知ることになるのだと考えております。 交通インフラがどの程度稼動しているかは未知数です。このへんは状況を見ながら臨機応変に対応していくしかなさそうですが、自家用車での移動は極力避けるでしょう。他に手段が無く、道路が走行可能な程度の破壊であった場合にのみ已む無く使用って感じでしょうか。 まだまだ検討するべきことは、沢山あります。毎日少しずつでも、防災体制についての検討、整備を進めていきたいと考えております。 もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
最新ツッコミ |
まったく同意です。<br>特に、原発周辺自治体の首長には、感情的反応だけでなく、冷静な判断と対応をお願いしたいです。<br>国が頼りにならない以上、我々が家族と自分の身を自衛せねばならないのと同様、周辺自治体の首長はその責を重く担っていることを認識して欲しいと思います。<br>「国の言い分を信じて原発を受け入れた」結果がこれなのですから、事後対応においても「国の言い分」に過度に依存することの危険は明らかでしょう。長期戦の必要性は、それこそ既に風評でなく現実なのですから、むしろ積極的にその対応が検討されねばなりません。<br>そしてもう一点、予報等の重要性もさることながら、自体収束に向けた対策は、より開かれたスキームの中で、文字通りの英知を集めて検討・推進されなくてはならないと思います。(研究者の情報発信を禁じた)気象学会のような動きは論外でしょう。
自体収束→事態収束でした(^^;)
全くもっておっしゃる通りです。<br>特に、情報開示について。平時は近隣諸外国の言論封鎖や情報統制をさんざん非難していた日本ですが、有事の際にはそれらよりももっと強力に社会主義情報統制が発動されるということが、今回明らかになりました。<br><br>今、外部から知ることのできる唯一信頼できる正確な情報が、モニタリングポストが測定している空間線量だけだという点がなんとも情け無い。原発の内部で何が起きているのか? 圧力容器の内圧変化を見てみれば事故発生初期にいずれの圧力容器にも穴が開いている事実は明らかなのに『確認できない』という理由でまだ認めないとか。では、どうやって『確認』するつもりなんだ? 目視するまで『確認できない』を言い張るのか?<br><br>中でなにが起きていて、どういう状態であると考えられるのか・・・等、迅速な情報開示がこんなときこそ必要です。