Nikon CoolPix700 と FUJI FinePix1500 雑感
1999.07.18 第 0.1.0 版
1999.07.17 第 0.0.0 版
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ここでは、CoolPix700とFinePix1500とも今回のテスト以前にすでに500枚以上撮影し充分に機体になじみ、かつ、今回テストを一通り終えての所感などを総合的にぐちゃぐちゃにしての雑感を書くこととしよう。
FUJI FinePix1500 雑感
FinePix1500 外観・操作編
- ミントグリーンはやっぱイイ(個人的趣味)
なんか、小学生のころの夏休み、母の田舎(栃木県安蘇郡葛生町)に遊びに行った時、山で採取してきた金属光沢を持ったカナブンみたいな輝きがいいっす(一歩間違うとケバい ^^))
- 小さく見えるけど、思ったよりデカかった
けども、全然OK。
- レスポンスいいじゃん
富士のデジカメ=レスポンス悪い という印象はFinePix1500に関しては全くアタラナイ。
- 持った感じもイイ
前面のデザインにアクセントを与える役も担っている斜めの曲線ラインが、ちょうど右手中指のグリップガイド役も果たしてくれる。これならフラッシュ指で隠しちゃうこともないね。
- 電池の持ちもいい
単三が2本。1500mA/HのNi-H充電池と、低速充電器がセットになってます。どうせなら高速充電器がいいな。14時間もまってらんない。けど、電池の持ちはいい。液晶付けっぱなしでふらふら遊んでいても、付属Ni-H充電池で1時間は持つ。普通に撮影する分には、一日(いや、午後半日としておこう ^^))大丈夫じゃないかな。
- シャッター半押しで液晶ブラックアウトする
これはFinePix700から継承。もっとも、私は光学ファインダー派なので、さほど困らないけども・・・・しかしっ!
- 情報表示用のモノクロ液晶が無い
FinePix700だと、頭のところに、残り撮影枚数とかフラッシュモードとか画質モードなどの情報表示用液晶があったけど、FinePix1500には無い。プレビュー用の液晶に、一緒のこれらの情報が表示される。ので、光学ファインダー撮影だと、撮影モードとかフラッシュモードがなんだかわからないわけだ。
液晶モニタで写せってことか。そうか。よ〜くわかったよ。が、ハイCP機なので仕方無しかなって感じでもある。
- 電池ボックスとスマメスロットの蓋が同じなのはちょっとなぁ
スペース的に仕方ないのかもしれないけど、素早くスマメを交換しようと思っても、電池ボックスと蓋が兼用なので結構蓋が固く、また、電池をすっとばさないようにしないといかんので、これはちょっとなぁ・・・と、はじめは思ったけどもすぐに慣れた。
- なんか撮影画像スルーの時の液晶表示が荒い
なんつぅか、インターライン表示で奇数ライン(or 偶数ライン)を補間(それも単純なヤツ)で表示しているような荒さで、なんか違和感を感じるけども、まぁプレビューとしてであれば使えなくもないレベル。
もちろん撮影画像の再生時は、とても綺麗に見えるので問題無し。
- Auto撮影モード時電源切ってもフラッシュ発光モード覚えているようになった
個人の好みの問題ではあるが、電源切ってもフラッシュ発光モードを記憶するようになったので、私は嬉しい。FinePix700は、電源オンで、Auto撮影モード時には必ずAutoに戻る。
- マニュアルホワイトバランスが設定しやすくなった
こんな感じでメニューからホワイトバランスの設定を選べるのだけれど、選んだ瞬間に背後の撮影プレビューの色調に選択ホワイトバランスが反映されるのがとても楽ちんだ。
FinePix700は、メニューでホワイトバランス選んでもそれだけでは変化せず、「実行」ボタンを押して確定させないと、プレビューには反映されないので、例えばいくつかのホワイトバランス設定を試したい時などは、
◆ FinePix1500の場合
モードをマニュアルに
↓
ホワイトバランスメニューをポップ → ホワイトバランス選ぶ
↑ ↓
↑ 即プレビュー反映 → 確定
↑ ↓ ↓
