2007-01-11 今日も晴れ。_ #003試聴。先日基板実装した#003ヘッドフォンアンプですが、本日ミノムシクリップ接続で試聴してみました。 取りあえず安定化電源を18Vに設定して、スイッチオン。電源デカップリングがそこそこちゃんとしているせいか、ポップノイズは#001、#002に比べて少なめです。さて、いつものCDを再生してみます。 『ぇええええっ!』 音が出始めた最初の数秒で、すぐにその違いを感じられるほど#001、#002とは全く異なる再生音です。なんと言ったらよいのか、拍子抜けするほどなんの色も味も無い音っていうのでしょうか。お酒で言えば精米度50%越しちゃいましたみたいな、驚きの透明感です。 こんな説明じゃよくわからないですね。いや、私もまだ、この音を言葉で表現できるほどの見識を持ち合わせていません。でも、良いか悪いか・・・いや、好きか嫌いかと言われれば、間違いなく好きです。今回の基板実装に際しては、BB上で評価に使った部品は一切使わず、手持ちの新品を探し出して組み立てたのです。中途半端に右チャンネルだけエイジングが進んでいるとかいう状態は気持ち悪いじゃないですか。だから今回は、左右チャンネル共に全ての部品がほぼ同時に通電されているわけで、エイジングも全くされていない状態です。にもかかわらずこの透明感は驚きです。自作ヘッドフォンアンプのリファレンスとしての重責に充分耐えてくれそうな貫禄を感じます。 例えが悪いですが、#001、#002は、7.5畳間ぐらいの部屋の中(リアル私の部屋の広さです)で、自分にとって最高に居心地の良い場所を作ろうと頑張って、確保できた自分の空間って感じ。これはこれで本当に居心地が良くて満足なのですが、比して#003は、もういきなり八ヶ岳山麓に隠れ家別荘建てて、ラジコンヘリ飛ばそうが打ち上げ花火上げようが、金槌で木工作しようが全く自由でのびのびという感じの音なんです。 7.5畳間ぐらいの部屋で居心地をよくするためには、いろいろ小細工が要るじゃないですか。よく言えば工夫って言えなくもないですけど。でもね、八ヶ岳山麓の別荘って言ったらもう小細工なんか不要。極論すれば家なんかボロでも雨風寒ささえしのげれば、そこに居ること自体が快適みたいな、そんな感じですかね。ちなみに八ヶ岳山麓ってのは私の趣味ですので、みなさんそれぞれ自分の好きな場所に置き換えてお読みくださいね。 ですから、もう格が違うとしか言いようのない、差があります。 しかし、その音を手にするために払う代償はとても大きいものがあります。たった 0.1W+0.1Wのパワーを得るために、常に8W近い電力を消費します。7.8Wはたんに熱となって空気を暖めているだけです。電源設計が古典的だからリップル除去でロスしているという部分もあるのですが、それを差っぴいても、終段入力2.3W/chに対して得られる出力は0.1W/ch。負荷抵抗REは通常負荷で75度に達します。 A級駆動は、地球に優しくないです。 ですから私は、今日から部屋の暖房温度を17度にすることにしました。もともと寒いのには強いので、WarmBizなんて騒ぎ出す前から暖房は18度設定だったんですけどね。 ちなみに、夏は、29度かな。 そして、このアンプも完成した暁にあっても、稼動時間は極力短くするように努めます。 個人の趣味、興味からくる技術的研究、知識の向上のためとは言え環境問題は真摯に考えねばなりません。こういうアンプを作る以上は、それ以上に省エネに努めなければなりません。
試聴していて気が付いたのは、終段ダーリントンペアのフロントにあたる2SC708Hがですね、ダーリントン終段の2SD325の熱線を受けて暖かくなっちゃうのですが、右chと左chで写真の通り微妙に間隔が違っちゃってて、暖まり方に差がでちゃうんですよ。どのぐらいの差が出るかと言いますと、指で触って違いがわかるぐらい。5度ぐらいですかね。
もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
最新ツッコミ |
八ヶ岳山麓に別荘建てたいですね〜。湧水で美味しいご飯を炊きたいです。陶芸もいいなぁ。。。いや、そういう話ではなく、なにやら凄そうですね、#003。聞いてみたいですねぇ。エネルギーのロス具合が素敵すぎます。同じ音でロスの少ない回路があれば最高なんでしょうけれど・・・。(^^;
音が良くて省エネでシンプルって言えばやっぱSEPPだと思うのです。SEPPも、今回のように充分な電源電圧の中で使えばこれはこれで素晴らしい音が出ると思うのですが、でも、たった一つの石が、大電力を消費しながら交流電圧信号を電力に変換するA級シングルってのも、男のロマンですよねぇ。<br>頭の中で考えることはあっても、なかなか実行に踏み切れない・・・そんな回路のひとつが今回ようやく実現できました。<br>ラジオ回路などでイヤホンを駆動するアンプではよく使うことがあっても、ピュアオーディオ用としては今回はじめての試みです。
八ヶ岳サウンドですか〜。
改めてそう言われるとちょっと弱気かも。<br>二十畳サウンドぐらいにしておこうかな ^^)。<br>今、その音の差がナニに起因するものなのか解析中なのですが、どうも、増幅回路の性能だけではなさそうなのです。