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ちょっとイジワル?

2004年10月9日 青木 康雄 / master@kani.com

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-------- 今日の関東地方は、台風22号の影響でまさに嵐でした。

よって、写真できず。

しかたないので、お部屋でちょっと、イジワルテストしてみました。

以下、つまんない画像の羅列です。

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WBのテスト

前回のロシアンレンズ試写が固定WBだったこともあるので、ぜひみなさんにAWB(Auto White Balance)の画像を見ていただきたく、今回は全WBのモードで撮ってみました。使用レンズは沈胴ズミクロン。絞りF8です。照明はいつもの三波長蛍光管で、約5000Kです。

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露出はAE。ホワイトバランスの設定は左から:
[Auto]、[晴天(デイライト)]、[曇天]、[日陰]、[白熱電球]、[蛍光灯]

Autoなら、ちゃんと白くなっているでしょ?
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RawとJPEGの違い

これはちょっと???な結果になったのです。

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Raw現像ソフトには、現像時の設定で、「撮影時設定」というのがあります。すなわち、各処理を全部「撮影時設定」にすれば、R-D1でJPEGで撮ったのと同じような仕上がりになるのかなぁ? って思うじゃないですか。もちろんJPEG圧縮時の量子化歪などはありますよ。

でも、結果から言うと、カメラ内の処理と、Raw現像ソフト内の処理は、全く違うもののようです。ちなみに、MacintoshとWindowsのRaw現像ソフトで、同じRaw画像を読み込んだときの画像は、全く同一ものとなりました。すなわち、MacでもWinでも、Raw現像は同じ結果が得られるということです。

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左から、
[AE/AWB/JPEG撮影]、[Raw撮影]、[AE/AWB/JPEG撮影]、[Raw撮影]
Rawの現像は、Photoshop CS上で行い、すべて「撮影時設定」で行い、生成された画像をそのまま最高画質でJPEG保存です。

どうっすか? だいぶ色温度が違いますよね。Raw現像時、WBは撮影時設定にしてますが、ここを「オート」にしても、結果は同じ。すなわち、Raw現像ソフト的には、ちゃんと撮影時設定であるAutoモードで動いているようです。
これは、カメラ内にあるAWBと、現像ソフトのAWBの処理が異なることを意味しています。

で、どっちがいいかといえば、難しい問題ですね。どっちも悪いわけでは無いし、よいわけでもない。ただ、絵を見る限りでは、カメラ内の処理のほうがより積極的にAWBしているように思います。現像ソフトはおそらくはオペレータである撮影者(現像者)と対面しているので、よりオペレータの介入を期待しているのかもしれません。

でもどうなんでしょうねぇ。難しいところです。ちなみに、取説には、Raw現像ソフトの撮影時設定が、カメラ内処理とどう関係しているかについては一切言及がありません。

もう少し詳しくみてみましょう。

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上の画像の左の2枚の、マクベスの明るい青を拡大したものです。みなさんも、もし興味あれば上の画像2枚をローカルにダウンロードして、ビューアで拡大表示してみてください。
明らかに違います。カメラ内でJPEGになったものは、明らかになんらかのノイズリダクションがかかっていて、かつ、エッジ検出型の彩度変調(クロマサプレスと言いますが)処理がかかってます。青の周辺、色輪郭部分の青が色が抜けてますよね。一方で、Raw現像はちゃんと色が残っている。また、青のところのざらざら感も、カメラ内JPEGは少ないですが、Raw現像では結構残ってます。

ここでは明るい青を取り上げましたが、緑あたりもノイズの出方がかなり違います。


次は偽色です。

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方眼の部分を見れば一目瞭然ですが、Raw現像のほうが偽色が強いですね。カメラ内では、明らかになんらかの偽色除去が作用しております。推測するに、上でも書いているエッジ検出型のCbCr変調ではないかと思うのですが、どうなんでしょう。

で、問題は、Raw現像で、カメラ内で行われている処理がそのまま実現できるのか? 具体的には、偽色などをカメラ内JPEG並に落とせるのか? という点です。

色ノイズ(上で上げた青)は、現像ソフト側にも「ノイズ除去」という機能があり、試してみたところカメラ内とほぼ同じかそれ以上に強力(レベル調整可能)なノイズリダクションがあるので大丈夫なのですが、偽色については、なんかですね、今あるRaw現像ソフトでは、できそうにないんです(Epson Raw Plugin 1.01)。

これはあくまでも私の推測ですが、きっとあの偽色処理は、輝度信号からエッジ部を検出して、色差(CbCr)をエッジ強度で変調するというような原理ではないかと思うのですが、これが、ベイヤーのRGBGから、フォトショップに渡すRGBの信号経路上では処理を入れる場所が見つからなかった? のではないかと。もちろん入れれば入れられるのですが、一旦YUVにしたくなかったんではないかなぁ。JPEGにするときには、圧縮エンジンでYとCbCrをわけますから、ここでやるのが効率よいし画質への影響も最小限で済みますから。
じゃぁ、偽色除去はベイヤーのRGBGレベルでやればいいのにとは思いますが、そこまで手が回らなかった?! う〜〜ん、わかりません。

でもね、Epson Photolierで現像すると、そのままJPEGに落ちますが、これでも偽色除去はできそうにないんですね(Epson Photolier 1.01)。

というわけで、偽色の件については、カメラ内の偽色除去はちょっと強すぎな感じもしますが(青の輪郭の色抜けなど)、カメラ内で処理する・・・JPEGで撮るほうが断然いい感じですね。しかしながら、自然な解像、情報量的には偽色があるのが本当の絵なわけですので、素材性がより高く、少しでも情報量の多い絵を求めたい場合は、Rawで撮れってことになります。

どっちがどうだっていう問題ではなく、選択できるオプションの性能をちゃんと把握した上で、自分の用途に応じた使い分けをすればいいわけです。

じゃぁ私の場合はどうするのかと言うと、JPEGで撮ります ^^)。だってRawは現像めんどくさいし、ハードディスクいくらあっても足りないし、いろんなレンズあるから多少強すぎでも偽色除去効いたほうが嬉しいし。

さてみなさんは、どうでしょう?

他にもちょっと使ってみて、たくさん気が付いた、言及したい、謎な点があるのですが、それらはまた後日ということで・・・
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