2020-04-22 買うとおカネが貰える?!_ 原油の価格がマイナスってナニソレ?!bloombergより。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-21/Q94XI3DWRGG501 4月21日の期日前になんと! 恐らく貨幣制度始まって以来初の商品代金がマイナスとなった5月限WTI原油先物。 その時点で6月限はパニックにならずにそこそこ平穏に22ドル台を推移していたが、5月限〆と同時にパニック売りが波及。一時は6.9ドルまで暴落する。 今更言うまでもなくこの原油安の要因は世界経済の停止による原油需要の激減にも関わらず、どんどんと原油を掘り出しており貯蔵先が無くなってしまいそうなため、原油保管コストが高騰。持ってるだけで大損してしまう状況になってしまったので投げ売り状態になってるというもの。 ではなぜ、産油国は原油減産しないのか。 昔、原油は中東ロシアが主導権を持っていた。この状況下に、アメリカが水の圧力で岩盤に亀裂を入れるという新しい方法で「シェールオイル」と呼ばれる原油の商業的採掘に成功。原油市場でのシェアを喰いはじめた。 しかしこのシェールオイルは採掘コストが高く、40ドル以下では採算割れと言われている。アメリカがシェールオイルを持って市場参入してきたときの原油の相場は60~100ドルという水準だったので、充分に利益が出た。 しかし今回のコロナ禍で、原油相場はご覧の通り。いくらアメリカより採掘コストが安いとは言え、中東ロシアも大ダメージを受けているハズである。 しかし市場の需要に合わせた減産に踏み切る気配は無し。なぜ? 詳細は割愛するが、中東ロシアの産油企業の財務と、アメリカのシェールオイル企業の財務を調べてみるとその意図がすぐわかる。 要はアメリカ潰しである。 財務体質が全然違う。中東ロシアの産油企業は潤沢なキャッシュと流動資産を持っており、最悪原油がゼロ円になったとしても半年や一年程度は持ちこたえそう。 ところがアメリカのシェールオイル企業のそれはかなり脆弱。40ドル割れが1年続けば耐えられないところが多い。それが今や10ドル台である。 この状態があと半年続けば、アメリカのシェールオイル企業は全社潰れる。 中東ロシアは、アメリカを市場から追い出し、二度と立ち直れないようにしたあとでシェアを奪還し、また原油市場での主導権を握ろうという魂胆だろう。 今年3月、サウジアラビアからの減産提案をロシアが蹴ったことから始まった今回の原油大暴落。サウジアラビアとロシアが喧嘩したのは実はシナリオ通り。お互い想定済みであったと私は見ている。 もっと読みたい奇特なかたは、↓の読みたい月をクリックしてね。 |
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