ラテン車への道のり-その記録
2001.07.25
ラテン車に対する不安は、誰でももっているものと思います。私もそうでしたし、今でもそうです ^^)。が、たった一度の人生、日々仕事に追われ忙しく、会社ではトイレでほっと一息って人も少なくないでしょう。
家族持ちでマイカーを持っておられるみなさん! そして、ほんの少しでもラテン車がいいなって思っているみなさん! 車ぐらいは安全サイドにふりすぎないで、好きなもの、楽しいものを乗りましょう! もしそれが、ラテン車であったなら、『ほんのちょっぴりの勇気と全力を尽くしての家族の説得』で、実現できます。
週末は家族でドライブしたりお買い物。こんなパパ or ママも多いと思います。家族との楽しい思い出をラテン車と一緒に作りましょう。別にエンジンかからなくなっても、日本じゃぁ命取られる心配ありませんし。
買っちゃえばなんとかなりますって。
独身者は今のうちに直ちに買え〜。
2001年 7月15日
プリメーラオーナーになって3年半、半年前にもなんの躊躇もなく自動的に車検を通しました。もちろん、ラテン車のことなどまるで忘却の彼方、車の買い換えなんかぜんぜん考えてもないこの3年半。まさにカーライフ的には毎日がそのままなんの変化もなく安定幸せに過ぎ去っていたある日の出来事。
いままで全く故障らしい故障が無かった愛車のプリメーラですが、家族で日曜日午後のお買い物で横浜市港北区樽町のダイクマに行って、2Fのゲームコーナーで娘と一緒にお菓子のクレーンでばけつをひっくり返して満足し、帰りに近くのサミット(世田谷区深沢坂上店)に車で立ち寄ることにしました。いつものように駐車場に車を入れて、エンジン切ったら『うぎゅっ』という変な音。一旦車外に出て様子を見ると、電動アンテナが収納しきれずに途中で止まってます。『やばいっ!』。『まさかバッテリ死亡』という事態でないことを瞬間的に祈りつつ、エンジンスタートを試みます。が、スターターは『かち』とも言いません。かろうじておぼろげに光るインパネの警告灯類。『もしかしたらバッテリ端子の接触不良であるかもしれない』ことに最後の望みを託し、ボンネットオープンするも端子はこれでもかといわんばかりに完全にくっついてます。近隣の車に応援依頼してなにかあってもいやなので、仕方無しにJAFコール。
今年は例年にない酷暑続きの東京。この日も気温36度とかいう状況で、新車購入後3年半、一度も交換していなかったバッテリが暑さのせいもあり寿命尽きたということなのでしょう。JAFも出動要請パニックで私のアサインは1.5時間後とのこと。仕方がないのでそれまで深沢の図書館に行って家族で時間つぶしです。近くなので歩いていくも、途中、あまりの暑さでよたった娘は道路に転んで腕と足を擦りむき血まみれに。私と妻も汗だくになり。図書館で娘の応急手当をしてもらいながら私が考えたことは・・・・
『パパとして出先で壊れたりしないことを最優先に選んだ国産の新車であっても、止まる時は止まる。世の中形あるものはいつかは壊れる』。
という至極当たり前の概念であり、『バッテリ上がりが原因でかわいい我が娘も道ですっころんで血まみれだ。妻もこの暑さのなか、買い物スケジュールが混乱してしまったし。だったらラテン車買っても同じじゃないか』という、これまた至極当然に行き着く思考の流れでした(全然ちが〜う! の声は無視)。
このバッテリ上がり救出まちの1.5時間で私が考えたことは、
・確かにバッテリ上がりは車のせいだけでなく、俺のせい90%だろう。
・しかし今の車はなにかとブラックボックスで不調の前兆をつかみにくいよな。
・事実、いままでもバッテリ寿命で交換した車はあるけど、だいたいスタータの回転の仕方で「やばい」と思ってからでも交換間に合うよな。急に駄目になった経験は過去にないぞ。
・ところが今回は、ほんと突然、力つきだもんな。リスク管理云々以前の問題だ。
そして私がバッテリ上がり救出まちの1.5時間の後半で内心決意したことは、
・どうせ動かなくなる可能性があるなら、やっぱりラテン車を買おう(理論の著しい跳躍 ^^))。
・だって好きなんだもん。
・でもデルタはやっぱやめたほうがいいかもしれないから、テーマとかも視野に入れよう。
・そんなことより妻をどう説得する?
