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2005年2月8日夕:「いやぁ〜、いそがしいっす」



なんと年が開け、一ヶ月も経つのに今頃新年第一弾のヨタ話更新。おかげさまでいや〜、忙しい身になったものです。

忙しいのはたいへんに嬉しいことです。それだけみなさまから期待されての、かにこむだってことなのですから。

みなさま、今後とも御贔屓によろしゅうです。

こんなときに限って・・・

以前にもヨタ話で書いたことあるような気がするのですが、私は、本業が忙しくなればなるほど、全然関係ない趣味のことをやり始めたりして、よけいに忙しくなる習性があります。

思うにこれは、視野が狭くならないように、おそらく自分で自分にかかっている無意識フィードバックのためだと思うのですが、とにかく、忙しい時間をやりくりしながら、無駄というか、なんというか、今やる必然性がまるで無いようなことに時間を割きます。不思議なことに、ほんとうに仕事が無くて暇なときなどは、なにもしないで「ぼけ〜」としていることが多く、そんなときにこそ趣味なり無駄なことなりすればいいと思うのですが、そういう暇なときには、何もする気が起きないのですね。

つうわけで最近着手している、今やる必然性がまるで無いようなことをひとつご紹介。

BGM用のオーディオシステム

話せば長いのですが、突然ラジオを作ろうと思ったのです。以前に、短波帯専用のたいへんに音のよいラジオを作った(これは本当に音が良くて今でも愛用中)ので、今度は中波専用の音のよいラジオを作ろうかなと。
で、せっかく自作中波ラジオなのだから、検波段には真空管使おうとか、低周波増幅部は、いまどきだからこそやっぱり2SB系のゲルマニュームトランジスタに、ST-32系のサンスイ出力変成器だよねとか、考えていたのです。
で、各セクションの評価を行う際、特に、低周波増幅部の性能を評価する際、音源がいるじゃないですか。発振器は持ってますけど、音楽なりなんなりのソースがやはり必要だ。測定器での数値は定量評価には必要ですが、実際は耳で音を聴くわけで、音楽ソースは重要です。



私がよく使う測定器達。ラックにあるのはほとんど高周波系で、オーディオで使うのはオシロぐらいかな。

一段目はHPのSGで、0.5MHzから1024MHzまで。
二段目はLEADER電子の100MHzアナログオシロ。
三段目はADVANTESTのスペアナ。3.5GHzまで。

机の上にちょこんと乗っているのが、オーディオ帯のオシレーター。ケンウッド製で、10Hzから1MHzまでの正弦波と矩形波を出せます。

あと、ここにないものとしてテスター類が数台と、自作した高周波系の測定器(インピーダンスメーター、Qメーター、インダクタンスメーター、ディップメーター、インピーダンスブリッジ、基準信号発生器等々)が10台ぐらい。


で、CDプレーヤーを使おうとしたのですが、私が持っているのは結構性能のよいHi-Fi用なので、これをテストソースに使うのはちょっと気が引ける。で、それこそ20年ぐらい前に買って、現在壊れているソニーの民生バージョン(ESでないもの)CDプレーヤーを実家から回収してきて、修理したのです。
修理つっても、ソニーの民生品によくある駆動系の時限爆弾的故障なので、そうたいしたものではありません。

で、修理完了したCDプレーヤー。連続稼動させてその安定性を調べようと思い、はじめはCDを入れて、たんに無音(アンプもなにもつなげずに)でループ再生させていただけだったのですが、せっかくだから、音も出したいじゃないですか。
でも、私が持っているアンプ〜スピーカーの再生系は、これまた結構Hi-Fiで、小さい音とは言え、リスニング目的でなく、ただ鳴らしているだけで使うにはちょっと気が引けるし、電力の無駄だし、低音が結構伸びているので夜なぞ近所迷惑だろうしで、ほんの思いつきで、小一時間ほどでミニミニアンプを作ってそのへんにあった小さいスピーカーにつなげてみたのです。電源は、単三電池を3本から6本ぐらい。デジカメの評価などで使ったあとの、デジカメでは動かなくなったけどまだまだエナジイ持っている電池が大量にありますので、これらを有効に電力源として活用です。

