作成:2008年 1月11日
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灯台放送(船舶気象通報) / 海上交通情報の受信証(ベリカード)

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灯台放送(船舶気象通報) / 海上交通情報がどんなものなのかってことについては海上保安庁のWebを見ていただくか、Googleで検索されてください。詳しい解説が沢山あります。

Googleで灯台放送を検索
Googleで海上交通情報を検索
Googleで船舶気象通報を検索

中波放送帯のちょびっと上、1665KHzや1670.5KHzで放送している業務局です。

大雑把に説明しますと、海上交通情報は、港や湾にある海上交通センターから放送される海上交通に関する情報の放送で、1665KHzで放送しています。放送時間は毎日定時で局により異なりますが、例えば 東京マーチス ですと、毎時00分と毎時30分から、それぞれ15分間以内で放送しています。海上交通情報については、局により24時間定時放送だったり、昼間の偶数時間だけ定時放送だったりといろいろです。

船舶気象通報は日本全国にある灯台から、周波数1670.5KHz(1669KHzがよく聴こえる)で、その灯台で観測された気象データを音声で放送しているものです。毎日24時間、各灯台が持ち回りで毎時1回、持ち時間2分間ぐらいで放送しているものです。灯台から放送されるので、灯台放送とも呼ばれます。
各局出力は50W程度のもので、しかも中波帯のほんの上の周波数ですから日中は地表伝播しか期待できません。よって、日中は超近距離でしか受信できないと思われますが、夜間〜早朝にかけて、電離層反射で日本全国の灯台放送を受信することができます。

放送内容は、その灯台で観測された気象データのうち、天気、気圧、風向、風速、波、うねりなどで、局により多少の違いがあります。

海上交通情報や灯台放送、こんなもん聴いてなにが面白いのか? と思われるかもしれませんが、これがまた面白いんですよ。特に灯台放送は、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国に点在する灯台が毎時持ち回りで放送しているので、深夜でお空のコンディションがよいときにラジオつけっぱなしにしておくと、次から次へと入れ替わりで放送が聴こえるのです。
岬めぐり ならぬ、灯台めぐり している気分。ずっと聴いているとあっという間に1時間が経過して、また同じ灯台に戻ってくるのです。自室に1669KHz固定の、灯台放送受信専用ラジオを用意しておきたいぐらいです。

そもそも灯台ってカッコいいですよね。観光目的を除けば特に普段、注目を浴びるわけでもなくなにか派手さがあるわけでもない。いつも、毎日、晴れだろうが雨だろうが雪だろうが台風直撃だろうが、大自然にさらされながら、ただただそこにあって、毎日淡々と、夜になれば光を放ち、霧になれば霧笛を発し、海の安全を見守る。

そんな灯台から放送される気象通報、聴いているといろいろな思いが脳裏を駆け巡るのです。

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私がはじめて受信した業務局は、東京マーチスでした。もういつのころか記憶が曖昧ですが確か小学校高学年のころのことでしょう。当時BCLという趣味の存在は知っていましたがBCLラジオなぞ家にあるわけもなく、さらには買ってもらえるわけもなく、親父が競馬かなにかを聴くために使っていたSONYのAM/FMポータブルラジオで中波BCLをしていました。

当時中波放送は10KHzセパレーションで確か540〜1600KHzが放送波帯でした。AMラジオも当然この範囲が受信できるようになっているのですが、当時のポータブルラジオはコイルとバリコンによる局発を持ったアナログラジオでしたので、きっちり放送バンドをカバーしているわけではなく上下に余裕を持って設計されていたのですね。

で、この、私が使っていたラジオも、1600KHzを受信した位置から随分上までバリコンをまわせたのです。体感的には1750KHzぐらいまで行っている感じ。で、1600KHzより上って何か電波入るのかな? なんて暇に任せてサーチしていたら偶然受信できたのが東京マーチスでした。

いや〜、驚いたというより、焦りましたよ。なんかいけない電波を受信してしまったのか俺は? みたいなノリでした。

電波は非常に微弱で、かろうじて放送内容が聞き取れる程度。必死に聴いていると、「次回の定時放送は、xx時xx分からの予定です。おわり。さようなら」と言って放送終了しました。

なんなんだこれは。一体、誰が誰に対して放送しているのだ。次回の定時放送まであと20分ぐらいだ。ってことは、30分おきにやっているのか??? 「さようなら」なんて挨拶するなんて、礼儀正しい放送だ・・・なんて感じでプチパニック状態でした。

その後、ラジオの製作の別冊として刊行された「BCLマニュアル」を買うことで、この放送がなんであるのか、また、このすぐ上で、灯台からの気象通報なども定時放送されているということを知り、自宅のラジオで受信できたこともあり「謎のトライアングルアンテナ」を併用しながら夜な夜なワッチすることになったのです。

そしてすっかり灯台放送と海上交通情報放送のファンになってしまいました。

その後中学生になって東芝のTRY-X 2000を入手し、受信環境もAMラジオに比べてぐっとよくなり、日本全国の灯台からの船舶気象通報が受信できるようになりました。

ここではそんな昔、今を遡ること約30年。当時集めた受信証(ベリカード)をご紹介します。

灯台からの船舶気象通報はまだ肉声の時代。Lighthouse Keeper が放送していた時代です。また、各局の持ち時間も90秒でした。今は各局FBな受信証を発行してくれるようですが、この当時は局により対応はまちまちで、「国家機関なので発行できない」という返信をいただいた局や、手書きで受信証をいただけた局、写真が趣味なかたがおられるのか手焼き写真葉書を送っていただけた局、一方で、明らかに受信報告書を想定して印刷された受信証を発行している局などいろいろです。

各局みなさん、きっと日常の灯台業務多忙な中で時間を割いて、対応してくださったのでしょう。いまにして思うと感謝感激であります。

数は少ないですがどれも当時の思いが詰まった大切な宝物。改めて見てみますと、懐かしさがこみ上げてきます。灯台放送にあまりに熱中したがために、一時は「将来俺は灯台守になる」などと親に宣言し、突然???と思われたことすらありました。

そんな灯台も現在はもう無人化されてしまいました。

ある日、いつものように灯台放送を聴いていると、どこの局か忘れましたがアナウンサーのかたが風邪をひかれていたのか、放送中に突然咳き込んでしまい、しばらく咳き込んだ様子のみが放送され、落ち着くと同時にすごい早口でアナウンスを再開し、なんとか時間内に放送を終了したなんてこともありました。ご本人さまも大変だったと思いますが、聴いているほうもハラハラドキドキでした。そんなことも今ではもうあり得ないシーンです。

しかし受信報告書の送付は、今にして思えば無謀な行動でした。
当時灯台の住所なんて知りませんから、どうやって受信報告書を送ったかと言いますと・・・

  • 日本地図で灯台の位置を調べる。
  • 灯台に最も近い地名を、郵便番号帳で調べる。
  • その郵便番号と住所と灯台名を書いて、出しちゃう ^^)


  • です。荒業もいいところです。例えば:「静岡県加茂郡石廊崎 石廊崎灯台」みたいな実にシンプルな住所表記です。
    灯台というのは観光名所になっていることも多いですし、そうでなくても、名称がわかれば場所をほぼ特定できるという性質もありますので、こんなんでも無事届いたようです。

    郵便局のひとには本当にご迷惑かけました。

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