・中途半端に国産のある程度のレベルの車に乗ってしまったので、次買う車はいろいろ大変だぞ。
JAF到着し、電気もらって無事始動。その後そのままエンジン止めないで、R246瀬田にあるオートテックに行って、バッテリ交換しました。
その日の晩。
俺:『プリメーラも遂に走行不能になったね。車で走行不能は俺、初めての経験だよ』。
妻:『こないだ点検出したばっかなのに(先月半年点検したばっか)なんでもう壊れるのよねぇ』。
俺:『バッテリはなかなかわかりにくい部品であることは確かだ。それに最近こんなに暑いしね。でも、あまりに突然だったよなぁ。やっぱ最近の車はカーナビとかなんだとかで、電気使いすぎだし設計もかなり最適化されてて冗長性が無いから、ちょっと過負荷になると駄目になっちゃうんだろうね。前兆がつかめないね』(専門用語を多少ちりばめてランチア提案の前準備)。
妻:『なんだかよくわかんないけど、xxさんに文句言う!』(xxさんはディーラーの営業担当のひと)。
俺:『xxさんのせいじゃないよ。でもさぁ、結構俺こまめにメンテしているつもりだったんだけども、こんなに予告無しでトラブられちゃうと、信用できないよな。いまどきの車はコンピュータみたいに突然壊れちゃうのかもね』。
妻:『でもバッテリ買えたからもう大丈夫でしょ』(これはまずい展開だ。察知されたか?)。
俺:『でさ、二度とこんなことにならないようにさ、もっと自分で点検できる車に買い換えようかなぁ・・・』(そうとう無理な解釈ありだけど・・)。
妻:『え〜、やだ。プリメーラ好きだもん。かっこいいし。それにまたあのなんだっけ? 前に言ってたあのわけわかんない壊れる車買うとか言うんでしょ? 絶対やだ』。
俺:『でもさ、プリメーラだって走行不能になったんだぜ。それに、ランチアは、「壊れる車」じゃなくて、「壊れやすい車」なの』(自分でもなにを言っているかわからない)。
妻:『ど〜でもいいけど、いや』。
俺:『唯はさ、パパが新しい車買ったらいいと思う?』
唯:『いいよ。でも、プリメーラどうするの?』
俺:『新しい車と交換で、なくなっちゃうの』(面倒なので買い取りとか説明しないで現象のみ報告)。
唯:『・・・・・ やだ〜、やだ〜』(突然泣き出す)。
娘にとっては生後半年からずっとこの車に乗っているので、なおさら愛着があるのでしょう。新しい車が増えるのはいいけど、プリメーラがなくなるのはとってもイヤだとのことみたい。
あまり深追いしてもイケナイので、初日の意思表明はこのぐらいにとどめておき、今日の戦いは終了。
2001年 7月20日
今日は海の日で家族全員お休みなので、いつものように家族でお買い物(つってもほんとに買い物しているわけでなく、暇つぶしに川崎のイトーヨーカ堂とかダイクマに行ってくるだけ。金かかんないでいいのよね)。
今日も朝から快晴で、まさに灼熱の真夏日。
俺:『今日はさ、もしか将来エアコンが効きにくい車を買った場合どうなるかを想定して、エアコン使わないで車乗ってみない?』
妻:『エアコン効かない車ってなによ。そんなのパパが耐えられるわけないでしょ!』(私は暑さにめちゃくちゃ弱いのであった)。
唯:『窓あけて走るの? わぁ〜、おそとがよく見えるねぇ〜』(喜んでいる)。
妻:『私もエアコンはあまり好きでないからエアコン無しはいいけど、そんな車はイヤ』。
酷暑の真っ昼間に家族一同乗車の上、窓全開で走行するプリメーラ。
俺:『いや〜あち〜なぁ。しかし夏は暑いよね。エアコン無いってのも風情があっていいねぇ』。
妻:『・・・・・・・・・・・・』
唯:『おそとがよ〜く見えるよぉ〜。人がこっち見てるよぉ(手を振ったりしてる)』。
2001年 7月21日
インターネットの検索エンジンで、『ランチア 故障』とかのキーワードを並べて検索かけると出るわ出るわ ^^)。デルタ修理費用x年でxxx万円とか、年間100万円は最低ラインとか、自宅にあるより整備工場に居るときのほうが長いので駐車場を再検討しているとか、それはそれは楽しそうな大変そうな情報であふれかえる。
