2006年12月6日
かにこむ 青木
シリコンダイオードの順方向電圧降下は約0.6Vと言われているが、個体間のばらつき含めて自分でちゃんと測定してみたことなかったので測定してみることに。
ついでに、ゲルマニュームダイオードの特性も測ってみる。
●測定方法
部品箱から無作為にシリコン(10D-1相当)、ゲルマ(1N60相当)ダイオードをそれぞれ四つほど取り出す。
以下のように接続し、通過電流を測定してそのときの各ダイオードのカソード電圧を測定し、あとから減算していって一個あたりの電圧降下を求める。
+---------- [+] 可変安定化電源 [-] ----------+ | | | D1 D2 D3 D4 1.5Kオーム | +--->|---->|---->|---->|----WWWW----[mA計]---+ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 測定点 G A B C D D1電圧降下:A - G [V] D2電圧降下:B - A [V] ・ ・ 印加電圧を可変して、通過電流を変化させる。
考察:
当然とはいえ、ゲルマのほうがばらつきが大きいことを改めて確認。ばらつきは電圧降下だけでなく、通過電流に対する降下率(カーブ)にも影響あり。また、定電圧特性はあまり期待できない。
シリコンは(当然)ばらつきは少ないが、通過電流に対する降下率も個体差ほとんど無し。
今回、終段SEPP段のスイッチング歪解消用にダイオードでバイアス電圧を生成しているのであるが、この測定を行うまで実はゲルマダイオードでバイアス生成していたってことは内緒だ。即、シリコンに変更。
ただ、今回の回路の場合、ドライブ段の2SK170ドレイン電流を4mAとしているので、電圧降下がシリコンで0.66Vぐらい、ゲルマで0.55Vぐらい。シリコンだとちょっと電圧高いんだよなぁ・・・しかしゲルマでバイアス電圧発生した場合、増幅信号波形のプラス側ではA級に近い動作になり、マイナス側ではB級に近い動作になるというわけのわからない状態になってしまっていいわけがない。
バイアス電圧が深くなると終段アイドル電流が増えて動作としてはよりA級よりになる。
電池寿命の問題はあるが、そう一気に増えることもないだろう。計算では 5mA程度増加して終段アイドルが13mAぐらいになるのか? ま、いっか。でもこんなに終段に流していたら、通常出力では動作は、ほぼ全域A級範囲内だな。電池駆動にしては贅沢すぎかも。
コンデンサや抵抗等の部品の歪率を測定してみた。
測定方法は省略。低周波発振器からの出力を直に使って、部品を通して出てきた信号をWaveSpectraで測定。サンプリングはオンキョーのSE-U33GX。負荷を100オームと1Kオームの二通りで測定。
結果はこちら。
(我が家の環境では)測定限界性能がかなり低いので参考程度以下ととらえるべき結果であるが、とはいえ、ざくっとまとめると以下のことが言えると思う。