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ずまあるでお散歩

2004年11月2日 青木 康雄 / master@kani.com
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いやぁ、あんまりお天気がよいもんだから、夕方ちょいと郵便をポストに投函がてら、R-D1もってお散歩してきました。

今日のレンズは、戦前のノンコーティングのSumma f=5cm 1:2。製造番号は36万台なので、1937年製。
レンズの状態は、ちょっと・・・だいぶ風化が進んでいるかなぁ・・・って感じで、前玉拭き傷結構多し、また、中玉に、うっすらですが曇りがあるかなぁってところ。なんせ、昔のものだから仕方ありません。
いくらライツだと言っても、ノンコートレンズでしかも風化のハンディを負ったこのレンズを、この太陽光さんさんな真昼間に持ち出すのはあまりにも無謀。しかし、無謀覚悟で持ち出す分には、それはそれは楽しいお散歩なのです。

同一ショットが2駒あるものは、F2.2とF6.3で写したもの。開放付近と絞ったときの描写の違いをお楽しみください。

さすがにオリジナル画像ばかり上げているとサーバ容量が危険なので、今回は、H(JPEG)/AWB Auto/AEで撮影したオリジナル画像を、Photoshop CSで縦横半分の 1504 x 1000 Pixelに縮小だけしました。どうせ縮小するので、縦構図の写真は、回転させてあります。
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なんとなくもやっている感じがするのは、ノンコーティングであることだけでなく、レンズの状態があまりよいとは言えないことにも起因すると思われます。F2.2の絵は、なんだかピントが合ってないで合っている、合っているようで合ってなさそうな、いい感じの中途半端さです。こういう描写、結構好きなんですよね、私。

こっちの下のほうに、ズミクロンで同じところを撮影した駒がありますが、比べてみると、どっかこう、同じ空気を感じるような気がします。でも、ずまあるのほうが、なんかこう、ぬめっとした感が強くって、これはこれで悪くないですよね。
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くぅ〜、ちょっと前ピンだったか。
昨晩自宅でちょっと飲みすぎたせいか、今日は眼のパワーがちょっと弱っていたんです。慎重に合焦させたつもりなのですが・・・
F6.3まで絞ると、ボケの感じも落ち着いて、シャープ感も向上、それでいてぬめっ感があって、なんとなくいい感じになりますね。
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子供の遊んだ跡かなぁ。公園内にあった謎の跡。
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私はSummarについてなんら評価できるだけの経験も知識もありませんが、こういうなんていうのか、ハイライト部がとてもまぶしい感じに写る描写がたいへん好きです。たんに滲んでいるだけと言われてしまえばそれまでなのですが、滲みかたに格調の高さを感じます。

こういう絵を見てしまうと、私の手元にあるものより、もっとオリジナルに近いSummarを入手して使ってみたいと思ってしまうのですが、程度のよいものはあまり無いし、あったとしてもそれこそ(私にとっては)とんでもない値段で、到底手出しできません。
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このへんの駒も、こっちの下のほうに、最新レンズであるコシナのフォクトレンダー、スナップショットスコパー25mmで同じようなところを写したものがあります。

比較しても仕方ないですが。
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この1枚だけ別のレンズで撮ったのでは? と思わせるほど豹変した描写の駒。一体どうしたんでしょう? 私はなにもしてません。F6.3です。いままでご紹介した駒の、絞ったほうと同じF値です。
もちろん同じずまあるですよ。

どういうタイミング・条件でこうなるのか、こういう突如意表をついたマジックを見せてくれるので、やめられません。
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