2011-10-26 最近気になる街中の線量・・・_ Polymaster社製、PM1703MO-1購入。(10時35分記)
私が今まで所有していた、『実戦配備可能な状態』の線量計達です。購入順に左上から、CDV-700(10年ぐらい前に購入?)、堀場PA-1000(2011年6月購入)、下段に移って、ウクライナ製(?)のDBG-05B(2011年6月購入)です。これら以外にも、GM管むき出しの自作線量計等、『実戦配備不可能な状態』の線量計も、いくつかあります。 CDV-700はこんなのいつも持ち歩くわけには行きませんから通常は自宅待機。普段外出時は、ピッピ音が鳴るだけのDBG-05Bを持ち歩きながら、音を聞いて付近の線量をなんとなく定性的に把握していました。 が、8月以降9月入ってから特に、どうも、6月7月の頃よりも明らかに「ピッピ」が賑やかに鳴る地域というか、地点が増えてきたように感じていました。 そこで、PA-1000を持ち出して、「ピッピ」が賑やかだった地点で少し時間をかけて線量の定量測定してみますと、結構ありますね極狭高線量地帯。地上1mの計測でも、平時の倍以上の0.2マイクロSv/hを記録する程度のところは、ウチの周辺あちこちに見つかりました。ただ、範囲は本当に極狭地帯で、1mも移動すると0.1マイクロSv/hを割るということも珍しくありません。 高線量なところは総じて複数の側溝が接続されている桝付近だったり、雨水が集まって流れていく排水溝付近だったりします。 最近話題になっている「雨水によるセシウムの自然濃縮」が、起きていることを実感する結果です。 というわけでどうやら福島第一原発爆発により放出飛散され、街中に降り注いだセシウムやストロンチウムは、時間が経つにつれ単純減少していくというわけではなく、場所によっては「雨水によるセシウムの自然濃縮」効果で、時間が経つにつれさらに高濃度になっていくという、まったく油断も隙もあったもんじゃない状況が展開されているようです。 と、いうわけで、現状の観測体制では街中での徒歩移動時に、これら極狭高線量地点を的確に発見することは難しいと判断し(PA-1000は測定に1分間かかる。仕事での移動中など、あっちこっちでいちいち1分間立ち止まっているわけにはいかない)、新規に線量計を導入しました。
大きさは手のひらにちょこんと乗るぐらいな感じ。カタログで見て想像していたサイズよりも一回り小さいです。 Polymaster社PM1703Mシリーズは、原発や研究所など、実際の原子力現場の最前線で使われている実用機であり、これのカスタマイズモデルはIAEAでも採用されています。IP65/67の完全防水等、その仕様もかなりタフです。 同じような形をしているPM1703Mはシンチレーション検出器なのですが、私が買ったPM1703MO-1はシンチレーション検出器に加えてGM管も搭載し、線量積算機能を持ったモデルです。 測定範囲は 0.01マイクロSv/hから10Sv/hまで。10Sv/hなんてそれこそ福島第一原発の一号機原子炉建屋内にでも行かねば遭遇することのないような超高線量ですが、ダイナミックレンジが非常に広いのも、特徴です。 IrDAでPCと繋げて、ログを吸い上げたり線量アラームの設定をしたりできます。特に、ログ機能は、アラームが鳴った時間と線量をあとから知ることができるので便利です。その場でPM1703MO-1のアラームに気が付かなかったとしても、あとからログを見ることで、その日の行動記録と照らし合わせてどのへんで高線量を食らったか、知ることができます。 が、なんと言っても着目すべき点はその反応速度。反応速度:0.25秒ということですから、時速6Km程度の速度で歩行中でも、局所的高線量地点を通過した際などには即時反応してくれるのではないかと、期待しています。 実際、10月18日に納品されて以降、外出する際にはなるべく持ち歩くようにしていますが、ログを見てみますと、0.2マイクロSv/h程度の低レベルホットスポットは何十箇所とあるようです。 その中でも突出して高い値を記録しているアラームがあります。
10月20日(木)の15時15分すぎ。4.74、5.86マイクロSv/hと、ちょっと看過できない値が記録されています。『これなんぞ?』と思い、当時の移動記録を思い返してみますと、この日は仕事でお客さん(@SAITEC)と打ち合わせがあり、この時間帯は打ち合わせが終了してJR西川口駅付近を歩いていたか、すでにホームで電車待ちしていたか・・・という感じの時間です。 PET検査した人とすれ違ったりしたのでしょうか。 21日の朝3時台のアラーム3発も気になります。この日この時間帯は寝てますから(決して飲み歩いていたわけでは無い(笑))、線量計は私の部屋で計測していることになります。何があったんでしょう。 _ Polymaster社製、PM1703MO-1所感。(10時50分記)まだ使い始めて一週間ですので、全機能を使いこなすまでには至ってませんがざっとファーストインプレを。
・反応速度は申し分無い。街中を歩いていても急激な線量増加時には即アラームが鳴る。 ・アラームは鳴るのだが、表示されている線量はたいしたことないときがよくある。 →例えば、平時0.05なのに、アラームなったけど表示は0.05のままとか。 一瞬だけ観測したピークに反応しているのか? いろんな統計処理をしていると、 マニュアルには書いてある。説明があるのだが信号処理が複雑で詳細不明。 ・測定される線量値は、堀場のPA-1000に比べてほぼ同じ。 ・低線量域での線量表示に謎なところがある。 →0.1マイクロ以下だと、どうもなんか特殊なモードに入るようで、堀場PA-1000より も線量低下方向への反応が鈍くなるときがある。その点、堀場PA-1000は単純に移動 平均処理での線量表示なので、値の変化が素直でわかりやすい。 この線量計の性質として、原子力現場での意図しない被曝を即座に探知、警告するという機能に重きが置かれているように見えますので、0.1マイクロなんつう低線量下では、ひょっとするとあんまり本気で動いていないのかもしれません。 ただ、低線量下でも、線量が上昇する方向への反応速度は極めて速く、その点は使っていて安心感があります。 参考までに、反応速度がどんなもんかわかる動画をyoutubeにアップしました。
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すごい機材ですね。是非GPSロガーとセットにして…<br>西川口駅近くは月一回いってますけどどの辺りが怪しいですか?<br>11月に行った時に時間があれば探ってみます。
これのGPS搭載モデルもあるのですが、35万円もするのでさすがに怯みました。<br>西川口は、この時間だと恐らく京浜東北線上りのホームだと思います。いつも、改札入って左側にある階段を使ってホームへ降りて、ホーム左側(下り線側)を通ってエスカレータをかわし、そのまま大宮よりのほうに歩いて後ろから2両目ぐらいの上り線に乗車します。<br>この間に超絶マイクロホットスポットがあるのか、PET検査した人とすれ違ったかのどちらかだと思います。<br><br>ああ、GPS搭載モデル買えばよかったなぁ・・・
駅構内ですね。ちょっと前に大宮のどこかの敷地で高線量を観測したってニュースがありましたが関係あるのかないのか。原発事故以来多くの市民も放射線に感心を持つようになり線量計を持ち始めましたからこの先もやばいスポットがどんどん発見されていくでしょうね。