2009-06-06 またも雨。もう梅雨入り?_ シグマDP2の解像度を測定してみた。正直ド肝を抜かれました。
左図が、ISO12233解像度チャートです。これを基本的には上下の幅を合わせて撮影することで、その撮像系の解像度を定量的に評価することができます。まぁ、アスペクトの定義が滅茶苦茶なデジカメでいったいなにをどうしろと? という話もありますがまぁそこはおいといてですね、ISO標準に則って調べてみました。 測定結果は通常「TV本」という単位で示されます。黒と白とが交互に入れ替わる縞々模様を写した際に、どこまで細かくこれを再現できるかということを示します。黒と白をそれぞれ1本と数えます。すなわち、黒白ペアで2本になります。例えば垂直解像度であれば、水平線がどれだけ細かく記録できるかを示します。 例えば、画像の画素数が 横2640 x 縦1760 Pixel であった場合、垂直解像度の理論的最高値は、1760本になります。これは、1ライン毎に黒と白を引いた場合の値です。1ラインが最小描画単位ですからね。 で、今回、DP2の解像度を測定してみたのですが・・・比較のために、エプソンR-D1にいろんなレンズを付けたものも合わせて撮影しました。 撮影は全部rawで撮って、それぞれの現像ソフトで現象しました。現像設定は、全てAUTOです。撮影条件は、以下の通り。
■シグマDP2とエプソンR-D1解像度チャート撮影 解像度の測定には、HYResというソフトウェアを使いました。無料配布されています。解像度チャートを撮影した画像があれば、定量的に解像度を測定してくれるものです。 まずは撮影画像を紹介しましょう。全面画像を載せてもアレかと思いましたので、比較しやすいように中央部分にある水平、垂直チャートをピクセル等倍で切り出し並べた画像を掲載します。R-D1の画像のほうがチャートが大きいのは、画像サイズが大きいからです。ちなみに:
■撮影画像サイズ です。 R-D1画像はレンズ毎に微妙に画角が合ってない点は愛嬌ってことで ^^) ま、ズレは少ないですし、HYResはこのへんも補正してくれますので大きな問題ではありません。
■HYRes3.1で測定した結果(単位:TV本)
2009年6月6日 13:20追記 解像度の評価方法について少し細かく調べてみました。 このISO12233解像度チャートを用いたデジカメの解像度評価法については、CIPAから「DC-003-2003 デジタルカメラの解像度測定方法」というドキュメントが発行されております。 これによりますと、解像度測定については、『視覚解像度評価パターンのくさび線数が変化(5本→4本のように)した空間周波数を解像度とする。単位は画面高さあたりの本数で表す。』とあります。 なるほど。この規定に則って考えれば垂直画素数以上の垂直解像度が測定されてもおかしくないです。 すなわち、DP2は、センサー上の1ライン(1ピクセル)にまできっちり解像させるレンズを持ち、また、その信号をそのまま画像化することのできる性能を持っている ということです。 具体的に説明しますと、9本くさびが画像上1ライン単位まで完全に解像しているため1760本は完全にクリアしてしまう。そして、9本が8本になる解像度は、垂直画素数(1760本)以上のところになってしまうということです。 というわけで、DP2の解像度値は、これでもおかしくはない ということになります。 今回使った解像度チャートは2000TV本までしか測定できないのですが、DP2に関して言えば限りなく解像しているっぽく見える偽解像なんですが2000本までいっちゃってるようにすら見えちゃいます。水平ラインが1760本しかないのに2000本も解像するわけないのですが、そう見えちゃうところがなにかおかしい。これが、DP2のすさまじくも異様なまでの、超写実主義的精密絵画風な画調をもたらしている要因なのでしょうか・・・?? DP2に関して言えば、少なくとも私が今まで持っていたデジカメ・・・映像をデジタイズする機器全般に対する概念では対応できない・・・してはいけない・・・ということが、わかりました。 DP2以外のレンズに目を向けてみればやはりズミクロンはさすがです。この中にあって最も古い設計、製造の光学系(1956年)であるにも関わらず、古さを全く感じさせない数値を出しております。 しかし面白いのは、R-D1については信号処理が全く同じであっても、付けるレンズが違うだけでこれほどまでに解像度チャートの解像減衰に差が出てくるんですね。線の消失の仕方とか、色の付き具合などを見ていると実に面白いです。また、垂直解像度で1700本近い数値を記録したズミクロンが、水平解像度値が低くなってしまうってのも面白い現象です。R-D1のOLPF含めたセンサー系及び信号処理(現像ソフト)の特性なんでしょうね。 DP2に関しては今日はこれ以上追及したくないのでもう忘れてですね(笑)、少し面白い実験をしてみました。 ベイヤーの画素補間処理が解像度にどれほどの影響を与えるか? ということを、簡単に検証してみました。方法はですね・・・(ベイヤーセンサーの信号処理の知識が無いと、少し難しいかもしれません・・・)
R-D1 + Mロッコールで撮影した解像度チャートのRaw画像ファイルを起点として・・・ 1) 純正現像ソフトで現像してRGB画像化する(上で掲載測定したのと同じ画像) 2) 自作ソフトでRawから画素値を取り出して、それぞれをグレイ画素としてグレ イスケール画像化する →すなわち画素補間処理が一切無い! 当然ですがGに対してRとBにはそれぞれゲインを乗じて出力レベルを揃える処 理を入れています。 ベイヤー信号処理については2008年9月20日の 泡ぶくも少し参考になるかもしれません。今回はこの図において、赤緑青で塗ってある画素を、それぞれそのまんま(RBにはゲインをかけて)グレイスケールの1画素にした画像を生成するということです。
差は歴然! 一目瞭然! なんという素晴らしいヌケの良い画像!
■HYRes3.1で測定した結果(単位:TV本) これは大きな差! これが画素補間によるロスですね。Mロッコールさすがです。垂直解像度はほぼ理論的最大解像に近い値が出ております。画素補間無しであれば・・・すなわち、センサー上には、きっちり結像しているってことが、今回明らかになりました。 相変わらず水平解像度が伸びませんねぇ・・・これはもう、ほぼ間違いなくOLPFの影響でしょう。 ベイヤー信号処理におけるこの画素補間処理は、各社各様いろいろなノウハウが結集されているところです。ですから今回はあくまでも、『エプソン純正R-D1現像ソフト EPSON Photolier Ver. 1.22の画素補間処理との比較』であることに充分留意してください。他社の現像ソフトで画像化すればまた違った結果が出てくることになります。 しかしそうとは言え、ベイヤー画素補間処理でロスが発生するのは必定。色情報を記録するエリアセンサーとしてのベイヤー画素配置は確かに合理的ではあるものの、持って産まれたその定は、あまりにも重いです。 別件ですが今回新たな発見がありました。R-D1は、最終生成画像を得る際にセンサーからの画像を、ほんの少し縮小リサイズしています。上にあげた解像度チャート画像は、起点は同じRaw画像ファイルです。これを、純正ソフトで現像したものと、自作ソフトで画像化したものをピクセル等倍で並べたものなのですが、もし、純正ソフトでリサイズ処理がなければ被写体サイズは完全に一致するハズです。 う〜む一体なんのためにリサイズしているのでしょうか・・・新たな謎が発生しました。 もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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いいですね。Y系算式と<br>色の計算式えを それぞれにて製靴すると<br>輝度モアレが良くなりそうですね。<br><br><br> 欲しいけど 飲め鋳込みたくない世界ですなぁ
DP2すっかり惚れ込んじゃいました ^^)<br>最近にしては、ようやく面白いデジカメに出会えたって、感じです。