2011-03-26 丸二週間経過。_ あっという間の二週間。毎日の業務、生活にプラスして、福島原発の情報収集という非常に重要なテーマがいやおう無しに付加されてしまい、日々寝不足気味の今日この頃な私ですが、みなさんはお元気でしょうか。 夜の帳が下りた自室でウイスキィ片手にPCに向かいつつ、椅子に座ったままいつの間にか寝てしまっている自分に気付いてはっとしてしまったり。 そんな毎日を送っています。 福島原発は未だに収束する気配を見せませんが、周辺のモニタリングポストの状況や報道される情報、もう二週間も経過した等から考えて、最悪の状況は脱しつつあるのではないかと思っています。私が想定していた最悪の状況というのは、原子炉爆発して放射性物質大量飛散状態ですが、おそらくこの危険な事態が発生する可能性は、ごく低くなったと考えています。 そう考える根拠はいろいろあるのですが、ここでお話することは避けようと、思います。原子力の技術って、政治宗教野球UFOの話と同様な側面があって、個人の心情というか、信仰(というのとは少し違うのですが・・・)みたいなものが大きく絡んできますから、なかなか私の考えるところをここをお読みの不特定多数なみなさんに正確にお伝えすることは、難しいかな? と、思うわけです。 ま、ここ かにの泡ぶく は、そもそもがヨタ話ですからね、あまりマジメな話は似合いませんし。 _ 避難基準は個人判断で。何故か私のところに今回の放射能汚染についての質問メールがやってきます。 デジカメの話とか、画像処理の話、電子回路系の話であればまだわかるのですが、放射線については私は全くの素人ですし、完全独学です。ですから、『xxxxに住んでいるんですけど避難すべきですか?』という質問を貰っても、非常に困ってしまう(というか、答えようがない)のです。 個々に真摯にご返信を差し上げては居ますが、避難って、なかなかロジカルに判断できるものではないと思うのです。 ただ、ひとつだけ言えることは、福島第一原発の半径30Km以内に居るみなさん、昨日政府が『自主避難を推奨』とかわけのわからない通達だかコメントだかを出していましたが、本当はもう一週間前に強制退去が必要なレベルだと私は思っていました。法に規定があるのかどうなのかわからないのですが、放射能汚染時における屋内退避というのはあくまでも一時的な処置であって、数日以内に状況が好転するときのみに適用すべきものだと思います。テレビなどでは、屋内退避区域では窓を閉めて換気扇止めて、外から屋内に入るときには服を脱いで袋に入れて・・・等と言ってますが、はっきり言ってこんな程度の周知では、やらないよりは少しはマシでしょうが少しはマシな程度です。体内被曝を防ぐのは、とっても大変なんです。もし、屋外に放射性物質があって、それを本当に屋内に入れないようにしようと思うのなら、こんな感じになると思います。
こんな感じですよ。人間はざっくり一人当たり一日500リットル程度の酸素を消費しますから、部屋の酸素濃度を計算して、低下してきたらその分換気しなくてはなりません。なんとか工夫して、取り入れ空気を水で洗うフィルタを作り、換気扇を回してどこか一箇所から吸気する等、極力汚染空気を取り入れないようにしなければなりません。 実際問題として、これを運用できるのはせいぜい3日程度でしょう。屋内退避が長期化すれば、当然ですが生活継続のために屋外に出なければならず、これを繰り返せば空気が交換して放射性物質が屋内にも入ってきます。そしたら、屋内退避の意味がありませんからね。放射線はマンションの壁やコンクリートで減衰するから屋内は屋外より安全とかいう話をどこかのニュースで耳にしましたが、それは外にある放射線源から直接やってくる放射線についてであり、放射性物質が屋内に入ってくることとはまるで話が違うのです。 ですから、福島第一原発の半径30Km以内に居るみなさんは、少なくとも一週間前には避難開始しなければならない状況だったと思います。屋内退避がまだまだ継続することが容易に推測できる状況だったわけですから。それを今頃になって『自主避難を推奨』とかいうのは、正直無責任にもほどがあると、思います。