2011-10-12 天高く馬肥ゆる秋。_ 横浜市でストロンチウム検出。(11時28分記)各方面で既報の通り、横浜市港北区のマンション屋上堆積物から、かなりな濃度のストロンチウムが検出されました。 衝撃的なニュースではあるのですが、チェルノブイリの例や、1960年代に活発に行われていた核実験により日本に降下した放射性物質の分析などから、セシウムがあれば、ある比率でストロンチウムも存在することはわかっていることなので、実はこれ、特段驚くべきことではなく、過去の、数少ない事例から得られた知見を再確認できた・・・ということなのです。 特に慌てるようなことでは無く、単にいままでストロンチウムを測ってなかっただけ・・・ってヤツですね。測ってみれば他のヤツらも当然に沢山居るハズです。 検出量は、ストロンチウム90が195ベクレル/Kgに対し、横浜市衛生研究所での測定で放射性セシウムがざっと10万ベクレル/Kg。ストロンチウムの対セシウムベクレル存在比は 0.002 ってところですかね。チェルノブイリ事故の時に名古屋で測定された大気中のストロンチウム-90/セシウム-137放射能強度比が0.002〜0.02の範囲だったということですから(原子力資料情報室より)、ほぼ同じ範囲に収まっています。過去の、数少ない事例から得られた知見と合致していたというデータは貴重です。 ストロンチウムだけでなくセシウムも10万ベクレル/Kgとかなりな高濃度で検出されてますから、なんらかの要因で降下した放射性物質が濃縮された特殊なケースと考えてよいと思います。ただ、先日発表された汚染マップでは、神奈川県下も1万ベクレル/m2程度のセシウム汚染はされていると考えるべきと思いますので、同様に、ストロンチウムも20ベクレル/m2ぐらいは最低存在していると思っておいたほうがよいでしょう。 しかしだ。福島第一原発爆発事故初期には、『学者』や『専門家』の多くの人が、ストロンチウムは重いからそんなに遠くまで飛ばない・・・っておっしゃられてましたが、そんなことあるわけないですよね。 当時から『なにを根拠にそんなこと言っているのか』謎でした。『学者』や『専門家』ならば、重いということを科学的に説明して欲しいものです。
プルトニウムの比重 :19.816 [g/cm3] ストロンチウムの比重: 2.64 [g/cm3] セシウムの比重 : 1.93 [g/cm3] -------- 鉛の比重 :11.34 [g/cm3] 鉄の比重 : 7.874 [g/cm3] -------- 黄砂の比重 :約 2.0 [g/cm3] こう見てみると、ストロンチウムが特別重いわけではないことが、すぐわかります。 だって、チェルノブイリから日本まで、余裕で飛んでくるわけですから。 天高く馬肥ゆる秋・・・漢語では「秋高馬肥」と書くそうですが、これは日本で一般的に使われる『秋は空が晴れ渡って抜けるように青く高く、夏バテ解消して食欲もばりばりで馬も肥えてしまうほど食ってしまう』というような意味とは全く異なり、漢の国では、馬が肥える秋の季節になると、毎年外部から馬に乗った敵がやってきて、秋の収穫物を襲撃略奪されるから注意せよ! という意味を持つ言葉なのだそうです。 まさに今年の日本、秋本番のこれからが、放射能との本当の戦いの始まりと言えます。 もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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