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Kchibo KK-S500受信感度測定


  簡易的にですがSG使って感度測定。
2007年12月24日 青木 康雄
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測定するの図

ほんとうはオシロで低周波出力を観測し、S/Nで10dB試験するべきであるが、そんな粋で無いことをするのもどうかと思いここはざくっと、私の耳で判断した。
すなわちこうだ。
    1000Hzで30%変調のAM波を入力し、耳で聞いて充分に了解可能な最小入力電圧を記録
である。SGは、HPの8640Bを使用。比較のために、IC-PCR1500を同一条件で試験した結果も合わせて示す。
KK-S500は、Localモードで評価した。

測定するの図

IC-PCR1500は1800KHz未満の帯域では中波強電界対策のためのアッテネータがオンされる。
よって、上記グラフのごとくのライン取りとなるが、短波帯は極めて安定しており0.4〜0.5マイクロボルトの感度を維持している。

それに比してKK-S500は、中波にアッテネータなぞ無いために、ローバンドでかなり高い感度を示す。一方で5MHzを越えたあたりから感度低下傾向を示すが、それでも3マイクロボルトの入力感度を維持している。なかなか良好である。

が、ここでひとつ注記しておきたい。今回の測定では、5MHz以上でKK-S500は感度低下特性を示しているが、体感的にはそんな感じは全く無い。303WA-2からトロイダルコアで自作した2分配器を通してIC-PCR1500と同時受信し、13mbあたりの放送波で比較してみてもほぼ互角な受信感度を示している。
やはりKK-S500のアンテナ入力は、かなりハイインピーダンスなように感じる結果だ。上記結果はあくまでも50オームで整合されているラインを想定したものなので、インピーダンスのミスマッチが生じていると正しい結果にはならない。これについては近々にマッチングトランスを作ってみて追試してみることにしよう。

KK-S500の感度はDXモードにすると若干向上するが、了解度という点でいうとあまり変化はなく、聴いた感じでは実効でせいぜい3dB程度の改善に止まりそうである。しかし、環境ノイズの極端に少ないロケーションに恵まれれば、DXモードはもっと良好な結果を残すポテンシャルは秘めていそうである。

おそらく、KK-S500を日本国内で使うにおいては、DXモードは不要であろう。

この件について少し考えてみた。

KK-S500は、本体のボタン表記や取扱説明書含め、全部中国語表記である。すなわちこれは、中国国内をターゲットとしたモデルであるということだ。

ここでいまいちど、中国の広大な国土面積を思い起こして欲しい。

日本なんか比較対象にならぬほどの広大な国土を誇る中国。その中国国内向けのラジオってことになれば、日本ではあり得ないほどの弱電界強度地域もあるに違いない。
そう、KK-S500のDXモードというのはまさに、そんな超弱電界強度地域のために装備されたものであり、まさにポータブルラジオの限界を超えた最終兵器という位置づけなのかもしれない。中国国内向けに投入された高感度ラジオという位置づけの本機は、中国全土どこに行こうとも放送波を受信できなければならないという、重い使命を負っているのだ。
我が家においては少なくとも、DXモードはJORFの直撃により実用不可能なほどのカオス状態になってしまうが、それでも極限状況下においては混変調にまみれながらも目的信号を耳フィルタで聴き分けて判別可能になるシーンがあるかもしれない。

ゆえに常用はどう考えてもLocalモードとなるわけだが、それでも短波帯で3マイクロボルトの感度というのは、環境ノイズ以下のレベルなので実用上では必要充分な感度であると言って支障ないと考える。

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ついでなので、選択度も簡単に測って見た。

相変わらずお気楽に私の耳による主観である。

HPの8640Bで4000KHz/AM変調1000Hz30%/0.01mV(-90dBm)をKK-S500に入力し、耳で聞きながらほぼ9割がた信号をカットできる下限と上限の周波数を調べるというもの。
ちなみに-90dBmの信号はS9オーバーであり、9割がた信号カット状態とは、この信号が聴こえるか聴こえないかギリギリぐらいの線って感じである。

結果は:
測定日時 :2007年12月22日 15時30分ごろ 温度:15.9度 湿度:53%
入力信号 :4000.00 KHz / AM変調1000Hz30% / 0.01mV(-90dBm)

KK-S500での聴こえはじめ : 3996 KHz
KK-S500での聴こえ終わり : 4007 KHz

帯域幅は、ざくっと 11KHz(+7KHz , -4KHz)
という結果になった。中心周波数が少し高いほうにずれているのは、おそらくセラミックフィルタの対称性が確保できていない(フィルタの性能か、あるいは、フィルタの実装状態の問題か・・・)からと思われる。PLL発振周波数はいくらなんでもこんなにずれることは無いだろう。
帯域端でのキレはなかなか見事で、例えば只今2007年12月24日の12:43、11885 KHzで中華音楽を延々と放送している超強力波CBSを受信してみると:
    11878 KHz:サイドで「ガサガサ」言っているのが聴こえる程度。
    11880 KHz:ほぼ普通に聴こえる。Sメータフルスケール。
    11883 KHz:このへんがチューニングのピークのような感じ。
    11887 KHz:まだ普通に聴こえる。
    11888 KHz:サイドで「ガサガサ」言っているのが聴こえる程度。

という感じで、帯域は決して狭くは無いものの、キレはなかなか気持ちよく、ばさっとキレる。

この結果から、また、実際に使用してみての感じからも、近接波の混信が無い場合は目的周波数より-2KHz程度にあわせると、一番良好に受信できるようである。

目安程度のいい加減な測定であるが、それでもこういう結果を持っていれば近接周波数から混信を食らった際など、どっちに逃げるべきか判断する際の有用な材料になるのでないよりはマシである。
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