『いくらなんでも、家族をこんな悲劇に巻き込むわけには行かないなぁ。』
と、さすがの私も多少正気になります。が、一方でテーマはそれに比べればかなり壊れない車であることもわかりました。
フェラーリエンジン搭載の8.32つうのもそれなりに魅力的ではありますが、FFであるという点がちょっとひっかかるなぁ。と、やっぱランチアはデルタだなぁなどという思いもあり、悩みます。とはいえ、やっぱファミリアぐらいの車だったベースに、2000ccインタークーラーターボで4WDつうのも、そもそも無理に決まっているよなぁ。とか、頭のなかはけっこうめちゃくちゃ。で、テーマの情報も真剣に集めはじめる。相場はほんと、いろいろだけど、8.32で150万円ぐらいからって感じ。けど、8.32自体があまり玉数ないようで、しかも、やっぱ8.32でも東京の夏でエアコン使おうと思うと、コア増しラジエターに強制廃熱ファン増設とかしないといけないらしく、そもそも難しいかなぁなどと、悩み悩む。
このころから、私の気持ちが本気であることを妻に理解してもらうためにも、カーセンサー攻撃を始めます。
カーセンサーのラテン車扱いの店の頁を開いて、
俺:『このなかの車でどれかって言われたらどれがいい?』。
妻:『なにこれ・・・・・。プリメーラがいい。ぁあプリメーラ』。
俺:『俺もプリメーラは好きだけど、仮にこの中の車でって言われたら?』
妻:『やだ』。
唯:『ゆいはね、これとこれがすき〜』(フィアット・プントとバルケッタを指さしている)。
・・・・・・・・・・・・・・・・
ある程度は予想していた展開なので、今日の戦いはこのぐらいにして、カーセンサーを居間のテーブルの上においたままにしておきます(ちゃんとラテン車の広告のところに折り目を付けて)。もしかしたら妻が一人でいる時に見るかもしれないかもなぁなんてね。
2001年 7月22日
とはいえやはり、両手をあげて賛成してくれるわけもないので、最後は無理矢理説得泣き落としで買うしかないでしょう。が、そんな状況で買った車で、家族ドライブの最中に故障走行不能炎天下でJAF待ちなんてことになったら、そりゃもう目も当てられません。そういう状況に少しでもなりにくいようにするにはどうすればいいのか? まさにリスク管理ですね。そのためにははやり、なんとかして家族満場一致の賛成決議に持ち込まねばなりません。決して強引な強行採決は駄目です。かならずあとあとしこりを残します。一方で、やっぱランチアは無理かなぁ。けど、今のままじゃ車の運転がほんとにただの移動手段で面白くないしなぁ。限られた人生たとえ車の運転中でも充実していたいしなぁ・・・家族で楽しい思い出(決して故障とかで無し)をラテン車とともに作れたら楽しいなぁ・・・などと考えつつ、webをつらつら検索し渡り歩いていると、あるwebで一台のイタリア車に行き着きました。それは・・・・
アルファロメオ 75T.S
いままでアルファロメオに乗りたいなんて一度も思ったことありません。以前より、随分変わったデザインの車だよなぁ。さすがイタリアだよなぁ。などと思っていた程度です。しかし、そのこだわりの設計やトランスアスクルという、なんでそんなことまでして・・・と、思わざるを得ないほどの仕様など、調べれば調べるほどユニークで興味深いです。ランチアに同じイタリアの車。いまどき貴重なFR。デルタよりも圧倒的に壊れにくそうなこと(事実、webで調べてみてもあまり致命的な故障報告は無い)。維持費的にもなんとかなりそうかもしれないことなどを知って、気持ちは一気に75T.Sです。
このころより、妻への説得も方向修正です。
俺:『やっぱりランチアはさ、たとえテーマであってもやっぱ壊れやすいからさぁ、やめとこうかな』。
妻:『うんうん』。
俺:『でさ、こんな車どう思う?』(カーセンサーの)。
妻:『なにこれ。なんでいつもこうおかしなのばっか好きになるの?』
俺:『やっぱりラテンは赤だよなぁ。情熱の赤。いいねぇ〜』。
妻:『へんなかっこ。こんなのやだ』。
