2006-09-21 源流の魅力。_ 歴史を遡ることの楽しさ。突如ややこしい問題が発生して仕事パニック・・・と言っても、ちゃんと冷静に問題分析して解決試行しているので、パニックって感じではないのですが、久しぶりに睡眠時間が4時間割ってしまったこともあり、ちょいと息抜きに雑文でも書きたい気持ちになりました。 実はここ数日で、通販とオークションで結構な散財をしてしまいました。散財って言ってもまぁ、私の場合たかが知れている額なのですが(数万円程度)、なにに使っちゃったかというと、大昔の真空管やそれを駆動するために必要な部材等です。 ここを定期的にお読みいただいているみなさんは、最近私が、プライベートな時間はすっかりラジオ回路の実験に傾倒してしまっていることはよくご存知だと思います。で、こないだから電池管と呼ばれる真空管を使った回路をいろいろ実験しているわけです。なんでいまさら真空管? って理由は、トランジスタが普及する以前の時代に使われていた能動素子ですからね、ラジオの特に検波回路に使った場合、どんな動作をしてどんな音を出すのか興味あるじゃないですか。自分の耳で聴きたいじゃないですか、真空管の検波音を。というわけで、かれこれ半世紀も前に作られた3A5(箱には "NOVEMBER 1953" とある)を使ってみたりして、実験して楽しんでいるわけです。 昔の学生時代、銀塩カメラに傾倒していたころもそうでした。 はじめは、家にあったキヤノンのAE-1で写真していたのですが、自宅に引伸器設置して自分で高品位な四ツ切をローコストに焼けるようになると、レンズの描写に自分の写真表現を重ねたくなってきますし、カメラという機械自体への興味もわいてきます。 で、『昔のカメラってどんな写りしたんだろう』と思った瞬間、終着駅のない、時代を遡る壮大な旅に出ることになるのです。 機械いじりは好きでしたから、あの当時よくカメラ屋さんの店先のワゴンに「ごそっ」と積まれたジャンクカメラ。その中からちょっと古そうで綺麗そうな、キヤノンのデートマチックというカメラを五百円でゲットしたのがコトのはじまりだったかな。慎重に分解して、故障箇所とおぼしき部分を修復して元に戻します。電池を入れたら動きました。あまり期待もせずにネガカラーフィルムを入れてそのへんを撮影し、近所の店に現像にだして数日後。『なんじゃこりゃぁ!』仕上がりを見て私は驚愕しました。素晴らしい写りなんです。昔の古いプラスチック製のコンパクトカメラです。たいして期待していなかったってこともあるのでしょうが、その写りはL判で見る限り、AE-1/FD50mmF1.4で写したものと全く遜色ないどころか、そのソフトな描写が大変気に入りました。 昔のレンズは侮れないどころか全くすごいということがわかってしまった以上、もう興味は昔のカメラとレンズへ一直線です。 カメラの雑誌の広告欄を見ては相場を調べたり、クラッシックカメラの特集本を買っては『ライカはなんでこんな高いんだ?』『ツァイスは冷たい写りでイヤ』なんて、買ってもいないし使ったこともないのに妄想をめぐらせます。 社会人になってからは少しばかりのお金を使えるようになったので、毎週末になると高輪新橋銀座、あるいは横浜桜木町関内と、古いカメラを置いているお店めぐり。小遣いだけでなく昼食代までも全額カメラ関係に投入です。飯を食わずともレンズを買う。さすがにダゲレオタイプにまで遡ることはしませんでしたが、レンズで言えば1937年、コンパクトカメラで言えば1940年台ぐらいにまでは遡ってあーだこーだと写真に浸っておりました。 そんなわけでラジオに使う能動素子、真空管についてもやはり歴史を辿らねばなりません。が、真空管って、特に古いものはみなガラスで出来ているし、壊れやすいですから良いコンディションで残っている昔のものは本当に高価です。中古カメラの中でも特に古いカメラのことを愛情を込めて「クラッシックカメラ」なんて呼びますが、真空管の場合は「ヴィンテージ管」というらしいです。で、ここ数日、これら「ヴィンテージ管」とやらの中でラジオ検波に使えて比較的安そうなものを探しては注文していたってわけです。幸いにしてピュアオーディオとはちょっとハズれた路線にあるラジオ用検波管ですから、それほど狂ったような値段にはなっておらず、そのもの自体の価値(時代考察しつつちゃんと電気的にも動作する)を考えたら、充分納得できる値段で入手が可能です。 今日現在で、なんとか1920年代まで遡れてます。 真空管自体古いものですが、そのなかにあってもさらに源流を辿る過程においての昔の真空管なんて使うの今回初めてですから、駆動回路にもたいそう神経を使います。なんせ、ほとんど一世紀も昔に製造されたものに火をつけようというわけですから、どうやって目を覚まさせてあげればいいのか、現在あれこれ検討中ってところです。ヒーター点火用の直流電源も用意しないといけませんしね。 また、動いたらここで紹介したいと思います。 もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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