↑ 気に入らない場合 撮影
↑ ↓
←←←←←
◆ FinePix700の場合
モードをマニュアルに
↓
ホワイトバランスメニューをポップ → ホワイトバランス選ぶ
↑ ↓
↑ 確定
↑ ↓
↑ プレビュー反映 → 撮影
↑ ↓
↑ 気に入らない場合
↑ ↓
←←←←←←←←←←←←←←←←←
と、いうループになる。これは、実際のフィールドでやってみると、FinePix1500の仕様はかなり使いやすくなっている。
FinePix1500 機能・画質編
画像比較・昼編と夜編、そして、まとめ に実際の所感ばりばりなので、そっちも見てね。
シーン自動認識オートホワイトバランス機能
これは案外効くみたいだ。詳しくは、実際のテスト画像を見て欲しい。少なくとも、FinePix700よりはヌケのよい絵が撮れるぞ。
富士フイルムFinePix1500の解説web
画像はFinePix700のほうがシャープだった
これも実際のテスト画像を見て欲しいのだけれども、レンズが一段広角に、そして明るくなったためかなぁ。
フレーミングガイドなんつうものがある
おいらは別に使わないけど、写真ビギナーのかたには、撮る時(構図を決める時)のひとつの例ぐらいにはなるかもしれない。どうなんでしょ?
JPEG展開機能が強力
ほとんどどんなJPEGでも表示できちゃうみたいでJPEGビューアとしても最適。CoolPix700とかC-1400XL画像なんてのは言うに及ばす、フォトショップとかComeBackImageで作った横2000pixelぐらいあるパノラマ画像もちゃんと読めるのですごい。FinePix1500上でスクロール表示もできるので、なんか面白い用途がありそうだ。
FinePix1500 総合評価
合格! 80点(100点満点で)
って、偉そうに言ってるけど(→俺)、まじで今までDS-7からいろいろ富士のデジカメを使ってきた(持ってないラインナップも一度は店頭でも触っている)私としては、これは、富士フイルムコンシューマデジカメのなかでもっとも完成度の高いデジカメであると断言しよう。そりゃいろいろ欠点はあるわな。テスト画像などでも触れたけど、しかし、総合的に見て(値段、製品の質感、機能、画質などなど)、これは堂々80点あげちゃいます!だめ?
改善(つうか、要望)点としては・・・・・
・フラッシュチャージのインテリジェント化
FinePix1500の起動時間(スイッチオンから撮影可能までの時間)は、通常は約6秒であるが、スイッチオフからまもなくの間にオンすると、1.5秒ぐらいまで短縮される。この差は、フラッシュのチャージ時間と思われるが、せっかくフラッシュの発光モードを覚えるようになったので、フラッシュオフの時は、フラッシュチャージしないでもいいんじゃないの? これにより、スイッチオン時の時間が、なんと4倍も高速になるので、検討の余地ありじゃないかなぁ。フラッシュをオフ以外にされた時点でチャージをはじめても、全然OKなように思うのだが。
・色をそのままで、解像感の向上
DS-8が出たときも同じようなことを言ったような覚えがあるけど、テスト撮影画像を見てね。
NIKON CoolPix700 雑感
CoolPix700 外観・操作編
- なんかニコンニコンしているぞ(個人的趣味)
ニコンのカメラなんだから当たり前なんだけど、どーも見た感じ堅いよなぁ。悪いことではないけども、ほんと、見た感じニコンのデジカメって感じ。ニコンファンにはたまらないのかもしれないが、私は特にニコンファンじゃないので、あまりどうでもいいっす。
- 大きさの割に鞄などにおさまりが悪い
このクラスだと、お気楽に鞄とかセカンドバッグに放り込みたいシチュエーションが多いハズだ。が、どうもグリップ部が引っかかったり、ボディーが角角しているせいかひょんなところで突っ張ったりして、大きさの割に自己主張激しい面がある。
- 液晶に各種情報表示されるのは嬉しい