俺:『赤じゃなくって、ロッソアルファっていうんだ。かっこい〜』。
妻:『これなんて車?』
俺:『アルファロメオ。ひじょ〜に職人気質な車ばかり作っているイタリアの名門メーカーだよ』。
妻:『またイタリア。壊れないの?』。
俺:『いいかよく聞け。形があって壊れない工業製品などあり得ない。現に、300万円も出して新車で買ったプリメーラだって動かなくなったじゃないの(あれはちょっと事情が違うがこの際説得なので・・・)。壊れないものを求めるのでは無く、壊れるものを事前に察知して対応する、そして、もしも壊れた時のために備えて、壊れた時にどうすればいいかの準備対策を行っていくことが重要だと俺は思う。いまどきの車はボンネット開けてもほとんどなんにも手を入れることができず、かつ、手を入れられるような場所はどこも壊れにくいような場所ばっかだ。いうなればブラックボックス化がかなり進行していて、故障の前兆症状も感じにくい。ところがこういう(75T.Sを指して)昔のアナログな車は、どっかから異音がしたり、なんかへんになったり、故障の前兆があることが少なくない。だから、事前に故障の発生をある程度把握できると思うんだよね。それに俺、機械ものは結構こまめに面倒見るほうだから、それほど致命的なトラブルはあまりおきないと思うよ。』(あまり・・・というのがちょっと弱いかもしれないけど、嘘は付けないので仕方ない)。
妻:『なんで急にアルファロメオなのよ』。
俺:『だってランチアより壊れなさそうだし、車内も広そうだし、いまでも実用に充分耐えるよ。それに走るためのこだわりはランチア同様すごいものがある。なんでイタリアでこんな車が作れるのか不思議だ。いや、こんな車イタリアでしか作れない。とにかくすごい車であることに違いは無いのだ』。
妻:『なんでそういつも突然なのかねぇ。どうしてイタリアの車なのよ?』(実はこの質問、何度もされてる)。
俺:『小さいころからの憧れ、男のロマン、熱くおおらかなラテンの感覚がいいねぇ〜。ほんと、乗ったことないからあまり言えないけど、乗っているだけで楽しそうだよね。昔は絶対買えないと思っていてほんとにただの憧れだったけど、最近値段もこなれてようやく無理すれば持てるようになってきた。素晴らしいことじゃないか。娘も四歳になったことだし、少々のことには耐えうるだろう。今こそラテン車に乗る時期だと思うんだ。今乗らないともう乗れない。いや、俺は今、ラテン車に乗らなければならないんだよ。それが俺の運命なのかもしれない(狭い部屋だが無理矢理遠くを見る)。世の中理屈では説明できないことってあるだろ? わかってくれ〜』。
唯:『ゆいはね、これとこれがすき〜』(またフィアット・プントとバルケッタを指さしている。どうも娘はフィアットが好きなようです)。
2001年 7月23日
妻の態度に著しい変化があらわれました。どうやらカーセンサーを昼間に見たのかもしれません ^^)
いつものごとく、『どれがいい』攻撃をすると・・・
妻:『フェラーリかこれ(シトロエンBX)はかっこいいね』
フェラーリ328GTBとシトロエンBX。値段が二桁ぐらい違いかねないほどの差のあるチョイスであるが、多少でも興味持ってくれたことは多いなる前進です。『フェラーリねぇ、そりゃ、マンション買う気になれば借金してでも買えないことは無いかもしれないけどさぁ、買ったあとにも相応のお金がかかるからまるで無理だよ。シロトエンなら世話できるかもしれないけどさぁ、ちょっと違うんだよね。BXは俺も好きな車だけど、ちょっと今乗るべきものでもないようなねぇ』。もちろん妻も本気でチョイスしているとは思いませんが、いちおう、真剣に答えます。
唯:『ゆいはね、これとこれがすき〜』(もうわかったわかった ^^))。
今日は一気に勝負をかけることにします。
夜、寝る前。
俺:『俺は学生のころ、将来すてきな女性と巡り会って、幸せな家庭を持つことが夢だった。そして、それは、君のおかげもあって実現できたと今は思っている』。
妻:『なによ急に』(警戒モード)。