したらばこれが思いのほか、いい感じなのです。



お気に入りのミニミニアンプ。

386というオーディオ用ICで作った簡単構成。
手持ちの部品で作ったので、製作費ゼロだけど、新規で全部買ったとしても、三百円ぐらいで出来ちゃう。
そのへんにあった10cmフルレンジ(いまから20年以上昔(高校時代/たぶん1982年前後)に作った、フォステクスのFE-103を使ったモニター用スピーカー)をつなげれば、ディースカウのソロもいい色で響きます。
モノラル仕様なので、CDのラインは一応抵抗で電圧合成し、ステレオ信号をモノラル化してます。それがまたいいのかも。



まさにBGM的に、なんというか、鳴っているのですが特に気を引くわけでもなく、存在感あるでもなく、五月蝿いでもなく静かでもなく、空気のように漂ってる音って感じ。

すっかり気に入ってしまい、いまや毎日これのみで音楽聴いているって感じです。

386というICで作ったのですが、あまりに気に入ったのでこれの親分みたいな380で作ってみたり、また、トランジスタ1石のシングルでちゃんとバイアス計算してディスクリートで組んでみたりしたのですが、どうも386が一番上品でいい感じです。380は力強いのですが、ノイジーな感じで、好きになれない。なんか音の純度が低い感じがする。1石シングルはかなりいいのですが、1石A級なので出力20mWぐらい。BGM用に静かに鳴らすには問題ないですが、YMOのソリッドステートサバイバーみたいな曲をかけると、高レベルの低音が歪んじゃう。それはそれでいい味なのですが、電池の消耗も激しくすぐに電池が無くなっちゃうので、暇を出しました。



380は386の親分的なIC。でも、パワー出せる分、ちょっとノイジー。静かなBGM用には不向きかも。

元ラジオ少年の意地にかけて?!、ディスクリートでも組んでみた。1石シングルで、出力トランスは電源トランスの流用。
これまたいい感じで、アームストロングの声なぞ生き生きしているのだけど、ものによってはさすがに1石シングルでは出力が厳しい。


386ミニアンプも、出力はたぶん5V時で200mWかそんなもんですが、10cmフルレンジを8畳間で五月蝿いぐらいの音量で駆動することができるので全然充分です。普通の人が普通に聞くアンプ出力って、普通のスピーカーであればせいぜい500mWもあれば充分ですもの。

いままで、こういうお気楽ICオーディオアンプって、ラジオ組み込み用などで安いスピーカーにつなげて使うことはあっても、こういう比較的オーディオを意識したスピーカーでちゃんと鳴らしたことなかったな。結構というか、かなりいい音出しますね。発見発見。

電源が電池ってのも、純度を高めている要因かもしれないな。

ちなみに、デジカメで無くなった単三電池を4本駆動で、一日6時間ぐらい音楽鳴らして、4〜5日は持ちますね。


いい気になって、これまたそのへんに転がっていた、ずいぶん古い(古くなって交換したけど捨てるにはもったいないから取っておいたユニット)20cmフルレンジにつなげて鳴らしてみる。これがまた結構良く鳴るが、どうもBGMという主旨からは離れた音っぽい感じだ。悪くは無いが、10cmのあのささやくような感じがいいな。

消費電流は、待機(無音)時で2mA、音が出ている稼動時で、ざくっと15mAぐらい。無音時はあまりないので、平均15mAとしても、デジカメで動かなくなった単三電池でも、15x6x5=450mA/時程度の余力は残っているってことですかね。
我が家ではこのほかにも、デジカメで動かなくなった単三電池を時計に使ったり、テレビなどのリモコンに使ったりしてますが、それでも一年ぐらいは持ちますからね。結構残っているのでしょうね。

386は音がよいのは嬉しいのですが、やはり元ラジオ少年としては、ディスクリートでこれに対抗できるものを作りたい。1石シングルだとA級動作しかできないからどうしてもアイドル電流食うので、今度は2石でB級プッシュプルで挑戦したい。これなら、待機時1mAレベルで行けるだろう。うん。


さてと。仕事仕事。

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