左図はマニュアルモードでいろんな設定した時の図だけど、Autoモードでも、フラッシュモードなど設定可能な項目とシャッター速度などの情報が表示されるのがかっこいい。実際に写す時でも、ノーストロボで1/8とか出ていれば、手ブレをどの程度警戒すればいいか、写真を知っているひとならばわかるので嬉しい機能だ。ただ、シャッター速度系列が1/2、1/4、1/8、1/15、1/30・・・と、銀塩カメラと同じなのは、やはり銀塩ユーザーに配慮してのことなのだろうか。
- 多彩なマニュアル撮影が可能
いろんな設定をマニュアルで行えるので、ちょっと凝った撮影をしたい時でも結構応えてくれる。が、ホワイトバランスの設定については、メニューをほって設定するタイプなので、上に書いたFUJI FinePix700の設定よりもさらにステップ数は多くなる。ので、試行錯誤しながらの設定は、結構めんどくさい。
- 液晶は綺麗よ
ピーカンの屋外でちゃんと見えるかと言えばそれはやっぱ苦しいけど、実用充分だし、シャープさも充分綺麗。
CoolPix700 機能・画質編
- ヌケのいまいちな画像
どーも特定の色にかぶる傾向があるようなないような。ちょっとしたレタッチでとても良くなるのだけども、ホワイトバランス関係かなぁ。いっそうのブラッシュアップが必要だと思う。
- 周辺部の描写
値段からすればFinePix1500のハイCP機とはちょい違い、やや玄人向けのコンパクトデジカメ的位置付けだと思うけども、この周辺描写でニッコールを謳ったら、往年のニコンファンは激怒するかもしれない(いや私はニコンファンじゃないので特に激怒はしないけど)。詳しくは実際のテスト撮影画像を見てもらうとして、ホワイトバランスなど若干のクセはあるものの、潜在能力としてはかなりポテンシャル高いので、ぜひともここは、レンズにもうちょい気合いを入れて欲しい。CoolPix950路線は、ほっといてもニコンファンはどんどん買ってくれる層の製品なので、広くもっとコンシューマにアピールしようとするのであれば、CoolPix700系に力を入れるベシ。
CoolPix700 総合評価
要追試! 65点(100点満点で)
とはじめは思ってここにこう書いたんだけども、その後画像などをいろいろ見るにおいて、ちょっと辛すぎかなと思い直した(その心:潜在ポテンシャルはとても高いので)。で、
ぎりぎりで追試! 69点(100点満点で)
に修正だ(1999.07.18深夜)。
って、相変わらず偉そうに言ってるけど(→俺)、ニコンのデジカメ的期待に応えるには今一歩というところが正直な感想だ。前にも書いた通り、潜在能力としてはかなりポテンシャル高いのだが、細部での詰めというか、ノウハウの蓄積が未だ少ないということなのかなぁ。それとも、単にCoolPix700だからって手を抜いているわけじゃあるまいな。だとしたらもっと許さん。
ただ、この69点(元は65点)というのは相当辛い評価で、例えば、211万画素とかいうことをあまり考えずに、日常スナップでの実用領域を考えれば、必要充分な性能は確保していると思う。多彩なマニュアルモードなども勘案すればもっと点数は上げてもいいんだけども、このクラスを購入する顧客層を考えた場合、ある程度、Autoのまま写して安定した色再現がないことには、市場での受けは苦しいといわざるを得ない。
しかしながら、コンパクトデジカメに、もう一歩踏み込んだ機能を要求したり、ある程度のレタッチスキルをもったひとがわかって使う分には、全く問題なくお勧めできる(逆に言えば、デジカメビギナーには手放しで勧められないちうことだ)。私自身、普通の宴会ならばFinePix1500持っていくけども、海外旅行とか、気合いの会などで、荷物の関係でC-1400XLを持っていけないような状況では、迷わずCoolPix700をセレクトすると思う。なぜなら、過酷な状況での対応力と言う点で言えば、FinePix1500よりもCoolPix700のほうが上だからだ。
改善(つうか、要望)点としては・・・・・
・ちゃんとしたニッコールにしてくれ
・ホワイトバランスの賢さ向上
・(できれば)外部スピードライトシンクロ欲しい
TTLとか要らないので、絞り固定と高速シンクロしてくれればOK
以上、言いたい放題だけど、本音だよ。
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