俺:『(天井を見つめながら)学生のころ、実はもう一つ夢があった。それは、将来デルタに乗ることだった。それはそれはすごかったんだよ。WRCという市販車ベースの車で山道を激走するレースがあってさ、TVでよく夜中放映されたんで見ていたんだけども、もう人間業とは思えない運転技術で、デルタがまさに生き物のように滑りながら峠のコーナーをそれは見事にクリアしていくんだ。俺、車好きで当時ジェミニイルムシャーで山道走ったりしてたんだけども、デルタの走りをTVで見るとすごくこう、身体が熱くなって血が煮えたぎるようなパワーがこみ上げてきてねぇ。モンテカルロにあるチュリニ峠ってところがコースであるんだけど、よく路面が凍結するんだよね。凍結路面を滑るようにクリアしていくデルタのシーンが脳裏に焼き付いて離れないよなぁ。俺もいつかは走ってみたいなぁ』。
妻:『なんか前に、やっぱ学生のころの夢とか言って、へんな昔のラジオ(注:コリンズの51S-1です)25万円も出して買ったり、へんなカメラ(注:昔の二眼レフとかM3ライカのレンズだったりいろいろ・・・)買ったりしてたよねぇ』。
俺:『カメラは結婚前の話だろ? まぁいいや。そうなんだよ。夢はいろいろあるんだけども、いまはラテン車なんだよ。で、そんなに憧れのデルタなんだけど、これはやっぱ実用性に疑問符付けきれないぐらいな感じであることも確かだから、また夢のまましまっておこうと思うんだ。だからさ、今度アルファロメオどんな車かみんなで見に行こうよ。ね、ね。ね』。
ほんとはある程度購入OKの事前承認程度までは持っていこうと思ったけど、後半手の内読まれた気がしたので、ちょっと引いてまずは実車に触らせるまでにしようということで・・・・
2001年 7月24日
7月25日から2泊で西伊豆土肥温泉に夏休みの旅行に行く予定なのだ。
今乗っているプリメーラがいったいいくらぐらいなのか相場を知るために(すでに売却モード)、カーセンサーなどで中古の販売価格を見てみるが、1.8とか普通の2.0はあるけど、私の乗っている2.0Te-Vという2WD最強グレードはなかなか見つからないです。確かに買う時にも、ディーラの営業マンさんですら『プリメーラで300万円超える見積はきわめてまれですねぇ。これならもうワンランク上のクラス買えますから』と言われました。だって、買う時は、もう安全運転平穏無事のことなかれカーライフパパになる予定だったんで、どうせなら最強エンジンのグレードを買おうと思って。まさかこんなに早く売ることになるとは当時思いもしなかったからなぁ。
で、isizeのオンライン査定依頼を何社か、昨晩に頼んでおいたのだが、その返信が今日、ぽちぽちあった。
場所により差があるが、下は65万円、上は95万円。
なんか感覚的に95万つうのは信憑性なさそうな(気を引くためか?)高額査定だと思うけども、295万円が、3.5年で65万かぁ。まぁそんなもんかもしれないなぁ。けども、せっかく大事に乗ってきたんだし、手厚いメンテもしてきたつもりだし、オプションも結構装備しているから、せめて85万円は行って欲しいなぁ。気持ち的にはかなりもったいない感じがして急に売るのをためらい出したりしたけど、まさか2台持つなんて絶対無理だし、かと言って、今買わないとたぶんもう買えない(私を取り巻く状況的にも決心的にも)ラテン車かもしれないことを考えると、プリメーラちゃんには申し訳ないけども、せめて少しでも高く売るためにもう少し調査研究することにしました。
一方で、75T.S出会いのきっかけとなった、ロッソコルサさんに、どんなお店なのか、対応はどうか? の雰囲気を知るためにも、75T.Sについての質問をメールで投げました。なんせ、まだ一回も実車を見たことない75T.Sなので、きわめて主観的な自分でもおバカな質問だなぁと思える内容なんだけども、初心者というものはいつもそういうものなのだと思います(開き直り)。右も左もわからないので、取りあえずは、右にあるもの、左にあるものを質問するしかありません。
2001年 7月28日
なんと土肥温泉ではPHSが圏外で、メールチェックできませんでした。