事態が収束していない現状で批判的なことを言うのは尚早で慎むべきことだとは思いますが、これだけはあまりに酷過ぎるので、言っておきたいと思います。 国家は、国民の生命と財産を守る責任があります。 政府の『自主避難を推奨』というのは、国は関与しないから勝手に逃げてね・・・ということです。現地では燃料もなければ移動インフラも細い。そんなところに居る人達に対して『自主避難推奨』とか日本政府は馬鹿なんですか? 政府主導で関東近辺にあるバスを可能な限りチャーターして全住民を計画的に避難させるぐらいのことをしてしかるべきだと思います。 被災地周辺のみなさんは本当に大変な日々を送られていることと思います。一日も早く、ゆっくり休める日がくることを祈らざるを得ません。 さて一方で、もう少し遠いところ・・・具体的に言えば茨城、栃木、群馬県あたりはかなり微妙な状況です。このへんになってきますと、人それぞれで状況や考え方、取り巻く環境が異なるでしょうから、ロジカルに判断できるものではなくなってきます。例えば、年齢。私みたいに45歳だったり、それ以上だったりした場合には、ぶっちゃけ少しぐらい被曝してもまぁどうってことないというのが私の考え。賞味期限が切れて二週間ぐらい経過した納豆を平気で食べる人間ですから。こういうのって、ほんと考え方人それぞれですから、避難判断について私になんか相談しないほうがいいですよ(笑)。 育ち盛りのお子さんが居るとか、これから子供を作る予定があるとかであれば万全を期すべきでしょう。もし放射線量が高い地域にお住まいで、しかし、諸事情でどうしても避難するわけには行かない、将来子供を作りたいと思っておられる人がいらしたなら、精子、卵子を今のうちに冷凍保存しておく等も検討しておいたほうがいいでしょう。もちろん保存場所は線量の低い地域か、放射線が来ないような対策をされた場所である必要があります。今ならまだ間に合いますが、半年後だと駄目かもしれません。被曝量にもよりますが。 私のところには、来月から中学二年生になる娘が居ます。娘のことを考えるとやはりここ横浜も安心とは言えない状況ですが、とはいえ、実際に避難するとなるとすでにある生活基盤を放棄し、かにこむの経済活動も大幅縮小して対応する必要があります。だって、一週間やそこらの避難じゃ済まなさそうですからね。被曝リスクと生活維持を天秤にかけながら、舵取りをしていかねばなりません。 こういう事情って、人それぞれ、個人個人で違いますよね。 最後に、放射線のことについて参考になるURLをご紹介しておきます。 本当は全部読むとよいのですが、ここ:原発 緊急情報(21) 「直ちに」とは何か?「冷静に」とはなにか? から順に、最後まで読むと、放射能汚染、放射線に対する一通りの知識と考え方が身に付くと思います。少なくとも、テレビのニュースを見て「なに適当な嘘言っているんだよ」という判断が出来るまでにはなりますし、自分にどの程度の被曝までを許容するのか、家族はどうなのか? と言ったことを考えるための基礎知識を身につけることができるようになると、思います。 紹介しておいてこんなこと言うのもなんなのですが、だからと言って私は武田邦彦氏の主義主張が全部正しいと思っているわけではありません。放射線についての記述はさすが専門家だけあって正確ですが、それと、個人の主義主張は別問題ですから念の為。 ちなみに私が放射能汚染とその対策について勉強をはじめたのは20年ぐらい前。ゲノムの仕事をしていた頃(遺伝情報処理エンジニアっていうんですかね)からです。地震王国日本が原発を持たねばならぬ状況に際し、有事の際にどういうことが起きてどう行動すればよいのかということを、時間のあるときにちまちま調べていました。 まさかそれがね・・・少しでも役に立ってしまうときがやってくるとは夢にも・・・ もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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