で、帰りに東名上り足柄ICで早速メールチェックすると、質問した翌日にはロッソコルサ店長の吉富さんからたいへん情熱のこもった返信をいただいておりました。全部で158行にも及ぶその返信の内容は、イタリア車に対する店長の思い入れと、初心者への配慮を感じるまさに生きたコメント。普通の人がこれを読んだらびびっていきなり購入をあきらめるかもしれませんが、国産車はもとより、独車とか英国車と同じ感覚で10年落ちのイタリア車を買おうものなら、ひどい目にあってお互い不幸になるし、車もかわいそうなので腹くくる覚悟あるか? というような内容です。
『メ−ルのやり取りでは1パ−セントも伝えられません。』
『出きればこちらへいらっしゃっていただけますか?』
そして最後に、
『本気で75T.Sに乗りたいと思っていらっしゃるのなら一度、ご連絡を下さい。』
自宅に戻ったのがもう夜だったので、電話でなくメールで、取り急ぎ返信を打つ。
2001年 7月29日
午前中にロッソコルサ店長の吉富さんに電話しました。
実車を見てみたい旨話すと、『いきなり今日だとウチも狭いんでね、車の手配が間に合わなくて。夕方ならなんとかしますよ』。家族みんなでロッソコルサさんに夕方5時すぎにお邪魔することに。
電話口でも店長の情熱は充分伝わってきます。メール同様、今の車と同じ感覚で乗れるものでは無い。外車と言っても独車とか英国車と同じ感覚でもぜんぜん無理。デルタに比べりゃそりゃ壊れにくいけど、それでもイタリア車だからね、世間で言うほど壊れるものじゃないけど、やっぱ壊れるときは壊れるし、走行不能になる。それでもラテン車に乗りたいかどうか。最後はあなた自身の問題だよ。
さすがの私も一瞬、3年半前に心に無理矢理思い描いて、そのときはラテン車を無理矢理あきらめることにした『泣きじゃくる娘(ただし今回は四歳)の姿と不機嫌大王と化し、その場に無言でたたずむ妻の姿があるさわやかな高原シーン』が再度脳裏をよぎります。が、今回はひるみません。私はラテンの車に乗って楽しいラテン車ライフを送りたいのです!
それからと言うモノ、もう今日は全然落ち着きません。なんかそわそわしているような、結婚の次ぐらいに重要な人生の一大決心をするきっかけになる日になりそうな、たかが車一台といえどもなんせラテン車です。今後のカーライフに莫大な影響を与えかねません。もうどきどきです。
夕方4時すぎに自宅を出発。道中も緊張しまくりです。なんかとんでもないことをしようとしているような、一方で、大丈夫だよ。かっちまえばなんとかなるよという楽観的な見方がお互い入り乱れます。
さすがの妻もそんな私の様子を察したのか、『のどが渇いたんで途中のコンビニでなにかコーヒーでも買って飲もうよ』。
コーヒー飲んで気を落ち着けて、一路ロッソコルサへ。
到着すると、ありました、ありました。真っ赤なすてきな75T.Sが。が、誰か他のひとが、偶然にも75T.Sを探しに来られたとのことで、すでにお店のかたとお話されてます。で、我々はスタッフの三澤さんに、いろいろなサジェッションを受け、また、いろんな話をして試乗を待ちます。
ところが先に試乗に出た誰か他のひとさんがなかなか戻ってきません。三澤さんが『まさか壊れたわけじゃないよなぁ』とつぶやきます。半分以上本気で心配になっちゃうので冗談ではありません。娘は『まだ来ないのかなぁ』とイライラ。そんな娘を三澤さんは、謎の羊のキーホルダーであやしながら上手に遊んでくれてます。
唯:『あ、ゆいのすきな車だぁ』(プントが偶然、道を走っていく。我が娘、ちゃんと識別しているようだ ^^))。
ようやく戻ってきました。
はじめは助手席にのり、三澤さんのドライビングで走ります。広い道に出たところで、私に運転を代わります。うまれてはじめての左ハンドル車の運転です。不思議とここまで来ると全然緊張してないどころか、早く半クラしたくてたまりません。
いよいよ発進です。
・乗った感じは違和感無し。シフトレバーがちょっと遠い感じだけど、プリメーラほどでは無い。シートの感じも悪くない。
・クラッチは、重くなく軽くなくで、すごく自然な感じ。普通に発進できた。つながった瞬間、顔がにやけてしまった。なんというか、こう、にやけまくり ^^)
・シフトフィールは、ちょっとぶにゃって感じでストロークも長め。トランスアスクルはこんな感じが普通とのこと。
・シフトアップは、慣れが要るかも。ちょっとエキサイティングになって『すぱっ』って感じでチェンジすると、ギアが鳴く(はじかれる)。ダブルクラッチほどでないにしても、気持ちそんな感じでアップすれば大丈夫。
・シフトダウンもアップ同様気を遣うけど、これも慣れの範疇と判断。
・ハンドルはかなりクイックレスポンス。とてもいい。
・ブレーキの効きが違いすぎ。はじめは全然効かないけど、踏めば踏むだけ効くって感じ。でもやっぱ効かないねぇ〜。こんなもんだとのことなので、こんなもんなのだろう。これも慣れか? エンブレ必須だな。慣れれば制御はしやすそう。プリメーラのブレーキが、はじめからすごく効くけど思い切り踏んでもあまり効きが変わらないのとは正反対。
・心配だった左ハンドルは、ほんとすぐに慣れた。車両感覚もあまり問題無し。問題があったのはシフトチェンジ時の手の動き。ついつい左手がレバーを探してしまう。自分で笑っちゃうとはこのことだ。
・様子を見てみると、妻もこれならまぁなんとかOKっぽい感じだ。
試乗の印象は、久しぶりに運転という行為からわくわくするものを感じたという感じで、試乗中に、もうすっかりこれを買うつもりになっていたぐらいな感じです。
今日は夜、家の近所の中町商店街の盆踊りに家族そろって行くことにしていたので(特に娘が楽しみに・・・)、試乗終わるやいなや『今日はこれから盆踊りに行くんで・・・』と話し、取り急ぎ見積だけもらって早々に退散。『明日電話しますね〜』。
帰りの車中にて。
俺:『素晴らしい。実に素晴らしい車だった。う〜ん、よかったなぁ。全部で120万円ちょいだから、プリメーラ売れば少し出せば問題なく買えるね』。
妻:『あれラジオ鳴るのかなぁ』。
俺:『どうだった? あれなら車内広いし、4ドアだし、内装もきれいだったし、いいと思わない?』
妻:『サンルーフの前にあたりの屋根の塗装がはげてたけど、あれなに?』
俺:『唯はどう? あの赤い車、かっこいいよね。あれパパが買ったらいいと思う?』。
唯:『パパあれかっこいいよ。唯はいいよ』(娘は説得OK ^^))。
俺:『いいなぁ。なんかさ、こう、「運転してる」って充実感あるね、たったあれだけの運転でもさ』。
妻:『だからあのサンルーフの前のはげはげはなによ?』
俺:『まぁ走行に支障は無いんじゃないか?』
妻:『デルタで無くていいの? アルファロメオで』。
俺:『デルタもそりゃかっこいいけど、一台しかもてない人間が買える車じゃないしね。将来大金持ちで暇になったら、買うことにした(完全に不可能な前提条件だ)』。
妻:『ラジオ鳴らなかったらどうする?』
俺:『CDラジカセ持って乗れば大丈夫だよ。そうすりゃCDもカセットも聴けるぜ。』。
妻:『サンルーフって壊れるの?』
俺:『壊れたら使わなければいいんだよ。走りには影響ないし』。
妻:『思っていたほどへんな車じゃ無かったな。デルタはごてごてしてて絶対ヤだけど』。
俺:『うん。あれ、買う。買う。買うぞ。どうする?』
妻:『あの車で満足なの? ならば私はいいわよ。早く電話したほうがいいんじゃない? 先に誰かに買われちゃうかもよ』。
やった〜ぁ。これで晴れて家族円満満場一致の意見で、我が家にアルファロメオ75T.Sが来ることができる状態になったのでありました。
となれば善は急げで、ロッソコルサへ電話するも、すでに誰も出ない。もうみんな帰ったのか? さすがラテンの店だ。明日朝いちで電話することにしよう。
しかし、300万円で買ってまだ3年半、車検が1年半残っているプリメーラを手放し、しかもさらにお金を出して、11年落ちのしかもイタ車を買う。冷静に考えれば普通じゃないのかもしれないけど、車になにを求めるかの問題、最終的にはほんと、乗る人自身の問題、これこそ価値観ってやつだよな。
2001年 7月30日
朝9時55分。ロッソコルサ開店5分前。いくらラテンの店でももうスタッフ出社しているだろうということで電話しました。三澤さんに取り次いでもらいます。
俺:『青木です。昨日はどうもありがとうございました』。
三:『こちらこそ、わざわざお越しいただきまして・・・』
俺:『昨日乗せていただいた75T.Sなんですけど、買います!』
三:『ありがとうございます!』
・・・数秒の静けさ・・・
こんな感じの会話をしたようなおぼろげな記憶があります。あまりよく覚えてません。
で、取りあえず本日午後に申し込み金20万円を持って、契約書を交わしに再度お邪魔することに。
ほぼ約束の時間にロッソコルサさん到着。今日はみなさん2Fのオフィスに居るようで、1Fのガレージと車置き場には誰もおりません。
階段を上っていきます。すたすたすたすた・・・
扉をノックして、『こんちは〜青木で〜す』。
元気のよい店長さん、『昨日はどうも〜』で、いきなり一言。
『奥さん説得できました?』
私が指でオッケーサインをすると、拍手しながら『お〜よかったよかった』。『最後にクリアしないといけない最大の難関は奥さんか彼女だからね〜』と、店長の吉富さん。
契約締結ならびに申し込み金をおいて、領収書もらって、ついに私の75T.S納車プロジェクトが始動しました。
三澤さん、『昨日盆踊り間に合いました?』
娘へのおみやげってことで、今度は謎の豚のキーホルダーをもらいました。
いまから正味1週間〜10日分ぐらいの納車整備を開始し、お盆休み挟む関係で納車は9月頭ごろになるとのこと。
う〜待ち遠しすぎるっ。
2001年 8月 2日
ここ数日、あちこちの買い取りショップにwebからオンライン査定申し込みしたりしていたが、一昨日の夜9時半に、ガリバーさんが無料査定に我が家にやってきた。小一時間いろいろ話をしたけど、私のプリメーラ、来週月曜日に引き取り(代車用意)で、65万円とのことでした。こんなものなのかなぁ・・・・
メールの返信では、90万円ぐらいの値段を言って来ているところもあるが、市場構造からしてそう店によって買い取り相場に差があるとも思えず、webで調べてみたらやはり思った通りでした。ある買い取りレポートの頁で、メール返信では65万と言われたけど見てもらったら言われ無き難癖付けられ30万だった二度とあんなとこ頼まないとか、そんな感じらしい。
というわけで、実は一昨日ガリバーさん帰った夜、いちおう念のためにラビッツのwebからもオンライン査定申し込みしてみたところ、今日の午後電話がありました。
いろいろ話してみると、ラビッツさんでの私のプリメーラ基本価格は50万円ぐらい。あとは状態によって60万ぐらいまでになるかもしれないということだけど、そう考えると、買い取り相場は60万円前後ってところかな?
代車用意してもらえて65万円というガリバーは、よい条件なのかもしれない。
けどまぁ、こうして値段がなかなか出ないとさ、ほんとお盆明けに仕切直してもいいような気がしてきたよ。
そして夜。
実は昼間にこないだ来てくれたガリバーの営業さんに、やっぱお盆明けに仕切直す旨話そうと思い、オフィスに電話すると接客中だってことで女性の取り次ぎで折り返し電話くれと伝えました。ところが夕方過ぎても電話が来ない。20時すぎに留守電が入ってました。また連絡するとのことでしたが、なんだか一昨日の夜の熱心さから考えると、もうあきらめちゃったの? って感じ。ま、いちお、私からも電話したんだし、これ以上こちらからコンタクトは取らないでも義理は果たしたと考ていいでしょう。ね、ね。
つうわけで、オンラインで申し込んでメールで返信が来る無料査定は手間もかからないし、情報は少しでも多いほうがよいしで、さっきまた、モータートレードというところのwebからフォームで申し込んでみました。
やっぱ盆あけに、もう売ってもよい体制(住民票、印鑑証明、印鑑持って)で、ぱぱっと回るのがいいのかもな。
ラテンな車とラテンな日々へ。